いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

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しぶといトカゲの尻尾

 森友学園を巡る騒動は、これまで学校認可や国有地払い下げなどを阿吽の呼吸で進めてきた側の関係性に綻びが生じ、尻尾切りをするつもりだったのに、これがなかなかのしぶとさで胴体から離れず、トカゲ本体がのたうち回っているような光景にも見える。籠池某について、国会証人喚問では自民党や公明党、維新の党などが色をなして、如何に詐欺師的で平然と嘘をのべる人物であるかを強調していたのが印象的だった。そんな籠池某に国有地をタダ同然で払い下げ、学校認可を下ろそうとしていたのは誰なのか? どのような背後の力が働いたのか? が中心問題だろうにと思いながら、内ゲバなのかババ抜きなのかわからないような中継を眺めていた。
 愛国ビジネスの全貌はまだまだ明らかになっていない。「安倍晋三からです」とのべて100万円を寄付したと証言されている名誉校長・安倍昭恵や、財務省への確認内容をファックスしたことが暴露された経産省出身の谷秘書、理財局長だった迫田、「10日間ほど身を隠してください」と弁護士に連絡した財務省の嶋田課長補佐、籠池某の弁護をしていた酒井弁護士、大阪府知事の松井一郎など、この際、関係者をみな証人喚問してみなければ、籠池吊るしだけでは真相がさっぱりわからない。取り沙汰されている「内閣が2つくらい飛ぶ」ほどの爆弾級の情報についても、それがいつ炸裂するのかは今後の展開ともあわせて注目される点だろう。
 長い出張を経て、ようやく迫田国税庁長官(元理財局長)が国会に参考人招致されることになった。山口県下関市豊北町の角島で生まれ育った同氏について、今は家族も親戚もほとんど島から出ていってしまったとはいえ、地元の住民たちは「えらく出世したものだ」と驚きながら顛末を眺めている。県庁などにいる山口高校時代の同級生たちも、「異例の出世でたまげていた」のだそうだ。その出世がタダ同然の国有地払い下げに関係していたのだとしたら、郷土の面汚しのそしりは免れない。

武蔵坊五郎

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