いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

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戦時動員急がせる米政府  米本土防衛のため血税提供 

 安倍政府はアメリカの要求のままに、日本を米軍の戦争に組み入れ、アメリカの国益のための戦争に駆り立てる策動をしゃにむに進めている。昨年末には、第2の朝鮮戦争勃発を想定した詳細な日米共同軍事作戦づくりに着手したことが報道されている。米軍が使う日本の空港や港湾、病院などを定めるというのである。アメリカ本土に向かう弾道ミサイルを撃ち落とすミサイル防衛システムを配備したり、その開発にぼう大な血税を提供しようとしている。イラクへの自衛隊派兵も米軍支援のためであり、その失敗は世界的に定説となっている。朝鮮への突出した制裁も孤立する羽目となっている。その失敗を反省するどころかさらに輪をかけて、自衛隊の海外派兵を本来任務にしたり、日本を戦場にする策動を突き進んでいる。戦争を押しとどめる課題は日本人民の重大な任務となっている。

 米軍が使う日本の港も指定へ
 新たな軍事作戦計画は、自衛隊幹部や、在日米軍幹部で構成する共同計画検討委員会(BPC)が具体化に着手したもの。日米両政府は02年に「概念計画5055」に署名し、朝鮮半島に補給物資を輸送する米軍への民間空港・港湾の提供や、負傷米兵の治療計画をもりこんだが、「5055」は協力項目ごとに方針や必要な施設数などが書かれたのみだった。それを今回は米軍が使う空港・港湾の具体名を定め、実戦に使える「作戦」にするというものである。
 計画では周辺事態のさい、遭難した米軍の捜索・救難、米軍が出撃・補給をする拠点となる基地や港湾などを定める。港湾では「深度」「荷役能力」などを調べ、具体的に使用港湾を指定する。医療でも「提供する病院名」「ベッド数」「必要な医薬品類」なども定める。それは警察や地方自治体、民間の動員もふくむ計画となる。
 また日本が直接攻撃を受ける武力攻撃事態として、北朝鮮による弾道ミサイルを想定している。そして自衛隊と米軍の役割分担にはミサイル防衛に加え、敵基地攻撃を想定した図上演習も交えて具体化すると表明した。「武力攻撃対処」の名で、日本を出撃基地にした朝鮮半島侵攻計画の作成である。
 米軍はすでに戦時に使いたい民間空港・港湾の具体名を計30カ所前後あげている。空港では成田、羽田、関西、新千歳、福岡など主に大空港の使用を要求した。施設の荷揚げ・給油・保管能力、消防・警備体制・駐機可能な面積などを確認項目として上げ、今春から現地調査に入るよう日本政府に迫っている。
 日米両政府は、「韓国」在住の日米民間人の退避計画を策定する作業も開始した。「韓国」在住の日本人約3万人と米国人約8万5000人を米軍機などで日本に避難させることに加え、「朝鮮から10万人を超す難民が来る」と想定して、日本国内における食料などの物資確保や治安維持体制を強める。

 首都圏等に16基も配備 ミサイル防衛計画 
 アメリカが強く進める「ミサイル防衛」で、自衛隊が今年3月から2010年度にかけて、①地対空誘導弾パトリオット(PAC3)16基、②海上配備型の、スタンダードミサイル3(SM3)搭載のイージス艦4隻を配備する計画を明らかにした。在日米軍も今夏までにSM3搭載のイージス艦5隻を配備する。
 防衛庁のミサイル整備計画によると、PAC3を最初に配備する首都圏では、航空自衛隊第1高射群の入間基地(埼玉県)に今年3月までに導入し、11月に習志野(千葉)、来年1月に武山(神奈川)、来年3月に霞ケ浦(茨城)の順に配備する。このほか、来年度に浜松基地高射教導隊(静岡県)、2009年度に饗庭野(滋賀県)、岐阜、白山(三重県)、2010年度に福岡県の芦屋、築城、高良台の各基地にPAC3を配備する。
 アメリカは昨年末、早期警戒レーダー「Xバンドレーダー」を日本に追加配備することを要求した。レーダーは米軍再編に伴い航空自衛隊車力分屯地(青森県)に配備したが、昨年7月に日本近辺にミサイルが飛んできたとき1発も補足しなかった。それは「米本土に到達する可能性がない」というもので、米側はこのレーダーについて、米本土へむかう大陸間弾道ミサイルの監視と在「韓」米軍と米軍嘉手納基地に発射する弾道ミサイルの監視・追尾が役割、と明言している。最初から「日本防衛」は目的ではなく、日本本土を米本土防衛の盾にすることが目的だというのである。防衛庁はこのレーダーを、九州・中国地方の自衛隊基地を追加配備先として検討している。
 そして米政府が新たに日本に要求したのは、飛んでくるミサイルを打ち落とすシステムではなく、どこへ飛ぶかわからないミサイルを発射直後に破壊するシステムへの技術協力である。上昇段階にある敵の弾道ミサイルを戦斗機からレーザー光線を照射して破壊する仕組みで、財政支援も要求している。米国側は「5年後をメドに実用化させたい」と主張し、技術協力では三菱重工業など複数の企業名まであげている。
 弾道ミサイルの飛行経路は発射から①上昇、②大気圏外の飛行、③目標物への落下の3段階に分類される。今回の要求は発射直後の上昇段階の迎撃を想定したもので、攻撃目標が不明な時点で爆破する。それはアメリカ本土を攻撃するミサイルを打ち落とすというもので集団自衛権の行使を憲法の改定を待たずに実施するというものである。
 ミサイルシステムの開発は現在の迎撃システムの研究だけで1兆円をこす。レーザーによるシステム開発が加われば、さらにぼう大な資金をアメリカに提供することは必至である。

 中国の武力侵攻を想定 日米訓練も様変わり 
日米共同訓練も様変わりとなっている。陸自と米海兵隊は昨年1月、米国で離島への武力侵攻や武装ゲリラの潜入に対処すると称する共同訓練を行った。昨年11月には米海軍と海上自衛隊が、中国が尖閣諸島に武力侵攻したことを想定した大がかりな演習を展開した。
 これには海自のイージス艦など約90隻、P3C哨戒機など約170機に加え、米海軍の空母キティホークなど10数隻が集結した。中国を「オレンジ」、日本を「青」、米国を「緑」などと色に置き換えたが、シナリオは、①中国が尖閣諸島に武力侵攻、②日米が海上交通路を確保し日本が輸送艦船で陸上部隊を緊急展開、③日本が尖閣諸島を奪還する、という武力侵攻作戦だった。部隊の展開は硫黄島を沖縄本島、沖の鳥島を尖閣諸島に見立てて実施した。
 島嶼防衛というが、敵が支配する地域に武力で上陸侵攻するもので、敵前上陸武力侵攻訓練である。

 イラク派遣恒常化図る 防衛庁は「省」昇格 
 さらに今月9日には、防衛庁を米国防総省に相当する「防衛省」へ昇格させる。防衛庁長官は防衛大臣となり強力な権限をもつ。久間防衛庁長官は3日、組織改変案を明らかにし、米軍再編やミサイル防衛(MD)で米軍と一体化を促進するため「日米防衛協力課」を新設すると表明した。大臣官房には「米軍再編調整官」と担当審議官も新設する。また朝鮮半島情勢、中国の台頭、米国の世界戦略などの中長期的研究を行う戦略企画室も設置する。いずれもアメリカ直結の指揮系統を作るものである。今月召集の通常国会で関連法案を提出し今年9月に設置する。
 そのもとで先月の自衛隊法改定で、「付随的任務」から「本来任務」に変更した「海外活動」(国際緊急援助活動、国連平和維持活動、機雷等の除去、在外邦人等の輸送、周辺事態法に基づく後方地域支援など)が具体化されることになる。イラク戦争のときは「特別措置法」を作り日本の若者を日当3万円でアメリカの戦争の下請軍としてかりだした。
 米軍のイラク戦争は世界的にもアメリカ国内でも、ごうごうたる非難を浴び、失敗だったというのが定説となっている。それは当然にも、いまなお米軍物資の運搬のために派遣している航空自衛隊への非難である。まともな神経であれば、航空自衛隊を直ちに撤退させ、派遣の反省をしなければならないところ、逆にその道を恒常化し突っ走ろうというのである。

 大増税し米軍に3兆円 米 軍 再 編 
 こうしたなか、米軍の戦略変更の必要から持ち出された米軍再編計画を、日本政府が金を出し、地元自治体に受け入れを迫る法律まで準備し強行を図っている。住民投票、市長選で米軍基地撤去世論が圧倒した岩国では国、県が力任せで市を兵糧攻めにする方向で、愛宕山に米軍住宅を作ることも安倍政府が勝手に決めた。
 米軍嘉手納基地からF15戦斗機訓練を空自6基地(築城、新田原、百里、小松、千歳、三沢)に移転する計画も、移転費用を日本側が75%負担すると決め、2月から訓練移転に踏み切ろうとしている。日米共同使用の条件が合意されている空自基地では、共同訓練に日数・回数の上限があるが、その回数制限も撤廃し、自衛隊基地を米軍が勝手放題に使う方向である。
 そして在日米軍再編には日本が総額で3兆円以上つぎ込むことが明らかになっている。米軍の将校や家族を沖縄より安全なグアムに移転させる費用に、7050億円もつぎこむことをはじめ、名護市辺野古への普天間基地代替施設建設計画だけで費用は1兆円以上に上る。普天間基地や嘉手納基地の戦斗機訓練移転なども加えれば沖縄関連で2兆円規模となる。そのほか米軍岩国基地沖合拡張工事の建設費総額が2400億円、厚木基地の岩国基地移転費用で1000億円以上、横須賀へ建設中の原子力空母用岸壁延長工事に129億円、など数え上げればきりがない。そのうえに米軍再編を推進するため、積極的に米軍を受入れる自治体へは優遇措置として10年間で1000億円も拠出する枠組みを準備するなど米軍には湯水のように税金を投入する異常さを露呈している。
 第2次大戦では、日本の敗戦が決定的となっていたなかで、全土を空襲で焼き払い、広島、長崎に原爆を投下し、非戦斗員を100万人近く殺した。それは日本をうち破るためにはまったく必要のないもので、アメリカが日本を単独で占領するという目的のためにやったものであった。そして天皇を頭とする日本の財界、支配勢力は、日本人民の反抗を押しとどめ、支配の地位を守るためにアメリカに助けを求めて、国家機構をあげてアメリカの日本占領の協力者になった。そうして62年たった結果が、現在である。
 戦争で犠牲になった日本が、ふたたびアメリカの国益のため、それに隷属して生き延びようとする売国独占資本集団のために、戦争と破滅の道に引きずり込まれるというのは、民族としてこの上ない屈辱である。
 この戦争体制にぼう大な血税を使うために、日本の働くものを食っていけない不安定雇用と飢餓賃金の状態におき、重税と社会福祉切り捨ての、失業と貧困の政策をとっている。第2次大戦の真実の体験を明らかにすること、失業と貧困、物言えない抑圧とたたかうことを基本にして、戦争を押しとどめる力を結集することが今年切実に求められている。

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