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記者座談会 豊洲とそっくりな長崎都市改造 暗躍し潤っているのは誰か?

長崎市の街並み

 東京では築地市場のデタラメな豊洲移転問題、富山市議会では政務活動費の不正請求事件など、都会から地方に至るまで政治腐敗が深刻なものになっている。主権在民とか地方自治といった理念を投げ捨てて、本来公共の福祉に資するために存在している役所の私物化が横行し、その財政に利権集団が群がって寄生するのが当たり前のようになってしまっているのである。行政主導の大規模な都市改造が進められ、役所機能等等の移転とかかわって不動産利権が蠢いている長崎市内も、豊洲問題とそっくりの様相を呈している。市民の強い反対を押し切って強行した県庁舎移転計画につづき、今度は市役所の移転にともなう公会堂の解体計画が進もうとしており、再び反発が強まっている。豊洲と重なる地方政治の実態について、記者座談会をもって論議した。

 上層部が浮かれる不動産利権

  現在、長崎市民のなかで大きな関心事になっている公会堂問題の経緯を見てみたい。


  長崎市内では、市民が長年利用してきた公会堂の解体計画に対する反対運動が活発化している。長崎市公会堂(客席数1750)は、建設から50年にわたって市民の文化活動を支えてきた劇場施設だ。年間で約15万人が使用し、その9割が市内の文化芸術団体の利用だ。長崎駅からすぐアクセスでき、市役所や中心商店街に近い地の利の良さと、容量や料金面でも市民が使いやすい規模であるため、成人式をはじめ、民謡舞踊などの伝統文化、バレエ、歌謡、演劇の定期公演、コンサートなどの文化行事、プロの歌手や劇団の公演でも好んで使われてきた。そのため年間稼働率も60~70%という高水準だった。


 ところが5年前に田上市長が市庁舎の建て替え計画(事業費230億円)を表明し、その後、建設地を公会堂敷地内に決めた。積み立てた基金150億円では足りず、市債(借金)を発行してまで建設するというものだ。邪魔になる公会堂については「老朽化して危険」「耐震改修すれば33億円かかる」などの理由を並べて、今年11月までに解体する方針を打ち出した。市民の反発を抑えるために「県庁舎跡地に30億円で代替施設をつくる」といっているが、県との用地交渉は決着点をみない。さらに数十億円も借金を上積みすることになるし、そもそも発想の基点が新市庁舎の用地確保だから、代替え施設案は「空手形」と言わざるをえないのが現状だ。


  解体計画が具体化しはじめた2年前から、公会堂を利用する文化団体、建築家、近隣の自治会などあらゆる層の市民が解体中止と存続を求めてシンポジウムや署名活動を展開してきた。署名は昨年までに七万筆余りを市に提出している。それほど市民に愛されてきたし、なくては困る施設だからだ。


 ところが市は、昨年3月をもって公会堂の利用を廃止した。市内には、県が建てたブリックホール(2000席)、市民会館(900席)があるが、国際基準のブリックホールは大きすぎて基本料金が2倍になり、市民会館は小規模なうえに上階が体育館であるため音漏れがひどく、芸術鑑賞などには適さない。公会堂廃止後は、ブリックホールに利用者が集中して予約が取れないなど混乱が続き、演劇や舞踊など「公演日程が組めず、会結成以来の危機」という文化団体も出ている。「7万人の反対署名を前にして、なぜ早急に壊す必要があるのか。市民の文化を衰退させてまで、市役所新築が大事なのか」とみな憤慨している。


  公会堂の存続を求める市民団体は、幾度も市に陳情に出向いたり、署名を提出したりしてきたが、市長は「議論は積み重ねてきた」「何万人の署名を持ってきても方針は変わらない」と面会すら拒否し、ついに今年3月、解体予算2億2000万円を計上し、議会もこれを承認した。
 市民の側は、住民投票の実施を求める請求署名をはじめ、1カ月で必要署名数(7000筆)の2倍以上の1万7000筆を集めて市に提出した。市長が反対意見書をつけて議会に降ろし、管轄する環境経済委員会はそれに習ってあっさり否決した。6月に市庁舎建設計画の是非を問う3万人の住民投票請求を否決しており、今年に入って2度目だ。

 オール与党化の市議会 住民請求も2度否決

  市民が怒ったのはオール与党議会の対応だった。環境経済委の構成は、自民党系の「自由民主党」1人、「創生自民」1人、「公明党」2人、最大会派の「明政クラブ」3人、さらに社民・民進党系の「市民クラブ」3人だが、全会一致で否決した。本会議も含めて、野党である民進党議員が首を揃えて解体方針に賛成したのが特徴だった。そして、最大会派の明政クラブ(自民系)の議員は、「新しい代替え施設ができるまでの一時使用なのか、未来永劫使用するのか民意がわからない」と請求内容に難癖をつけた。市長の反対意見書の受け売りだ。


 だが、署名の請求要旨には「公会堂の解体中止と再使用することへの賛否を問う住民投票」とはっきり書いてある。「一時使用か、永久使用か?」という屁理屈でねじ曲げて10人の議員全員が同調し、市民1万7000人分の署名を葬った。なかには、参考人として呼びつけた市民団体代表者を恫喝するように「住民投票で負けたら、その費用1億円は住民側に請求できるのか?」と発言する議員もいて、みなを唖然とさせていた。


 長崎市議会は、議員報酬は年間約1000万円、それとは別に政務調査費として毎月15万円(年間180万円)が支給される。市民の平均所得(300万円)の4倍にあたる。高額な税金で養われながらろくに仕事をしていないから、市民が動いているという客観的な姿が見えていないようだ。「住民投票の費用が高いというが、解体費用は2億2000万円、新市庁舎は230億円ではないか」「まるでヤクザ集団だ」と市民は怒り心頭だ。40人も議員がいて7会派あるが、争うのは議会ポストなどの利権ばかりで、市民の切実な要求に対しては、自民だろうが民進だろうがオール与党で潰しにかかるという姿を見せつけた。「市民運動など無駄だから、あきらめろ」「黙って従え」というものだ。


 住民投票請求は本会議でも30対9で否決したが、解体業者の入札で市が勝手に条件を緩和していたことに議員がかみつき、再入札が必要になったため、11月の解体はひとまず2カ月先延ばしになっている。市民のなかでは「もう一回署名活動をやって市と議会を追い詰めよう」という熱気がある。


  反対署名の7万人といえば、市議1人あたりの平均得票(3000票程度)でみると23人分にあたる。10人の市議より明確な民意だ。それを難癖をつけて足蹴にし、「民意がわからない」ととぼけて踏みにじる。市は「85%が解体に賛成している」といっているが、その根拠である住民アンケートは市が選んだ2000人中回答したのは600人未満(回答率29%)に過ぎない。何を民意と見なすのかは曖昧にできないが、その民意を踏みにじった時にどのような反動が伴うのかは念頭にないようだ。そして、民意が届かない政治構造に余計でも批判が高まり、街中の熱気は増すばかりだ。


 「“市民への責務”というが、それならなぜ7万人の市民の声が聞けないのか。はじめから聞く気がないということだ」「市長選は無投票で、公会堂解体について民意が問われたことはない。誰のための街づくりなのか」と語られている。

 被爆復興象徴する建物 内外から存続要望

  公会堂の存続を求める運動は、建築家をはじめ、文化団体や近隣の自治会など幅広い市民の運動になっている。個別利害ではなく、「市民が利用している公有財産を大事に残して活用しよう」というものだ。その運動の過程では、公会堂が原爆によって壊滅させられた長崎の復興をめざす「長崎国際文化センター構想」(水族館、図書館、体育館、プール、美術館などを一体的に整備する計画)の一環として、全国、世界からの寄付金を集めて建設されたことや、建築に関する国際研究組織「DOCOMOMO」から日本の近代建築100選に選ばれるほど、建築学的にも貴重な歴史的建造物であることが明らかになった。同組織は「長崎の戦後復興を象徴し、郷土出身で日本の建築界を牽引した武基雄の代表作であり、戦後建築に大ききな足跡を残す地域資源」として保存・再生を求める要望書を提出し、それを市が受け取っている。また、長崎市内や東京を含め全国450人の建築家や専門家が連名で、存続を求める要望書を提出している。


 市は「建設には1銭も寄付は使っていない」といっているが関係者が出した当時の資料では、全国や海外から集まった3070万円の寄付金が充てられたことが明記されている。世界が評価する文化財を「価値が低い」と言い張る長崎市の対応に、全国や海外の人人までが心配しているのが実態のようだ。


  費用面でも、市は独自の試算で「耐震改修すれば33億9000万円かかる」というが、根拠となる図面も出していない。住民側は建築のプロが知恵を絞り、公会堂の構造計算書から改修図面、予算見積もりまで提示し、「解体する予算があれば、公会堂は維持・再生できる」「30億円で新築するくらいなら、24億円あれば音響などの設備更新も含めて十分にまかなえる」としている。


 分析してきた一級建築士は、「公会堂が建設された昭和30年代は、いまのようにミキサー車を使わず、生コンに大量の水を流し込まないのでコンクリの密度が濃く、中性化しにくい。だから最近の建物よりも格段に長持ちする。公会堂の耐震性は現在でも適法内で、これが危ないというのなら長崎市内の小学校の3分の2はさらに耐震性が低く、もっと危ない状況ということになる」と指摘していた。市民の粘り強い運動で、歴史問題においても、建築構造上の問題においても詭弁が暴かれてしまい、市長が面会を拒否したり、市議会も屁理屈をこねて逃げ回る状態になっている。


  ことは公会堂問題だが、それ以上に、市長や市議会の願望のために適当なデータを寄せ集めて既成事実化し、大多数の市民の意見も専門家の提言もまったく聞かずに突っ走るという体質に市民みんなが怒っている。「このような政治が続くなら長崎に未来はない」「まさに長崎の豊洲問題だ」と。

 JR中心に都心大移動 1000億円を散財

  花開いているのは要するにハコモノ利権だ。公会堂を壊して喜ぶ市民などいないし、市役所が新しくなって税収や雇用が増えるわけでもない。全国でも5本の指を争うほどの人口減少率のなかで、豪華な庁舎を建てる以上にやらなければいけないことは山ほどあるはずだが、長崎市政を牛耳っている上層部の興味関心が、もっぱら都市開発や跡地を巡る不動産利権に向いていることを反映している。


 近年、長崎市内では、巨大公共事業のオンパレードだ。
 中心は、2022年開業予定の新幹線敷設にあわせて長崎駅周辺に都心を移動させる開発プロジェクトだ。09年に金子前知事が、商店街や自治会をはじめ全市的な住民の反対運動を無視して県庁舎の移転を強行した。江戸時代の長崎奉行所以来、町の「へそ」にあたり、長崎大水害の被害からも免れた高台に位置する県庁を、わざわざ潮の押し寄せる海沿い埋め立て地へ500億円かけて移転させる。リーマン・ショックが起きても、東日本大震災が起きても「安全だ」と強弁して押し通した。警察などの庁舎も駅付近に移転させる方針だ。


 さらに、長崎市も駅西側にMICE(大型コンベンション施設)を216億円かけて建設するといいはじめた。財源はほとんど起債(借金)だ。


 市長が議会承認も得ぬまま、土壌汚染疑惑がある駅隣接地をJR貨物から72億円という高値で買い取る約束をしていたり、「年度中に用地取得が進まない場合は年間2億円の借地料を払う」という約束まで結ばされていた。取得が決まると7億円アップして79億円になった。


 MICEは国際会議や学会などを誘致できる3000人規模のホールだが、市民には無縁の施設だ。黒字化の前提である年間60万人利用のメドはなく、維持費だけで年間数億円の赤字が膨らむことがわかっている。田上市長は、東京のイベント運営会社のもうけ話を根拠にして「長崎の標準装備」「最優先課題」と躍起になっており、ゴネ屋のような体質が定着している議会と二人三脚で進める構えだ。


 他にも、市が今後10年間のうちに進める巨大事業として、長崎駅周辺土地区画整理事業に約164億円、JR長崎本線連続立体交差事業負担金に約88億円、九州新幹線長崎ルート負担金約13億円、市道大黒町筑後町1号線(駅前開発に連動)に40億円、世界遺産候補の軍艦島の整備に50億円、公会堂の代替え施設の建設に30億円、PFI事業でスタートする市民病院に47億円、新西工場(ゴミ処分場)80億円など、すべて合計すれば1000億円に迫る。資材や工費は上がっているから、さらに10~20%は上昇する可能性だってある。


  そうした都市改造の中心にあるのはJR利権のようだ。下関市でも、広島市でもJR奉仕の駅前開発に熱を上げているが、そこに行政の指定銀行が介在して税金で駅舎を建て替えさせ、「博多阪急」などの大型商業施設が乗り込んでくる。不要な土地を自治体に高値で買わせ駅周辺の不動産開発に奉仕させるというものだ。税金だけでなく、商業テナントを通じて消費購買力までJRが吸い上げる構造だ。浜町などの中心商業地区は打撃を受けるのは明白だし、都市構造が変わってしまうだろう。そして空白になった中心部にもJRや不動産業者が食い込み、マンション用地などで買収していく。
 JR九州の株式上場ともかかわって不動産開発に乗り出し、長崎の街づくりまで食い物にしていく。長崎版アベノミクスのような状態だ。

 地方の富吸上げる構図 外来資本に利益供与

 B 豊洲問題でも、移転させる新市場が汚染されていようがいまいが、使用目的にはゼネコンも行政上層部も関心がないことを暴露した。いかに抜いて利潤を得るかが最大の関心なわけだ。それで何が動いているのか見てみると、要するに銀座に近い都心の一等地である築地跡地の開発利権が大きな旨味になっている。東京都に豊洲の汚染地帯を押しつけた東京ガスも膨大な売却益を懐にしたが、何かが移転する際には必ず利害関係者がおり、公金が利権集団のために散財される。「街作り」「地方創生」「地域活性化」といって、もっとも活性化しているのがこうした上層部だ。都市改造というのは大きなカネが動く。長崎でも一等地の県庁跡地、市役所跡地、警察署跡地など中心地にできる空白地の利用計画は白紙だ。この開発利権も相当なものだろう。


 D 金融業界でも最近、長崎市で最大シェアをもっていた十八銀行を福岡銀行傘下の親和銀行が吸収することが決まり、一社独占体制となった。公共事業で自治体が発行する地方債(借金)は、銀行にとっては税金で保障された確実なもうけ口となる。巨大事業であればあるほど儲かるシステムだ。山口県では山口銀行が自治体の尻を叩いて公共事業をさせ、いまは九州にまで殴り込みをかけている。長崎の資産は実質、福銀が吸い上げていくことになる。


 C そして、県庁舎は鹿島建設、新市民病院は大成建設など、大型工事はゼネコンが全部取っていく。164億円の市民病院建設工事では地元発注は1割程度だったという。MICEの運営も東京のコンベンション事業者だ。外来資本が長崎を食い物にして、行政が率先してその略奪商売に利益を供与していく構図だ。これでは、現状でも人口減少等が著しいなかで、さらに地元経済が疲弊してしまうことは歴然としている。公共投資をいくらやっても都市部や大手企業に吸い上げられて、現金が循環しないからだ。


 自民党政府がアメリカの要求ではじめた430兆円の公共事業で、自民党政府は「あとから交付税で負担する」といって欺し、市町村財政を破たんさせ、市町村合併に追い込んだ。いまは国の交付税措置も最大で3割しかなく、大半が市民の負担になる。地方債残高(借金)はすでに2502億9000万円(昨年度)で、市予算の歳入額を超えている。財政破たんさせて地方を中央政府のいいなりにする中央集権制が動いており、長崎もその道を歩んでいる。


 B 全国の地方都市が同じような目にあっているが、長崎市は去年の国勢調査で4年前の前回調査から1万4000人減少し、北九州市に次いで人口減少数は全国ワースト2位だ。


 老齢人口が増えるなかで、生産年齢層は4年で1万7000人規模で、年少層も数千人単位で減少している。基幹産業の水産業をはじめとする産業振興や少子化対策、全国屈指の観光資源も市民の活力が奪われたらなんの魅力もなくなってしまう。三菱重工も何千人も外国人労働者を投入してもまともな船が作れなくなり、客船事業から撤退の趨勢にあり、地場産業の育成は喫緊の課題だ。土地転がしに熱を上げる以上に、市民生活の基盤である産業をどうするのか、この戦略こそが問われているはずなのだが…。目先の都市改造の利害に目を奪われている間に、実は全国屈指の衰退が進行している。表向きは様様な庁舎や建物が建設されて華やかに見えるが、足下では暗い影が忍び寄っている。これを多くの市民が危惧している。

 市政取り戻すたたかい 全国に誇る自治精神

  3期目になる田上市長の変貌ぶりも市民の語りぐさだ。9年前の伊藤一長市長が射殺された市長選の3日前に課長をやめて出馬し、「市政は相続財産ではなく、市民のものだ」と訴えて下馬評を覆して当選した。「さるく博」などお金をかけず長崎が持つ資源を生かした観光事業が成功した立役者としての実績も買われ、伊藤市長がやってきた市民密着型の市政を継承することが期待されていた。伊藤市長は、原爆を投下したアメリカを名指しで批判したり、地元商店をなぎ倒す大型店の出店拒否など、中央政界と対等に渡り合うことで全国市長会長候補に名前が挙がるほどだった。市長射殺事件は、まさに「暴力による民主主義の破壊」であったし、国策に従わぬ全国の首長への脅しという政治的な効果を与えた。うかつにものも言えないという抑圧を振り払い、下からの市民の力で無組織の田上市長を当選させたことは、長崎市民の自治精神の強さを全国に知らしめた。


 ところが、田上市長も3期目に入ると巨大ハコモノ事業に明け暮れ、あまりにも頑なに同じ答弁をくり返すので「後ろから拳銃でも突きつけられているのだろうか?」と真顔で心配する人もいる。「伊藤市長が殺されてから長崎はおかしくなった。殺人犯は暴力を商売にするプロで、個人的な恨みによる単独犯などではなく、雇った背後勢力がいる。まさにあれから9年経った長崎では民主主義がなくなっている。今長崎を食い物にしている連中こそ、その背後勢力ではないか」と語られている。市民の声を無視して市内の財産を外来資本に貢ぐことで立身出世が担保されるという歪な政治構造は、安倍首相お膝元の山口県でも常態化している。
  市長射殺事件と同年、長崎政界に君臨していた久間元防衛相が「原爆投下はしかたがなかった」と放言して辞任したが、長崎市内では戦後「原爆の恨みを忘れさせよ」というアメリカの圧力で被爆の経験やそれを乗り越えてきた市民の歴史を伝える遺構が次次に壊されてきた。今度壊そうとしている公会堂も被爆からの復興を象徴する数少ない建物の一つだ。中心街が空洞化すれば、市民主体で380年にわたって受け継がれてきた長崎を代表する「くんち」の存続も危ぶまれることになる。長崎市民の伝統や誇り、活力を奪い、中央のいいなり、外来資本に依存する衛星都市にするという力が働いている。


  長崎は歴史的にあらゆる困難に突き当たるたびに市民が結束して乗り越え、発展させてきた町であり、その住民主導の地方自治の力は全国に誇るべきものがあると思う。「このままでは長崎に未来がない」と市民は語っているが、上層部を取り込んだ略奪政治との対決になっている。民主主義を圧殺していく光景はまさに安倍晋三的だ。清和会所属の代議士もいるせいか、レッドキャベツなど下関の安倍系列資本も乗り込んでいたり、つながりは密接のようだ。山口銀行も目下“長崎問題”で大騒ぎしているという。長崎で何が動いているのだろうか? と山口県でも話題にされている。
 「地方創生」の実態として、全国的な注目を集めている。

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