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県漁協幹部の暴走に拍車  周南海域では市場統合  漁業者の格闘続く

 山口県漁協の発足後も、浜では漁業者の格闘がさまざまに続いている。1部幹部の暴走や勝手な漁業権変更、マリンピア事件を真似た組合員預金の使いこみなどが起きており、「圧力をくわえ続けないと、漁師は食い物にされる」「県漁協の姿そのもの。黙っていたらいけない」と漁業者のなかで論議が広がっている。

 職員が「殿様」 周南統括支店 
 「守田漁協」こと周南統括支店では、懸案の市場統合計画が、急ピッチで動きはじめた。職員トップに上りつめた守田氏(本店経営企画室長同格、下松選出の守田県議の弟)が、突如「来年4月に実施する」と宣言。再び“剛腕”を振るいはじめたと話題になっている。
 11月末に支店の緊急役員会が開かれ、唐突な発表に役員らは驚いた。それを聞いた漁師たちはもっと驚いた。“寝耳に水”で職員が「殿様」のように話を進めるからだ。新南陽の漁業者の1人は、「まったく聞いていない。箱代は、あらたに80円もとるようになるし、徳山市場まで運ぶとなると輸送料もいる。水揚げの時間も変わる。大変なことだ。まるで、“守田漁協”じゃないか!」と警戒感を露わにした。旧新南陽漁協は市場を統合しないことを条件にして漁協合併に加わった経緯もあり、「だまされた」「なぜ漁師に断りもなく勝手に進めるのか」の声が上がっている。
 今年1月初旬、県漁協は市場運営の新ルールや法外な負担徴収を盛り込んだ勝手な案を上げ、仲買らともめた。「完納・出荷奨励金」の廃止や、あらたに出荷者からは箱代(プラスチック製)を徴収し、箱を返しても金は返さないといった、「とれるところから金をとる」姿勢が、批判を買っていた。
 一連の過程で、漁師らの意向はまったくおかまいないのが特徴だ。船をつけるスペースもなく駐車場も十分でないのに加え、生産者はあらたな出荷負担や操業時間の変化、労力もともなう。しかし情報が伝わらず、県政をバックにした幹部職員が、勝手に決めていく格好になっている。「なぜ職員が独裁者のようになるのか」「協同組合は漁師のもの」「金をとるばっかりだ」と反発が強まっている。

 無法地帯の様東和町支店 
 同様に1部幹部の暴走がやまないのは東和町。こちらも、地元県議とつながった運営委員長(旧組合長)のムチャが、監督官庁も黙認した形でまかりとおる。不透明な合併議決(県水産部が指示して3回やり直しした)とその後の代表選出(訴訟沙汰になった)をへて、最近では小田貞利運営委員長が、ゴチ網漁が制限されていた海域の漁業権を勝手に変更し、みずからの操業に有利にしていたことも発覚した。
 地元漁業者らは、漁場を守る会をつくり、組合運営と漁場運営の正常化を求めて行動している。合併をめぐる経験から、力ずくの権力には力ずくの抵抗をしなければ無力だという実感が強く、集団の力を束ねなければ「やりたい放題」にも歯止めがかからないこと、隣接の米軍再編問題や上関原発問題に挟まれ、売り飛ばしにつながる性質として思いを強めている。

 信漁連の真似 萩・職員が預金横領 
 全県で話題になっているのは、県漁協江崎支店の経理を担当する職員が組合員の預金を約2300万円も着服した事件。日本海側の漁協関係者の男性は、「許されないこと。地元の人たちはたいへん怒っていると思う。ただ、マリンピアの近所のわたしらにいわせると、桝田市太郎や自民党林派は、200億円も人の金を焦げ付かせて制裁すらされなかった。そしてわたしらに尻拭いさせた。巨悪が眠るから、真似するものが出てくる。“漁師の金は自分のもの”で、県漁協の姿そのものですよ。自分で償うのなら、あいつらよりは許せる」といった。
 二井県政が県一漁協合併すなわち協同組合解体と、信漁連欠損金の尻拭いを押しつけた結果、山口県内沿岸は常識では考えられないような漁業破壊が進行し、漁業者が激減する状況が押しつけられた。これにたいして爆発した漁民の怒りは、その後も決しておさまっておらず、各浜の動きにも関心が強まっている。
 なお、単独経営を選択し、上部団体や監督官庁の制裁(信用事業廃止)をくらった不参加漁協からは「順調な滑り出し」という声が上がる。浜には「負けるものか」の気概がみなぎる。新宇部漁協の関係者は「なんとしてもこの漁協を自分たちの力で守っていきたい。苦労もあるが、今年の経営状況を内部で監査したところ、黒字になりそう」と胸を張った。

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