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ひびき支店の保護区削減 山口県漁協副組合長の廣田氏が提案 

またも懲りない恫喝 他支店のアマ漁解禁も 

 

 下関外海漁業共励会会長で山口県漁協副組合長の廣田弘光氏が、またもや洋上風力発電に反対する下関ひびき支店(旧安岡漁協)の組合員から生活の糧を奪うような提案をおこなっていることが物議を醸している。


 一つは、この海域での底曳き網漁業と他種漁業との協定を変更し、ひびき支店だけ保護区域を大幅に減らそうとしていることだ。底曳き網漁業は廣田氏が運営委員長を務める彦島支店が主力であり、「安岡の鼻先まで曳いてやるぞ」(昨年5月の共励会での廣田氏の発言)をやろうとしているのだと漁師たちが激怒している。


 もう一つは、これまで「ひびき支店のアマ漁は禁止」といってきた共第37号共同漁業権区域について、今度は「他の支店のアマ漁を解禁する」と提案したことで、漁師たちは「漁師同士の争いになり刃傷沙汰にもなりかねない」と危惧している。


 底曳き網漁業と他種漁業との操業調整に関する協定書の変更は、18日に開かれた下関外海漁業共励会の場で廣田氏より提案された。


 従来の協定書は平成15(2003)年、木山光夫組合長のもとで更新された。底曳き網漁業は漁場を荒らすので、他種漁業の操業の安全をはかる目的で保護区域をもうけ、区域内では5月1日から11月30日まで底曳き網漁業の昼夜間操業を禁止するととりきめている。


 協定は平成18年の有効期限を過ぎても問題にされることなく継続してきたが、今回突然廣田氏が「有効期限を過ぎても更新がない」ことを理由に新協定を提案した。新協定では、蓋井島支店や吉母支店の保護区域はそのままなのに、ひびき支店だけが大幅に減らされて、単独管理区域だけになっている【下地図参照】。

 


 しかも協定に違反する者が出た場合、「下関漁業管理委員会の正副会長が補償について調停する」(第5条)となっている。


 これについては先日、山口県水産振興局から「漁業管理委員会は任意の組織であり、共励会になりかわることはできない」と注意されたばかりだが、改まっていない。


 この日の会合では、ひびき支店の運営委員長が提案に同意できないとの態度を表明した。
 続いて廣田氏は、同じメンバーで「共第37号共同漁業権管理委員会」を開き、共第37号共同漁業権共有海域(図の黒ベタの部分)での「素潜り漁(アマ漁)の解禁」を提案した。


ひびき支店の主力はアマ漁

 

 この共有海域ではひびき支店の漁師が数十年来アマ漁をおこない、アワビ、サザエ、ウニ、ナマコを獲って生計を立ててきた。


 ひびき支店の主力はアマ漁であり、同海域の資源保護のために稚貝の放流や母藻設置、黒ウニ駆除などもおこなってきた。これに対して廣田氏は共励会で多数決を採るなどの手続きもへずに、2015年5月にアマ漁禁止、今年2月には下関沖合人口島付近のナマコ漁の禁止をひびき支店に通告してきたが、効果が薄いと見なしたのか、今度はこの海域に「他の支店が潜ることを解禁する」と提案したのである。


 この2つの提案が仮に実行されれば、ひびき支店組合員のアマ漁やタコツボ漁、イカシバ漁などは困難に陥り、支店経営が脅かされるとともに、海域の漁師同士の争いも激しくなって収拾がつかなくなることは容易に想像できる。従って、きわめて重大な問題をはらんでいる。


 漁業協同組合の責任ある地位にいる者は、まず第一に組合員の生活を守り、漁業生産の向上に寄与しなければ話にならない。


 また、共励会の会長ならばその海域の紛争を収め、漁師たちが平和的に共存してそれぞれの生活が成り立つように尽くすのが仕事である。


 廣田氏はアマ漁禁止について「これまでは暗黙の了解で認めてきたが、ひびき支店が風力(発電計画)に反対し始めたから、頭にきて操業をやめさせようとなった」と語っているが、そうした理由で組合員が漁業で生活できないような状態に追い込むというのは、それ自体漁業権侵害を問われても仕方ない行為といえる。


 この新ルールは共励会を構成する各支店運営委員長の承認と山口県水産振興局の承認がなければ成立しない。監督官庁である山口県水産行政はこれを黙認して開けて通すのかどうか、その態度が注目される。また、共励会に参加している他支店の運営委員長も、組合員の生活を守る側か、脅かす側か、が問われている。

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