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狙撃兵 自民vs「野党共闘」の結末

 自民党VS「野党共闘」の初戦として注目されていた衆院北海道五区補選は、自民党が辛勝して終わった。票差は1万2000票余りだった。千歳市、恵庭市には陸上・航空自衛隊の6つの駐屯地や基地があり、自衛隊員やその家族の票が「3万票」あったことも加味すると、自民党が完勝しておかしくない選挙区だった。
 そのなかで、注目されていた「野党共闘」の効果がどうだったのか見てみると、前回選挙の野党合計得票よりも3000票近く減らしていた。安保法制に反対してきた学者や知識人があれほど現地に乗り込み、「野党共闘」ブームは盛り上がっているかに見えたが、投票率は57・5%に下がり、およそ4割の有権者が棄権した。いわゆる反自民・反安倍というだけで結託した野党の寄せ集めでは、旧態依然として支持を広げることができず、有権者にとって魅力ある対抗勢力とは見なされない現実を示していた。
 既存の政治に幻滅した多くの棄権者が動いたときには、自民党議員など吹き飛んでいく。これは全国どこの選挙区にも共通する構造だ。政治不信のおかげで議席を得ているのが自民党で、全有権者のうちたかだか17%程度の支持基盤で国会の3分の2の議席を占めている。棄権者が続出して投票率が50%台の選挙なら、野党が共倒れするのを前提にして、自民・公明を合わせた二十数%の支持基盤でも選挙には勝てるのである。寝た子を起こさない選挙、有権者排除の選挙をやりたがるのはそのためだ。こうした状況にあって、深刻な政治不信はそのままにして、選挙に行く50%だけで自民VS「野党共闘」をくり広げても明るい展望は見えてこない。
 安倍自民党も野党も有権者の心をつかめず、同じ演者のバトルが辟易されて投票率は下がり続ける。多くの棄権者が求めているのは真に受け皿となる勢力の台頭であり、安倍政府がダメだからといって、現在の野党が良いとは見ていないことを補選は示した。時を同じくして米国では大統領選でこれまでにない様相があらわれ、欧州ではスペインのポデモスはじめ旧来にはなかった政治勢力が台頭している。政治不信が深刻であればあるほど、その反動は巨大であることを世界の事例が物語っている。            武蔵坊五郎

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