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アベノミクスの末路とは…

 新型コロナパニックの伝播なのか、3月9日のニューヨーク株式市場ではダウ工業株平均が史上最大の2013㌦安となり、取引が一時停止に追い込まれるなど激しい値動きを見せた。それを受けて開場した10日の日経平均株価は1万9000円割れを起こすまで一時暴落した後、トランプが給与減税などの財政措置を表明したことや日銀の介入によって急上昇するなど、激しく乱高下した。そして、その後も株価は下がり続けている。リーマン・ショックから12年が経ち、その後の各国中央銀行による前例のない規模の量的緩和政策によって、金融市場はジャブジャブのマネーで溢れ返った状態が続いてきたが、この官製バブルの弾ける瞬間が近づいているのかもしれない。反省なき強欲資本主義とでもいうべきか、金融工学なるものを駆使して実体経済からかけ離れたマネーゲームをくり返し、その度にはじけ飛ぶ--。そして蚊帳の外に置かれた各国の民衆に尻拭いさせる--。いつもこのくり返しである。

 

 日銀の黒田総裁曰く、保有するETF(上場投資信託)の損益分岐点は1万9500円だそうである。アベノミクスに加担して日銀がこれまで買い込んだ膨大な株式(年間6兆円規模)の総額は既に時価ベースで30兆円を超えるまでに膨らんでおり、損をするからといって売りに出せばますます日経平均株価の暴落に拍車をかけることになる。かといって保有したまま1万9500円を下回れば日銀が含み損を抱えるよりほかにない。「必要なら躊躇なく対応する」(黒田総裁)などといっているところを見ると、もはや抜け出せないまでに中央銀行である日銀自身が組み込まれており、金融市場と一蓮托生の運命にあることや、万歳突撃をするしかないと開き直っているような印象すら受ける。前例のないイカサマ相場のなれの果てである。

 

 GPIF(年金資金)も金融市場には81兆円も注ぎ込まれているし、これも株価暴落となった際には無傷ではいられない。マネーゲームの原資をひたすら供給し続け、海外の金融資本に肥やしにされた--という結末にもなりかねない。こうして国民のカネを溶かした暁には、いったい誰がどう責任を負うというのであろうか。巻き上げられた金額たるや、アベクロコンビの全財産を没収しても回収できる額ではないのである。

 

 昨年10~12月期の実質GDP成長率は年率マイナス6・3%からマイナス7・1%に下方修正された。コロナ・ショック以前の話であり、直接には消費税増税が追い打ちをかけたものだ。そして、1~3月期はさらに厳しい数値になることが予想されている。もはや「景気は緩やかに回復している」という日銀の嘘八百を信用している者などいないし、経済がいっきに傾きはじめているというのが実感だろう。とくにコロナ・ショックによって巷では人、モノ、カネの動きが滞り、商売人に話を聞くと「客が通常の1割程度しか来ない…」というような話はざらである。そして銀行が緊急融資で中小企業や商店、飲食店経営者のもとを駆けずり回っている様が、この下関の街中でも話題になっている。リーマン・ショックのときにも増して、コロナ・ショックによる前例なき経済活動の萎縮が進行しているのである。アベノミクスの末路が見えてきたような光景でもある。 吉田充春

 

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