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「♯ケチって火炎瓶」に思うこと

 情報発信ツールのツイッターで「#ケチって火炎瓶」なるハッシュタグがあらわれ、一時トレンド上位に躍り出るなどして話題になっている。99年の下関市長選で安倍事務所に対抗した古賀敬章に対して、「あいつは北朝鮮とつながっている」と誹謗中傷するビラをヤクザに配らせ、その報酬500万円を300万円にケチったことに腹を立てたヤクザが、上田中町の安倍晋三宅に火炎瓶を放り込んだ事件のことだ。20年近くも前の出来事であり、既に関係者も多くが亡くなっているもとで、実行犯が出所して資料を見せ始め、政治家・安倍晋三のルーツとして世間からの注目を浴びている。

 

 下関の政財界や行政関係者たちにとって忘れられないのは、「#ケチって火炎瓶」もさることながら、その後の古賀派に対する情け容赦のない制裁、粛正のやり方だ。あの市長選で古賀選対に加わっていた企業は、市の指名競争入札から2年近くにわたって徹底排除され、日干しにされた。役所上層部には「A級戦犯」「B級戦犯」等等に分類された戦犯リストなるものがあると噂され、タオルの納入業者にいたるまでが制裁の対象になったこと、それらのリストは古賀選対に入り浸って熱心に応援していた市職員I氏がH助役から締め上げられて提出し、その後、転向が認められて建設部長に出世したことなどは庁舎内では有名な話だ。

 

 こうして自殺者まで出し、倒産を覚悟しなければならないほど陰湿だった制裁にたまりかねて、業界によっては集団で安倍事務所に詫びを入れに行き、「二度と逆らいません」と誓いを立て、安倍派末席に戻ったところもあった。これらは安倍派分裂を仕掛けた古賀グループ解体のための見せしめとして、下関で現実に起こったことだ。「江島にやられた」のではなく、「安倍事務所にやられている」という自覚があるから、みんなして安倍事務所に詫びを入れたのである。晋太郎の時代には考えられなかったような、強権政治の始まりだったともいえる。

 

 そんな下関の街で、目下、制裁・粛正の対象になっているのが、先の市長選において安倍事務所及び安倍晋三夫妻に対抗して、林派の中尾前市長を応援した自民党市議たちなのだともっぱらの話題だ。来年2月の市議選では、それぞれが地盤に対抗馬をぶつけられる趨勢で、勝ち抜いて再選を果たせるのかは未知数だ。これらは要するに覇権争いであり、目くそ鼻くそのようなものじゃないかとも思うが、20年前も今も変わらず制裁・粛正を生業として下関の政治構造を牛耳っていることについて、改めて考えさせられるものがある。そして、いったい何様のつもりなのだろうか? と思うのである。

 

 「#ケチって火焔瓶」でもわかるように、朝鮮や朝鮮人を批難するのが昔から得意技のようである。ただ、以上見てきたように独裁的に力を振り回し、粛正を加える者から「北朝鮮は独裁国家だ!」「粛正を恐れて国民がものもいえない政治体制だ」というような悪口を聞かされても、まるでダブルスタンダードなので説得力に欠ける。恐らく林派や古賀界隈の面面ほど、「オマエがいうか?」と違和感を抱いているに違いない。    吉田充春

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