いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

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異次元の大嘘つき

 桜を見る会の前夜祭の費用を安倍事務所が補填していた問題で、東京地検特捜部は24日、後援会代表者である安倍晋三を嫌疑不十分で不起訴とし、公設秘書の配川博之について政治資金収支報告書に3022万円を記載しなかったとして同法違反で略式起訴(罰金100万円の略式命令)することで捜査の幕を引いた。大山鳴動して鼠一匹とはこのことで、安倍晋三及び安倍事務所が嘘に嘘を重ねてきたこの騒動は、最終的に「秘書がぜ~んぶ悪い」で一件落着なのだという。それで法の下に平等とか検察が正義だなんていわれても金輪際誰も信じないし、へそが茶を沸かすような話である。


 国会では「事務所は関与していない」「差額は補填していない」「明細書はない」「(ホテルとの)契約自体は個々の参加者であった」等々、開き直って答弁していたが、それらは結果としてすべて嘘だったことになり、衆院調査局の調べではわかっている虚偽答弁だけでも118回にものぼるという。118回の嘘となると、既に「嘘の上塗り」という次元をこえて、「嘘で塗り固めた」という表現の方がふさわしく、“異次元の大嘘つき”の称号がピッタリのように思う。また桜騒動だけで118回なら、モリカケ含めたら何百個になるというのだろうか。


 ところで、「秘書がぜ~んぶ悪い」の筋書きによると、問題の渦中に秘書が代議士に「事務所は関与していない」「差額は補填していない」「明細書はない」等々の大嘘をつき続け、時の総理大臣に国会でも虚偽答弁をくり返させ、なおかつ独断で安倍事務所の運営費として預けられている代議士の私費から3000万円以上ものカネを代議士の了解もなく使っていたことになり、それ自体、とんでもない公設秘書だったということになる。通常の代議士であれば激オコで、即刻処分するレベルである。まずあり得ないことではあるが、しかし、そういう話にして東京地検特捜部も「嫌疑不十分で不起訴」にしたのである。嘘つきは安倍晋三なのではなく、公設第一秘書の配川博之と、東京事務所の私設秘書・西山猛が大嘘つきで、安倍晋三は欺された被害者という構図である。


 では、安倍晋三が激怒してそんな大嘘つきの配川をクビにしたのかというと、最近までケロッとして地元下関では引き続き筆頭秘書然として振る舞っていたことを安倍派の面々はみんな知っているし、「配川が全権を失った」とか、「今後はナンバー2の畑村が下関を仕切る」なんて話にはまったくなっていない。市議会議員とか県議会議員どもも含めて、「配川さんがいなくなったら、今後は僕たち誰にかしずいたらいいの?」って心配をしている者も誰もいない。「配川退場」は安倍事務所の今後の運営を巡って大問題になるはずなのに、その取り仕切り役が退場するとは誰も思っていないのが選挙区における実情なのである。従って、本人の申し出により公設第一秘書を辞職し、しばらく謹慎するというものの、ほとぼり冷めたら「公設第一秘書」という肩書きではない私設の筆頭秘書として引き続き権力を振るうつもりなのではないか? という見方だってあるのである。


 なお、選挙区で暮らす有権者のなかで「この時期にあり得ないよな…」と話題になったのは、19~21日にかけて安倍晋三が東京からたくさんのSPを引き連れて選挙区に戻り、地元企業や団体、後援会に挨拶回りしたのと併せて、秘書どもがチケットを売りまくって櫻井よしこを招いた『正論』の講演会(産経新聞のみ取材が許され、他社は会場の外に閉め出された)を開催したことだ。「東京からコロナがうつるだろうが!」「8人の会食すら問題になる時期にまたなぜ人を集めるの?」という声しきりであった。この期に及んで山口4区はなお安倍ブランドの東京での権力に投機し続けるのかが問われている。    吉田充春

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