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「チキンホークだらけの翼賛国会に風穴を」 れいわ新選組・伊勢崎賢治参議院議員の衆院選応援演説から

(2026年2月4日付掲載)

れいわ新選組の三好りょう候補(神奈川15区)の応援演説をおこなう伊勢﨑賢治氏㊧(1月29日、平塚駅)

 衆院選(2月8日投開票)に31人の公認候補を立てたれいわ新選組(山本太郎代表)は、大石晃子、櫛渕万里の両共同代表、高井崇志幹事長を筆頭に全国各地で遊説を続け、現職国会議員も各地に赴いて応援演説をくり広げている。そのなかで参議院議員の伊勢崎賢治氏(元国連上級民政官)は、高市政権だけでなく野党までも「対中抑止」として正当化する軍備拡大は、日本を挑発装置に変貌させ、アメリカの身代わりとして戦争に突き進む道であることを指摘。戦前の大政翼賛会を彷彿とさせる政治状況のなかで、その動きに抗う唯一の勢力としてれいわ新選組への支持を訴えた。伊勢崎氏の演説内容の要旨を紹介する。

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伊勢崎議員

 私は半年前にれいわ新選組から国会議員になったばかりの新米議員で、それ以前には東京外国語大学で18年間教員をしてきた。専門は戦争学、安全保障論だが、それを聞くと皆さんは「戦争の話なんて、どうせ机上の空論じゃないか」と思われるだろう。テレビで見るのはそういう連中ばかりだ。でも僕には現場を踏んできた自負がある。

 

 僕は国連職員として、それも多国籍軍と一緒に紛争現場で平和維持活動をやってきた。一時期は外交官として戦時下のアフガニスタンで活動した。当時の小泉政権からブッシュ政権のサポートをしてほしいと日本政府代表に任命され、アメリカ軍と地上最強の軍団であるNATO軍と一緒に現場で働いた。その経歴を買われたのだろうが、18年間にわたり、陸海空自衛隊の精鋭たちを育成する防衛省統合幕僚学校の教育課程で教えてきた。だから今では自衛隊員一人一人を自分の子どものように思っている。

 

 だからこそ僕は、「愛国だ! 愛国だ!」と声高に唱える一部の支持者を熱狂させるだけの言葉を発して隣国との関係を緊張させる政治家の無責任な言動によって、一人たりとも自衛隊員の命を失わせてはならないという思いを強く持っている。そのような軽薄な政治家の言葉で緊張が高まった現場に赴くのは政治家ではない。自衛隊員だ。

 

 このようなリスクが高まってきたと僕が思い始めたのは3年ほど前だ。すでにこの国には戦争の足音がひたひたと聞こえ始めていた。そのときに出会ったのが山本太郎という人物であり、僕は彼と一緒に働く決心をした。そして昨年7月、参議院議員になった。まだまだやらなければならないことがたくさんある。

 

 今の日本の平和にとって一番の問題はアメリカとの関係だ。なぜか? 第二次大戦後、もっとも多くの人を殺し、もっとも多くの戦争をやっている国はアメリカ合衆国だ。そういう国とわれわれは一体化してしまっている。戦争を続けるアメリカとの関係を変えない限り、アメリカの代わりにわれわれが狙われる危険性が必然的に高まる。僕の盟友・石破茂が総理になってこれが変わることを期待したが、彼をしても変えられず、高市政権になってからは戦争の足音が大股で近づいている。

 

 このさい「チキンホーク」という言葉を覚えてもらいたい。チキンはニワトリ、ホークは鷹。これはベトナム戦争の泥沼から帰還した米軍将校が自国の政治家を揶揄して放った言葉だ。つまり、一部の政治家が「国のために一丸になって戦え!」と鷹のように勇ましく国民を煽るが、そういう政治家が戦場に行くわけではない。息子も孫も出さない。それなのにそんな政治家たちが国民とくに最下層の若者たちに「戦え! 戦え!」という。威勢が良いだけの臆病者。こういう政治家をチキンホークという。

 

 今、日本はチキンホークだらけだ。そんな政治家を見たら「チキンホークか」と投げかけてもらいたい。与野党を問わず、そんな政治家だらけだからだ。戦争はいきなり始まるものではない。今日本は残念ながら隣国、とくに中国との緊張が避けられない状態にある。

 

レーダー照射事件 現場の頭越しに政治利用

 

 昨年末、東シナ海で自衛隊の戦闘機が中国軍の艦載機からミサイル射撃用のレーダーを照射(ロックオン)される事件が発生した。このような小さな事件やそれをめぐる政治家の無責任な発言が中国との関係を悪化させている。このまま行けば戦争になるかもしれない。そういうリスクのなかにわれわれはいる。

 

 このレーダー照射事件が起きた時、一部の自衛隊員、とくに現場にいる自衛隊員からは「この事件を公表すべきではない」という声が上がっていた。それを一部メディアが報道したが、僕の耳にも関係者から届いた。

 

 なぜ現場の自衛隊員が事件を公表すべきではないと考えるのか? これには納得できる理由がある。自衛隊に限らず、軍隊、とくに敵と間近に対峙している軍隊同士にはCBM(信頼醸成措置)という考え方がある。これは国の境界線の現場で働いている軍隊同士の信頼を醸成するということだ。つまり、たとえ国同士が敵対関係にあり、彼ら自身も敵対しうる状態にあったとしても、現場にいる双方の軍人同士が互いにコミュニケーションを取り、レーダー照射事件のように日々発生する小さな衝突のたびにその原因を話し合い、裁定し、二度と同じようなことが起きないような措置を互いに合意する。これによって偶発的な軍事衝突を回避し、誤解を解消し、衝突のエスカレーションを防ぐのだ。このような細かい作業を、われわれの見えないところで、もちろんチキンホーク政治家たちがわからないところで現場の軍人たちは日頃からやっている。

 

 ところが、あのレーダー照射事件のときはどうなったか? 今の小泉進次郎防衛大臣はこれを聞きつけるや、なんと午前2時にメディアを呼び出して事件を大々的に公表してしまった。案の定、与野党問わず他のチキンホーク政治家たちが騒ぎ出し、メディアも総力をあげて大騒ぎし、「すべて相手が悪い」「あんな国は信頼できない」「だからこっちも軍備を増強するしかない」という短絡的なスローガンが席巻した。それが今でも蔓延している。国民の不満を煽り立て続けることがずっと続いている。

 

 だが、ここで忘れてはならないことがある。それはこういうチキンホークは、あちら側にもいるということだ。国家間の緊張というのは、双方のチキンホークが高め合った結果であり、常に相互作用なのだ。どちらにもいるこのチキンホークたちは、お互いの敵の意図や能力を現実以上に誇張する。それでみなさんの不安と恐怖を煽るのだ。

 

 なぜそんなことをするのか? その答えはただ一つ。自分たちの票のためだ。怖がることが好きなみなさんの心理につけ込み、その支持を集めるための常套手段だ。これは古今東西の政治家がくり返してきた。そして「戦争抑止」という聞こえの良い言葉を唱えながら、限りなく軍備を拡張させていく。その行き着く先は戦争だ。大げさな話ではなく、これが現実だ。

 

 今の日本はそうなっていないだろうか? たとえば何かの福祉政策をやろうとするときに必ずいわれる「財源はどうするんだ?」という言葉。それが軍備拡大のための防衛費に関しては、野党でさえ財源問題には口をつぐむ。これはもうチキンホークのブレインウォッシング(洗脳)に頭がやられてしまっている。野党もその仲間であることを強調しなければならない。野党だからといって信頼してはならない。

 

 これにどう対抗すべきか? まだ僕には自分の党を客観的に見る目があるが、あてになるのはれいわ新選組しかない。野党の中でこれをちゃんと指摘できるのは、れいわだけという異常事態だ。

 

継戦能力とは? ミサイル弾薬でこの国は守れない

 

 高市政権はこの頃ようやく「継戦能力」という言葉を使い始めた。戦いを続ける力のことだ。戦争は一発撃って終わりではない。ウクライナ戦争は4年たっても終わらない。それが戦争だ。その継戦能力がないといって高市政権は「もっと弾薬を買って備蓄しなければいけない」とやってきた。先日、僕は沖縄県の宮古島にも行ったが、国防の最前線であるあの美しい島にも新しい弾薬庫をつくってしまった。

 

 でも一つ大事なことを忘れていないか? もし補給路が断たれてしまったら、これだけ食料自給率が低い国でどうやって国民は生きのびるのか。先進国のなかで食料自給率が4割を切っている国は日本だけだ。つまり、食料自給やエネルギーの多様化が土台にない国は、どれだけミサイルを買い込んだところで国防を語れない。本来の継戦能力とは自給率のことなのだ。

 

 それでもアメリカから武器弾薬を買い続け、財源を問わない防衛費増大にひた走る。これは狂っている。やめさせなければならない。与野党のチキンホークから日本を救わなければならない。それができるのはれいわ新選組しかない。

 

 山本太郎代表が病気になり、それはれいわ新選組にとって存亡の危機かもしれないが、それ以上にわれわれの頑張りは日本の危機に直結するレベルのものだと考えている。どうかみなさんの力を与えてほしい。

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