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下関市民の会が署名開始 箱物と軍港化やめ働く場を

 下関市では、民主主義と生活を守る下関市民の会が「大型箱物事業と軍港化をやめ、働く場を作ることを求める署名――失業対策事業の再開、農林水産業など産業の振興策を要求」する署名活動を開始した(中尾市長と関谷博市議会議長宛)。13日には、成人の日記念式典会場となった下関市民会館で新成人や付き添いの家族に署名を訴え大きな共感が寄せられた。
 市民の会のメンバー約10人は、「失業対策事業の再開を! 農林水産業、造船、鉄工など地域に根ざした産業を振興せよ! 若者が生活できる下関に!」の立て看板を立て、「地域に根ざした産業・経済の振興を」「農林水産業など産業振興を」「人工島中心の軍港化に反対」などのスローガンを署名用紙と一緒に持ち、宣伝カーで署名の主旨を呼びかけながら新成人に署名を訴えていった。
 成人式には、市内で働いたり、専門学校や大学に通っている男女をはじめ、市外、県外で就職したり学校に行っている新成人も参加しており、久しぶりの再会を喜びあう輪が市民会館前の広場のあちこちにできていた。 市内では3月末で彦島のMCSが完全閉鎖になるのをはじめ製造業での倒産や撤退があいつぎ、年末年始の商店街も寂しく、新卒者の就職の内定率も思わしくない。そうしたなかで迎えた成人式の参加者に「軍港化をやめ働く場所を作ることを求める署名です」と訴えると、「その署名ならやります」と積極的な反応が即座に返ってきた。
 なかには、下関に職がないため、兵庫や大阪で就職している男子もいた。「市内に就職がなかったので、県外に出たが、何年かしたら絶対に下関に帰ってきたい。故郷の下関が一番いい」といって署名する男子や「山口市の大学に通っている。卒業したら下関で就職したいが、とても厳しいと聞いている」といって署名する女子、そのほか「市内の大型店の中で働いているが、就職が厳しいことは知っている」「サンキュー(ドラッグ)で働いている。やっとみつけた職だ」「高校を卒業してすぐには就職できず、去年の八月にやっと就職できた。市内に働く所をつくってほしい」「技術系なので製造業の会社に就職を希望しているが、今はとくに製造業が厳しいと聞いている」「公務員をめざしているが、競争率が高いというので不安だ」「小野田で大学に行っているが、就職は市内でしたい。今のところあてはない。どうしようかと心配だ」「福岡県の大学に行っているが、仕事は下関で見つけたい。職がないと聞いている」「岡山県から来て下関の大学に通っている。下関では就職が厳しいという話は聞いている」等等、男女とも「下関では就職が厳しい」現実に直面していることを切実に話し、進んで署名していた。
 友だち同士が「自分は署名した。おまえも署名したらどうか」と誘いあって署名したり、大学の同じクラブの部員が集団で署名するなど、署名の主旨を支持し、共感が広がっていった。また、車で送ってきた母親も署名に応じたり、カメラ同好会のメンバーが新成人がこの署名をする姿を写真に撮りたいと申し出るなど、新成人が社会に出る第一歩の日に社会の役に立つ行動をする姿を温かく見守っていた。
 下関市の今年の新成人は、市民会館の式典に参加する旧市が2330人(男性1219人、女性1111人)、夢が丘スポーツセンターが豊浦町・豊北町の216人(男性107人、女性109人)アブニールが菊川町・豊田町の127人(男性63人、女性64人)となっている。
 午前11時からの式典開始前の一時間足らずの署名活動であったが、200人近くの署名が集まった。署名活動に参加した市民の会のメンバーは「すぐに署名してくれた。戦争はいけないといっていた」「就職できている人もちゃんとした就職がないともいっていた」「大学生も就職がないといっていた」「みんなまじめに考えている。かなりの反応があった。今年はこの署名をやっていこう」など確信を深めていた。
 
 署名の訴え

 下関の市民生活は困窮するばかりとなっています。働く場所がなく、仕事がなく、人口は毎年2000人減っています。商店もお客がなくタクシーに乗る人がいません。しかし中尾市政は、公約違反の市庁舎の建て替えなど不要不急の大型箱物事業や大型店誘致ばかりやって下関をわざとでもつぶしてしまおうとしています。
 下関をなぜこのように疲弊させようとしているのか。そこには国の中枢が長年市民に隠して人工島を中心にした軍港化、戦前のような軍事要塞都市づくりをやっていることが深く関わっています。幡生駅や新幹線駅、高速道路と人工島をつなぐ巨大道路があらわれ、米軍は下関を重要港湾に指定し、天皇の来関のさいには全国から3000人の警察と海上自衛隊のヘリ空母まで来るという異様な事態となりました。下関の経済力、市財政をわざとでもつぶそうとしているのは米軍や自衛隊の基地にするためだと見れば説明がつきます。アジアの近隣諸国との関係では、かつての侵略戦争で大失敗をした経験を忘れて、今度はアメリカの属国になって敵対するなど愚かなことであり、友好・協力の関係こそが大切です。
 私たちは、下関を再び焼け野原にするような軍港化優先政治をやめ、働く場をつくり、地域に根ざした産業・経済の振興に力を入れることを要求します。かつてあった失業対策事業を再開すること、農林水産業をはじめ造船、鉄工など地域に根ざした産業を振興し、働く場をつくることを要求します。

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