いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

文字サイズ
文字を通常サイズにする文字を大きいサイズにする

WEB予約のシステムに潜む癖

 何度も下関のワクチン接種の遅れについては書いてきたけれど、6月の第2週にようやく下関市役所内に各部局のメンバーで構成するチームが結成され、ボートレース場での集団接種会場の増設や、予約受付の電話の台数を23台から40台体制に増やすなどの変化があらわれ始めた。しかし、まだまだスムーズに事が動いていないというか、相変わらず街中では「何度電話してもつながらない」「どうなってんだ!」とみなさん大ブーイングである。市立体育館に集団接種に行った人々や医療関係者のなかでは、会場は閑散として誰もいないことが話題になっており、なぜこれほどキャンセルが多いのか? という疑問とともに、受付業務が目詰まりを起こしているのではないか? と心配する声も上がっている。スムーズに受付・接種を進めるためには、何が障害になっていてどう解決すればよいというのだろうか。

 

 現状では予約受付の電話は23台。22日からは30台体制に拡充され、7月上旬に40台体制となるが、23台体制で1日中予約受付をこなしたとして、せいぜい500人弱をさばくのがやっとなのだという。65歳以上の高齢者にWEB予約はハードルが高く、電話もスマホではなくガラケー所持者が多いのも特徴だ。従って、多くが難易度の高いWEB予約は端からあきらめ、電話に望みを託してかけ続けるが、前述のように受付体制が脆弱なために「ただいま大変混みあっております…」ではねつけられているようなのだ。

 

 さて、ボートレース場での集団接種の予約受付(1万4000人分)が開始された16日午前9時過ぎ。電話の受付体制は何も変化していないが、とりあえず1日の予約枠がこれまでと比べても格段に広がっているという条件のもと、周囲にいる65歳以上の方々はいつものように電話かけに精を出していた。しかし、やはりこれまで同様、「大変混みあっております…」ではねつけられ、「今日もダメみたいだ…。どうにかならんか」と困っていた。老人用スマホでWEB予約に挑んでいた幾人かの知人も、「接種会場の住所まで正確に打ち込んでいるのに、検索するところで“該当するデータがありません”とかエラーになってしまう…。もう予約がいっぱいになったのだろうか…」と困惑気味だ。

 

 仲間の記者たちに連絡を取り合って状況を集約すると、この日の1万4000人の枠のうち、2割が電話対応、8割がWEB枠という想定のようで、WEB予約なら可能性があるとのこと。電話は相変わらず23台体制なので当然つながらない。「ならばやってみるか!」ということでスマホを握り、「今日もダメみたいだ…」と肩を落としていた知人たちに片っ端から声をかけ、接種券番号とパスワードになる生年月日、名前、電話番号を聞き出して、WEB予約とやらに挑んでみた。

 

 下関市のホームページのリンクから、まず接種券番号とパスワード(生年月日)、メールアドレスを登録してシステムにログインすると、その後予約受付システムから「メールアドレス登録確認」がメールで届く。そのメールに貼り付けてあるリンクから再び予約システムのホームページにアクセスして、予約手続きは動き始めた。しかし、接種会場の選択のところで「ボートレース下関」(会場名)「ボートレースシモノセキ」(カナ)「下関市長府松小田東町1―1」(住所)と正確に記して「検索」ボタンを押すも、「該当するデータはありません」という文字があらわれて次に進めない。なぜだ?

 

 どうしたもんかとしばし考え、その日の午前9時4分にLINEで「WEB予約とれたぞ! 今日はがら空きだ」と連絡してくれた知人(同じく周囲の予約代行をしていた)に電話してコツを聞く。曰く、「住所とか会場名とか何も書かずに、カナの部分にボートって打って検索ボタンを押してみろ」というではないか。いわれた通りにやってみると、これまで「該当するデータはありません」しか出てこなかったのに、打って変わってボートレース下関会場の予約はサクサクと進み始め、カレンダーから希望日時を選択し、時間帯を選択し、あっという間に完了したのだった。慣れれば所要時間は5分程度。そんなに難しいものではない。検索画面での設問に詳しく正確に書き込めばバカを見て、逆にラフに「ボート」だけで検索した方が引っかかる検索システムなのだとわかった。システムの癖なのかわからないが、65歳以上の高齢者にこうしたWEB予約を強いるのは酷というより、現実的ではないような気もした。

 

 恐らく、街の隅々に電話窓口からはじかれた人々や、WEB予約が上手くいかずに困惑している65歳以上がいるのだろう。現に、周囲でWEB予約に挑戦していた65歳以上の方々はほとんどの人が扱いきれずに困っていた。みなさん「ボート」とだけ打ったらサクサクと進み始めるのを見て、「ええ加減にせい!」と口にしていた。斯くして予約枠はがら空きなのに、システムがわかりにくいものだから受付できないという事情もあるようで、この解決も急がれている。   吉田充春

関連する記事

  • 文通費騒動に思うこと文通費騒動に思うこと  10月31日に当選したことで、新たに衆院議員になった者に「4時間で100万円の文通費が支払われていた」ことがセンセーショナルに取り上げられ、 […]
  • 次なる争いは安倍vs.林次なる争いは安倍vs.林  山口県内では衆院山口3区を巡る河村建夫vs林芳正の公認争いで林に軍配が上がり、次なる世襲政治家同士の生き残りをかけた選挙区争奪は、4区の安倍 […]
  • 山田耕筰の校歌がなくなる…山田耕筰の校歌がなくなる…  人口減少数が全国の自治体のなかでワースト8位の下関では、少子高齢化が深刻な勢いで進み、そのもとで学校の統廃合もあいついでいる。駅界隈から唐戸 […]
  • おしくら饅頭押されて泣くな♪おしくら饅頭押されて泣くな♪  山口3区の河村建夫と林芳正の自民党公認争いは林芳正に軍配が上がり、河村建夫が無念なのか織り込み済みなのか引退に追い込まれた。自民党山口県連の […]
  • 投票率36・54%の衝撃投票率36・54%の衝撃  山口県でおこなわれた参議院補欠選挙は、近年稀に見る低投票率36・54%を叩き出し、自民党が議席を獲得していった。衆議院選の投開票を1週間後に […]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。なお、コメントは承認制です。