いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

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いつまで続くのだろうか…

 新型コロナパニックによって年度末の街中は散々な様相を呈している。飲食店や飲み屋街は閑古鳥が鳴き、そうした小売店や学校給食などの仕入れが減るために青果市場や水産市場の仲卸業者も売上減で悲鳴を上げている。当然、市場に農水産物を出荷する生産者にも影響は及んでいる。卒業式・入学式シーズンがかき入れ時の花屋も打撃がすごいようで、花卉生産者にも影響は直結している。枝葉に分かれるように連関しあって企業活動なり生産活動がやられ、いわば分業によって衣食住、あるいは教育、文化を含む社会生活が営まれているなかで、自粛ムードの広がりによってヒト、モノ、カネの動きが滞り、萎縮しきっているのである。ここで仮に政府が国民一人あたり1万2000円ぽっちのカネをばらまいたところでどうこうなるものではない。もっと実のある国民生活へのリカバリー政策が必要であると同時に、まずは新型コロナウイルスの拡大を全力で食い止め、収束させることによってしかこの不安は解消されないし、日常に戻ることなどできないのである。

 

 ここにきてPCR検査の調査件数を厚生労働省が発表し始めたものの、驚くほど少ない。2月18日から現在までの1日あたりの調査件数を記録したものだが、一番少ない日で513件、多い日で1840件。つまり1000件に毛が生えた程度なのだ。その総数は2万8000件で、世界各国の調査件数と比較しても話にならないほど少ない数値である。検査しないことには陽性も陰性もわからず、それこそ分母がいい加減なら致死率だって狂う。検査をたらいまわしにされたり、検査を受けたいのに受けられない等の事実がその後も各方面で問題になっており、まるで「検査をするな!」の指示でも出ているかのようなのだ。

 

 仮に東京五輪を開催するために患者数を少なく偽装し、それこそ「アンダーコントロールされている!」と同じ論理で事が動いているのだとしたら、大嘘も大概にしなければならないと思う。その行動の動機が感染症対策のためではなく、五輪開催のためとなると、実態から遊離して願望に基づいて社会を振り回すことにもなりかねないからだ。結果、封じ込めではなく、自覚のない隠れコロナが社会に溢れるという状況にもつながりかねない。五輪があろうとなかろうと、ここは新型コロナウイルスの感染を収束させるために検査も治療も万全にして、国民の生命と暮らしを守るのが先決である。中国政府はアビガンを有効な治療薬として認定したが、完治する人も多いわけで、科学的に対処すること、つまり入り口の検査がやられないことにはどうしようもないのだ。

 

 検査数や患者数の推移、感染拡大の趨勢の特徴などがあまりにも世界各国のそれと乖離していた場合、「嘘ついてんじゃないよ!」と各国から批難され、世界を股にかけて虚言癖が認知されることになる。その場合、「福島は完全にコントロールされている」も大嘘ではあるが、「はじめから終わりまで嘘かよ!」と総ツッコミを食らうのは日本政府である。

 

 モリカケ、桜をはじめ、国内に暮らす私たちは嘘、隠蔽、改ざんに躊躇がない安倍政府の姿勢をこれでもかと見せつけられてきて、既に慣れっこになっている感すらある。前例のない統治のぶっ壊れ方(官僚機構も含む)に唖然とし、そのせいもあってか、今回のようなパニックで大仰かつ中身の乏しい会見をされても、そんな政府のなにを信頼しろというのだろうかという思いがしてならない。メドのないパニックに投げ込まれ、悪夢のような安倍政権ともども「いつまで続くのだろうか…」と思うのである。

                         武蔵坊五郎

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