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オール沖縄、知事選に続き那覇市長選も完勝 日米政府の巻き返しの芽摘む

城間陣営の街頭演説(20日、那覇市)

 任期満了にともなう那覇市長選は21日、投開票がおこなわれ、辺野古新基地建設阻止を目指すオール沖縄が推す現職の城間幹子市長が、自民党・公明党・「維新」・「希望」が推す新人の翁長政俊氏(前県議)を破って再選を果たした。オール沖縄は、過去最多得票で玉城デニー氏が勝利した県知事選、さらに新人が制した豊見城市長選に続き3連勝となった。国政与党陣営の瓦解状況を露呈するとともに、県知事選で示された島ぐるみの力がさらに勢いを増し、その力関係が逆転したことを明確に示した。

 

 那覇市長選の攻防は、辺野古新基地建設を最大の争点にした県知事選(9月30日)と同時並行で進行した。選挙構図は知事選と同様、新基地を押しつけてさらなる米軍支配に縛り付けようとする東京司令部(首相官邸)と、新基地建設を阻止して「新時代」を切り拓くことを求めるオール沖縄(沖縄県民)とのたたかいとなり、両陣営は知事選とのセット戦略をくり広げた。

 

 一騎討ちとなった那覇市長選の開票結果は、城間幹子氏が7万9677票を獲得し、国政与党が擁立した翁長政俊氏が4万2446票となり、3万7231票差を付けて城間氏が勝利した。当日有権者数は25万5487人。期日前投票では、そのうちの19・27%(前回18・18%)に当たる4万9226人が投票した。投票率は、県知事選と同時選挙だった4年前の前回選挙(65・25%)からは下がり、48・19%だった。

 

 投票箱が閉まる午後8時にはテレビで当選確実の一報が流れ、城間陣営では万歳三唱がおこなわれた。再選を果たした城間市長は、「1期4年の市政運営の評価とともに、デニー新知事と一緒に翁長雄志前知事の遺志を継ぐことが問われる選挙だった。平和でなければ県都那覇市の運営はできないという気持ちを胸に秘めて市政運営に邁進する。那覇市長選を勝ち抜くことができたのは、新たなスタートを切った玉城県政にとっても力強い後押しになる」とのべた。

 

 応援に駆けつけた玉城知事は「辺野古に新基地をつくらせないという思いがこの選挙結果に表れた。より地に足をつけてあらゆる県民の声に耳を傾けていく。対話と協調の政治への力強い後押しになる」とのべた。

 

 選対関係者からは「選挙戦では、手を振る市民から“これ以上、沖縄をバカにしてはならんよ”という声が多く聞かれた。県民の中に、沖縄に基地負担を押しつける国に対する怒りが渦巻いていることを強く感じた」「県都を含め県内3首長をオール沖縄が押さえることができたが、国とのたたかいは簡単ではない。さらに全県民が一つになれるよう足場を固めていこう」との決意が語り合われた。

 

 一方、知事選と同じく公明党や与党系野党の推薦を受けた自民党擁立候補の得票は、前回と比べても1万5322票少なく、組織が機能せず総崩れしたことを物語った。

 

 選挙戦では、1期4年の城間市政の評価とともに、知事選でおし出した玉城県政の膝元である県都の運営方向が問われた。4年前、翁長雄志前知事(当時・那覇市長)の知事選出馬にともない、オール沖縄の一角として出馬した城間幹子市長は、辺野古新基地建設を最大の争点とした知事選の盛り上がりのなかで翁長前知事とともに「新基地建設阻止」を掲げ、過去最多の10万1052票で初当選した。

 

 今回の選挙でも、オール沖縄が支える玉城知事と二人三脚で選挙戦をたたかい、子育て支援や貧困対策、さらに県が進めるアジア経済戦略構想を県都からおし進めること、基地返還によって経済発展を成し遂げていったまちづくりの実績をもとに「辺野古新基地建設の阻止」を明言し、「脱基地経済」による地域経済の振興をさらに進めることを訴えた。

 

 前哨戦となった県知事選が流れを決定づけるものとなった。自民党陣営は、官邸や自民党本部が直接介入し、公明党を含む集票組織が総力を挙げて知事ポスト奪取を目指したものの歴史的な大敗を喫し、「オール沖縄vs東京司令部」の構図が色濃くなるなかで、頼みの綱だった公明党母体の創価学会内部からも造反があいついだ。知事選結果を受けた那覇市長選の告示後は、知事選のように中央からの応援を送ることもできず、創価学会の動員も効かず、公明党県本部の推薦があるにもかかわらず擁立候補の街頭演説には聴衆の少なさが際立った。

 

 また市長選終盤の17日には、安倍政府が、沖縄県が講じた辺野古埋め立て承認撤回の執行停止を申し立て、ふたたび法廷闘争に持ち込む強硬手段に踏み込んだ。こうした県民頭越しの強硬手段は、沖縄を欺瞞する手立てを失った政府与党の行き詰まりにほかならないが、基地支配とたたかう真っ向対決において、島ぐるみで盛り上がる怒りの世論を一層強める効果をもたらした。

 

 終盤戦では、オール沖縄を支える県民の結束が強まり、「辺野古埋め立て承認を撤回した県に対し、こともあろうか国民の権利を守るための行政不服審査法を使って訴訟を起こそうとする国は、みずから作った法律の趣旨を考えるべきだ。近く国宝に指定される玉陵(琉球王朝の陵墓)を守ったのは、米軍圧政下でブルドーザーの前に体を投げ出して阻止した先輩たちだ。われわれも辺野古新基地を止め、素晴らしい沖縄を子や孫のために守っていこう。相手は候補者ではなく政府官邸だ。足元を固め、脇を締めてたたかおう」(ひやみかちうまんちゅの会・呉屋守將会長)

 

「最期まで命を燃やし尽くし、絶対に辺野古には基地をつくらせないと1㍉もぶれずにたたかったことこそが翁長知事が後世に残した最大の贈り物だ。それを県都運営において受け継ぎ、玉城県政を力強く支えるのは誰かが問われている」(照屋義実選対本部長)

 

「対話解決を求めた矢先に道理のない法的手段に出る国のやり方は暴風のように見えるが、“疾風に勁(けい)草を知る”という言葉がある。困難なときこそ人間の真価が問われる。野中にあって、暴風が過ぎ去ったあとに凜と立つ政治が求められている。ともに新時代を切り拓こう」(玉城デニー知事)などの檄が飛び、県民世論と呼応しながら選挙戦の熱は高まっていった。

 

 県知事選において政府をあげた総力戦を打ち破った島ぐるみの力は、自民党を筆頭とする与党勢力の再起の芽を摘む結果を突きつけた。その矛先は、日米政府が強行する新基地建設の阻止に向けてさらに鋭さを増していく趨勢にある。

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