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地元同意もなく通知  東和・ゴチ網禁漁区解除  県も漁協も加担


 【上関】 県漁協東和町支店の「ゴチ網禁漁区、勝手に解除問題」で今月、ゴチ網の許可を持つ関係漁師に、「解除」された区域で、自由に操業できることを伝える地図付きの通知が届いた。地元伊保田地区の漁業者のなかでは、「解除の前提である地元同意が得られていない」と問題になっているさなかの対抗的な動きに、ますます憤りが強まっている。
 今月15日付の消印で、東和町支店内のゴチ網漁師に届いた通知によると、昨年4月22日の伊保田地区正組合員集会において禁止区域の変更が認められ、5月23日の旧東和町漁協理事会で承認。7月26日の伊保田地区正組合員集会で区域(見通し線)の確認がおこなわれ、同28日に旧東和町漁協が、共第146号共同漁業権管理委員会に変更の要望書を提出。その後、県や水産庁、農林水産大臣の認可など所定の手続きをへて、今年10月1日に規則改正が施行されたとなっている。
 文書には、周辺海域の詳細な地図も添付されていた。ゴチ網は、山口県内ならどこにいってもよく、名実ともに許可を持つ瀬戸内側の漁師が誰でも伊保田湾内で操業できることとなった。常識的には、10月1日の施行前後に通知がおこなわれていたはずのものだが2カ月遅れで、同様の通知が県内すべての関係漁師に配られたとみられる。
 通知を知った伊保田地区の漁業者は、一様に激怒した。解除の前提とされている正組合員集会で「変更が承認された」とか、「区域の確認をした」とかいう事実自体が存在していないからだ。特に当時は、小田組合長(当時)が、3度も合併臨総をやり、理事選挙で解任されたのにインチキで組合長になって、地元組合員と裁判沙汰になるほどもめていた時期。「100歩譲っても、小田が有利になる承認などするはずがない」と語られている。
 なお、同じ油田地区の情島では、説明すらされていなかったため漁業者が怒っているが、この度の文書でも「同意をとった」とは書けなかった。情島では、問題が発覚したのち「説明をして承諾を得た」と事後承認でもみ消しを図っている。
 この間、伊保田地区の漁業者は、県漁協や県に質問状、要望書を提出したり、説明会を開くなどしてきたが、県も県漁協も是正しようとはしていない。「法律通りで決まったことだ」「県は、要望書が出れば手続きを踏むだけ」などといって黙殺し、小田運営委員長のインチキを擁護して漁業者を怒らせている。
 柳井水産事務所の梅田所長は、漁師の「地元同意がないから、解除自体が無効」という訴えに対して、「運営員会で審議され、解除の要望が出たのだから地元同意はとれたのだろう。同意もなく要望は出ないはず。県や国を通る手続きを踏んで規則が改正されたのだから、途中ならまだしも、今さらいわれても困る」を繰り返すのみ。
 漁業者は、「その論理でいけば、仮に組合長や一部幹部が組合員の同意なく、原発や基地問題などで漁業権の変更を勝手にやっても認められてしまう」「漁業権変更の地元同意という前提が崩れ、1度決めてしまえば勝ちというのでは法律もいい加減だ」と指摘する。
 また、県は「要望書を出せばもう1度改正はできる。民主主義で決まれば」と説明する。しかし実態は、東和町支店の運営委員会で「もう1度禁漁区にしよう」と決定され、小田運営委員長が県に要望書を提出すればというもの。県は、「個人からいわれても無理だが、公式な要望なら受け付ける」と紳士的な説明をするが、「小田氏の配下で固まった運営委員会が不利な議案を承認するわけがない」ので、事実上の泣き寝入りを進めているのと変わらない。
 伊保田地区の漁業者は、年末から年明けにかけて「漁場を守る会」を中心に、「不正は絶対に認めない」と禁漁区解除取り消しまで様々な行動をすることを計画している。

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