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朝鮮半島の緊張煽る米国

 韓国の哨戒艦「天安」が沈没した一件で、韓国政府は北朝鮮の魚雷攻撃と断定し、オバマ大統領は色めき立って北朝鮮対応の見直しを叫んだ。鳩山政府も制裁を叫び、朝鮮半島をめぐる緊張が一気に高まっている。
 イラク戦争、アフガン戦争の引き金となった9・11事件もアメリカ側の自作自演がほぼ確実。ベトナム戦争のトンキン湾事件もアメリカのでっち上げだった。イラク戦争も「大量破壊兵器の存在」などと騒いでやった。日本を戦争に巻き込むためには、日本海あたりから米艦が日本の都市にミサイルなどを撃って「北朝鮮の攻撃」とメディアを上げて大騒ぎをするようなことが想定されている。アメリカの戦争はそのような謀略をともなって引き起こされてきた。
 今度の北朝鮮の魚雷攻撃は説得できる説明はなく、でっち上げとの説が強い。当時、米韓合同演習中であり、その監視網のなかで北朝鮮潜水艦が接近するのを、米韓側がとらえていなかったというのは説得できない。米韓の艦船同士の誤爆という説が出されており、なかには米原子力潜水艦を北側の潜水艦と間違えて双方が魚雷攻撃しあい、米原子力潜水艦も沈没したという説も、一定の事実検証を持って出されている。なによりもいま北朝鮮が軍事攻撃をする政治的なメリットがない。
 オバマ政府は、経済破綻のなかで国内だけではなく国外からも強い反抗を受け、またイラク、アフガンで泥沼に入るなかで、政治的な危機を深めている。日本の鳩山政府に対しても普天間基地問題、米軍再編問題をめぐって一歩も譲らず従わせたが、しかし日本民族の独立要求を強めさせている。オバマ政府の側は、自らの政治的な危機状況を朝鮮半島の緊張をつくりだして、支配の立て直しをはかろうとする動機がある。
 ここできわめて危険な目にさらされているのが日本である。オバマ政府の普天間基地に対する対応は、日本を縛り付けて朝鮮戦争に動員するという意志をあらわしている。アメリカのための戦争で、アジアと対立し、日本が再び犠牲になるというばかげたことを黙ってみていることはできない。

                                那須三八郎

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