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沖縄全島に号外を配布 来る知事選でオール沖縄の本領発揮を

名護市長選の解明に大きな関心

 

本紙号外を手にする那覇市民(18日、那覇市内)

 本紙は17、18日の両日、沖縄県内の支援者の方方の協力を得て、沖縄県内の各都市で本紙号外『名護市長選の全貌を解明 現地取材から見えてきたこと』(2月14日付)の戸別配布をおこなった。名護市内をはじめ、那覇市、浦添市、豊見城市、うるま市、沖縄市、宜野湾市などで約2万5000部を配布した。辺野古新基地建設をめぐって政府が総力を注いだ名護市長選の実相について沖縄県民の関心は高く、年末の知事選を迎え撃つ鋭い問題意識が各所で語られた。

 

 市長選から約2週間が経過した名護市では、今も市内いたるところで市長選についての話題が絶えず、今後の市政運営とかかわって辺野古新基地建設の動向に注目が強まっている。号外を受けとった市民は、1人1人の経験や思いを繋いで見えてきた市長選の全貌に強い関心を示すとともに、「確かに気持ちの悪い選挙だった。想像をこえる大きな力が動いていたことをはじめて知った」「名護市民の民意をねじ曲げるために仕組まれた選挙だった」「カモフラージュして選挙で勝ったとしても、有権者を裏切るなら長くは続かない」と口口に語っていた。

 

 自営業者の男性は、「この2週間のうちに渡具知陣営と稲嶺陣営のそれぞれの支援者と接する機会があったが、勝ったはずの渡具知陣営の方が元気がなく、多くを語らない。口を閉ざす人が多く、選挙の結果を素直に喜べないという人もいる。渡具知に投票した8~9割の人人は辺野古への基地建設を容認したわけではないし、渡具知本人も“容認ではない。裁判の結果を見守る”と明言していた。それなのに選挙直後に、菅官房長官は“(辺野古移設に対する)民意が示された”といい、すぐに上京した渡具知市長を安倍首相が“よく頑張った”とまるで自分の子分のように扱っていた。これには多くの市民が幻滅した。副市長人事なども周囲に何の相談もなく候補者を決定しており、支援者からも“勝ったらやりたい放題なのか”と不信感が増している」と話した。

 

 また、「稲嶺前市長は、自民党経済界ボスの仲泊弘次会長(東開発)の介在による私物化で腐敗した市政を健全化させる市民要求をバックにして、元は保守の立場から市長になった人だ。その任期中に辺野古基地問題が浮上し、保革を統一して国を相手に正論で対峙してきた。今回の選挙でも“名護のことは名護で決める”といっていたが、反対派の運動で外人部隊が多すぎたことは逆効果だったと感じている。薄薄は感じていたが、選対本部が収拾できないほどさまざまな運動員が乗り込んできたり、横断幕も勝手に作っていたことなどもはじめて知った。でしゃばるべきではない人が反対運動の表に出てきたことと、裏で金と組織を使った自民・公明の力が動いて、選挙が国の思惑通りにコントロールされたと思う」とのべた。

 

 土建業者の男性は「テレビの全国放送でも“沖縄は辺野古基地建設を止められるのか”というテーマのものが多い。知事認可がなくても埋め立てが進んでいるかのような報道がされているが、実際の工事現場では陸地の仕事ばかりしている」と明かした。市長選後、辺野古に入るトラックの数が倍増したことをメディアが伝え、建設工事に拍車がかかったかのような印象を与えているが、「現場に動員されるトラックには1台あたり約10万円の日当と運搬費用が国から支払われている。その元締め業者が上前をピンハネしたとしても、本部港から辺野古を往復した分の費用と合わせて8万円程度が支払われているはずだ。しかも、ほとんど荷を積んでいないことは業界の人間ならすぐにわかる。石材を満載すれば大型ダンプでも辺野古ゲート前の急な坂道はなかなか登らないが、スイスイ登っている。そのトラックの前に反対派の人たちが座り込み、朝から100~200台の大渋滞を引き起こして住民の反発を受けている。そんな光景を見て、なんともいえない気持ちになる」と話した。「基地建設は知事権限では止められない」というのも「工事は進んでいる」というのも、県民を諦めさせて知事ポストを奪うための印象操作であることを強調していた。

 

 衣料品店の婦人は、「山口県から来て詳しく調べていただいてありがたい。今もお客さんとは選挙の話になるのでみんなに読ませたい」とのべた後、「辺野古問題についての名護市民の民意はすでに結論が出ている。1997年の住民投票では反対が過半数となったのに、当時の比嘉鉄也市長は容認を表明して辞任した。その後、辺野古を争点にした選挙では市長選でも知事選でも反対派が勝ったのに、そのたびに国は“地元の意志は関係ない”と無視を続けてきた。民主主義もなにもない。そして公明党も“基地反対”といいながら、容認派の市長を全力で応援したことは頭にきている。経済対策で期待をさせて若い人にも投票を呼びかけていたが、結局は安倍首相が“名護市の皆さん、ありがとう”などといっている。“何をいっているのか? 誰も賛成などしていない”とみんな怒っている。渡具知市長の後援会関係者さえ“4年持つだろうか…”というほどで、勝手なことをするならみんな黙っていないという空気だ」と語気を強めた。

 

 号外を読んだ市民からは、選挙で「大活躍」した公明党についても「私のところにも創価学会の同級生が50年ぶりに県外から訪ねてきた」「家を訪問してきて1時間以上ずっと説得され、あまりにしつこいので“警察を呼びますよ”といったら帰った」「最後は泣いて投票を求められた」などのエピソードとともに、「政治とつながった宗教は怖い」「気持ち悪かった」という声が絶えない。渡具知市政の態度一つで「平和の党」も市民からの強い反感を集める趨勢にある。

 

「名護で何が起こったのか」 沖縄全島で疑問解明求める声

 

 名護市長選の真相には全県的な関心も高く、号外を受けとるなり食い入るように読む人や、読みながら互いに談義する光景があちこちでみられた。なかには『沖縄戦せずとも戦争は終わっていた』(2004年)、『語れなかった東京大空襲の真実』(2016年)など、過去に配布した号外を大事にもっている市民もおり、「いつも興味深く読ませてもらっている」と声をかけてくる人もいた。那覇市の中心商店街では「名護市長選の号外」と聞くなり、手を伸ばして受けとったり、「読ませたい人がいるから」と数部まとめて受けとる人も多くいた。

 

 那覇市の商店主は、「名護市長選で自民党は基地問題を表に出していないし、おかしな選挙だと思っていた。私は終戦時が小学一年生で、家族とサイパンから引き揚げたが、土地は一坪も持たず難儀をしてきた。沖縄はまた戦場にされる雰囲気になっている。基地はいらないと何度も意思表示をしている沖縄県民をないがしろにする政治家に対して、翁長知事をはじめオール沖縄でたたかっている。このたたかいを沖縄の歴史に残すまで頑張らなければいけない。このような新聞を配ってくれてありがとう」と力強い口調で語った。

 

 50代の自営業の男性(那覇市)は、「沖縄は日本唯一の地上戦がおこなわれた地だ。そして銃剣とブルドーザーで強制的に土地をとりあげられて一等地を米軍基地にされてきた。この70年でどれほどの県民の命と財産が奪われても、日本の法律では何一つ解決されない。今度の辺野古への基地建設を許すなら、この沖縄県民が“どうぞ基地を作ってください”という意思表示をしたことになる。そんなバカげた話はない。しっかり国のやっていることを暴いてくれ」と話した。

 

 那覇市の食品店主は、「お金だけではない裏取引がおこなわれた選挙だったと感じていた。このあたりでも辺野古の工事が進むことや知事選への影響を心配する声もある。ここは翁長さんたちが踏ん張らなければいけないし、絶対に阻止する姿勢を見せて欲しい。しっかり読ませてもらう」とのべ、号外を数部預かった。

 

 宜野湾市に住む40代の女性は、「毎日すさまじい音で戦闘機もヘリもオスプレイも同時に飛んでいく。防音装置も意味がなく、10%の補助でクーラーを付けても光熱費がかかる。基地があるかぎりこの苦しみはなくならないと思う。私たちは辺野古への移設は望んでいないし、辺野古に新基地を作っても米軍は普天間基地を返還しないと思っている。利用価値のない部分だけ数%返還して“返している”というが、利用価値の高いものは返さないのが米軍だ。基地を民間利用した方が経済効果が大きいことやテロのリスクが減ることは、那覇の新都心で結果が出ている。一方、ミサイルの標的に名指しされたグアムは観光客が激減した。世界自然遺産にも登録されるほどの海岸を潰して基地を作ることを喜ぶ県民などいない」とのべた。

 

 さらに「米軍はゴミの分別はいっさいせず、ビンも可燃物も一緒に捨てる。最近、ついにゴミ処分場がパンクして、基地のゴミを請け負っていた産廃業者が無許可の地域に廃棄して業務停止処分を受けた。このゴミ処分の引き受け先が見当たらないが、引き受けたとしてもゴミ分別は日本の税金でやるという。本当にバカにしている。米軍は日本から出て行ってもらうのが筋で、新しい基地など絶対に作らせてはいけない」と激しく語った。

 

 また、「ものいえる新聞として頑張ってほしい」「推進派の批判だけでなく、反対派の課題もいいにくいことにも触れて書いてあるのがいい」「沖縄の現実を全国に伝えてほしい」などの期待の声も多数寄せられている。

 

配られた号外に見入る女性(18日、那覇市内)

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