(2026年6月26日付掲載)

下関市議会で一般質問を行う本池涼子市議(24日)
下関市議会6月定例会で本池涼子市議(本紙記者)は24日、ゼロベースでの見直しが決まった「交流型子育て総合支援施設整備事業」について一般質問をおこなった。旧第1幼稚園跡地(下関市貴船町)に計画された同施設をめぐっては、文教厚生委員会のたびに説明が二転三転するなど、その経緯の不可解さが保育・幼児教育関係者をはじめ市民のなかで注目を集めてきた。本池市議はこのたび、文教厚生委員会に提出された資料に加え、この件に関するすべての決裁文書の情報公開請求をおこない、事実関係を明らかにして教訓にするために質問にのぞんだ。質問を通じて、基本構想(素案)・基本構想ともに一度も決裁をとっていない(市として意思決定がなされていない)状態で事業が進行していたこと、基本構想・基本計画(案)作成の受託業者が、開業日や国庫補助の確保状況について、市の担当者の認識をこえた認識を持って動いているなど、あり得ないことだらけであったことが浮き彫りになった。当初から「市長案件」「特定の業者ありき」と囁かれてきた本件だが、質疑のなかで某会派の関与が受託業者の認識形成にかかわっていたことも明らかになった。行政が歪められている端的な事例として庁舎内でも話題となっている。質疑の要旨を紹介する。
パブリックコメントにキレる前田市長
本池 交流型子育て総合支援施設整備事業について質問する。
この事業は昨年6月から進んできたが、今年3~4月にかけての委員会において関係者との協議がなされていなかったり、説明の不十分さ、さらには事務手続きが説明がつかない状態になっていたことも明らかになり、4月27日、文教厚生委員会は構想案からやり直すことを求めた。その後、5月11日にこども未来部より基本構想素案をもとにやり直すことが明らかにされて現在に至る。
個人的には今後、関係者と熟議のうえ、いい施設にしていただきたいと思っている。一方で昨年度における市の進め方・手続きについては「やり直すことになったからいいではないか」と受け流していいものではなく、市民から税金を預かり、信頼を得て仕事をしている行政でなぜあのようなことが起きたのかについては検証のうえ、けじめをつけて次に進むことが大事だと思っている。
まず前田市長に聞く。4月27日の委員会の後、この事業について市長の口から議会や市民に対し何も発信はない。市長が市長選後の最重要施策に掲げていた交流型子育て総合支援施設整備事業が一旦白紙になったことについて、どう捉えているのか見解を聞く。

前田晋太郎・下関市長
前田市長 市長の口から何もないというのは議会の場で何もないということだと思う。委員会でも。まず、公約も通じて素晴らしい施設をつくっていきたいという気持ちにかわりはない。議会から今いただいているお声については真摯に受け止めて関係団体のみなさまとの調整や、議員のみなさんから意見をいただきながら今後丁寧に進めていく必要があると思っている。
いい施設をつくりたいという思いのなかには複合的な要素を入れるか入れないか、入れるなら何を入れていくのかということはこれから詰めてやっていかないといけないかなということ、それはこども未来部と副市長も含めて協議を重ねている。議会の合間に。
最後に私の個人的というか、どうしてもいっておきたいのは、あのパブリックコメントには違和感を覚えている。強烈な違和感を。以上だ。
本池 パブリックコメントへの違和感という部分についてもう少し詳しくお願いする。
前田市長 もうそれ以上いうと、またなにがどうなるか、だれが悪いのかとなるので、以上で終わる。
本池 執行機関の最高責任者として、議会が問題にしたことについて反省しておられるのか、一旦白紙になったことについてどう捉えておられるのか、真面目にいってほしい。
前田市長 いつも真面目にいっている。今も真面目に答えた。ゆっくりと。自分の考えを。議員のみなさんの意見を真摯にというのは、例えば関係団体にお話したと答えたけど実はしていなかったとか、答弁が変更してしまったこととか、そういった議会でのやりとり、委員会のやりとりについてはまずかった点がいくつか見受けられたなと実は私も思っている。委員会で発言する機会はなかったので、そもそも出ていなかったので。わざと出ていなかったのではなく、流れ的にそうなってしまったのだが、報道で一度、記者会見のときに自分の思いはお伝えしておいたかなと思うが、今日、本会議があるので、どなたかから聞かれたらきちんと答えていこうと思っていたので、今日は自分の思いを話した。
「必要なし」が「必要」に 決裁もなかった構想素案

2026年4月27日の文教厚生委員会資料
本池 昨年9月にこども未来部が、保健部、福祉部、こども未来部に対し調査を依頼し、どのような機能が必要なのか聞きとりをおこなっている。保健部から産後ケア事業について、福祉部より児童発達支援と放課後デイサービスについて記されている。
これらをもとに基本構想素案がつくられた――という流れだが、保健部は「新たに設置する必要はない」という回答になっている。このときの考えと現在の考えをのべてほしい。
藤野保健部長 産後ケア事業施設については令和6年度に日帰り型や訪問型をおこなう施設が3施設、令和7年度に訪問型が2施設増加し、令和7年9月の調査時点では利用希望者のほとんどの方が利用できていたことから、産後ケア事業施設は不足しているとはいえない状況であったため、調査には「新たに設置する必要はないと考える」と回答した。
その後、利用が急速に伸び、制度のさらなる拡充にもとりくんでいることから、現時点では潜在的なニーズはまだあると考えている。保健部としては産後ケア事業も含め、産後の母子への支援は大変重要であるとの認識に変わりはないので、今回の基本構想案においては機能のイメージとして「産後の母子支援」を記載している。
本池 福祉部に聞く。「児童発達支援、放課後等デイサービス多機能型」について、調査票段階と現段階の考え方を示してほしい。
藤永福祉部長 大きな変わりはない。現時点の構想案でも、教育・保育、療育のそれぞれの側面から、子どもの成長と発達を総合的に支援するという方向性をもとに、想定される機能としては障害児が一時的に滞在できる居場所の提供を例として示している。
本池 必要な機能については全庁的に課題を出し合い、調査・分析し、現場を担うみなさんからの意見も収集したうえで最善のものを考えていただければと思う。しかし、少なくとも昨年の素案作成段階では保健部は産後ケアに関し「新たに設置する必要はない」と答えていた。それがなぜ素案に入ったのか説明を求める。
栗原こども未来部長 10月の保健部長との協議で必要であると回答いただいた。
本池 9月には必要ないといったが、10月には必要となったということだ。4月27日の文教厚生委員会にこども未来部が提出した資料による経緯では、「令和7年11月に基本構想(素案)を策定」となっている。しかし、「基本構想(素案)」の作成は実際には10月であったことが委員会で明らかになっている。この「11月」は「誤植」だといわれたが、現時点でそこに変化はないか。
栗原部長 ない。
本池 「基本構想(素案)」はだれがつくったのか。
栗原部長 委託業務においてブラッシュアップすることを前提に、そのベースになるものとして、庁内で実施した調査結果等を踏まえ、全体で30㌻の構成になる「基本構想(素案)」をこども未来部で作成した。
本池 「基本構想(素案)」作成時に決裁はとったのか。決裁文書はあるか。
栗原部長 素案の段階だったため、全体としての決裁はとっていない。「基本計画策定業務」の条件付き一般競争入札を実施するにあたり、素案をもとに事業概要がわかる部分を抜粋して作成した資料については令和7年10月21日付で決裁をとっている。
本池 10月21日の決裁を見てほしいが、この決裁は一般競争入札の「執行伺い」だ。執行伺いとは「入札をしていいか」というものだ。市として「この内容で施設整備をする」という意思決定をしたのかどうかを確認する。委員会では、「作成時に決裁はとった」「決済日は10月21日」「丁決裁」という答えだったが、委員会答弁の訂正はあるか。
栗原部長 抜粋した(資料の)決裁であり、全体としては決裁をとっていないことになるので、そこは訂正になるかと思う。申し訳ない。
本池 「抜粋したもの」というのが、執行伺いの仕様書に添付されているものだ。それは「この仕様で入札を執行していいか」という決裁であり、意思決定の決裁とは違うと思うがどうか。
栗原部長 議員のいう通りで、抜粋して添付したものは条件付き一般競争入札を実施するときの添付資料だ。「決裁をとった」と回答しているが、やはり別で決裁をとるべきだったと思っている。
決裁なき案件を議会提出 意思決定は誰が?
本池 次。計画策定の委託業務の成果品として「基本構想(案)」「基本計画(案)」等が3月31日に納品されており、検査を通っている。そして4月16日に初めて文教厚生委員に「基本構想」が配布されたが、基本構想の決裁はとったのか。
栗原部長 令和8年3月31日付で受託業者から成果品として納品され、完了検査を受けたのちに、支出命令についてはとっているという状況だ。
本池 先ほど素案の決裁をとっていないのは「素案の段階だったため」といわれた。「構想」になった段階での意思決定はされているのか。
栗原部長 支出命令の決裁はとっているが、パブリックコメントなどの前に事前に決裁をとっていなかった。決裁をとるべきだったと反省している。
本池 理由はなにか。
栗原部長 3月の文教厚生委員会での意見を踏まえ、議会できちんと説明して委員の理解をいただいたあとに決裁をとるように考えていたが、そこで決裁をとるべきだったと今になって思う。
本池 成果品の検査をおこなった検査職員として記載があるのは前課長1人だけだ。受託者が出したのは「基本構想(案)」であり、それが構想となる段階で市として意思決定しなければ次に進めないはずだと理解している。それは私の認識違いだろうか。だれが認めた構想なのかということにならないか。正式に意思決定していないものを議会に出したことについての見解をもう一度お願いする。
栗原部長 議案ではなく報告案件であったため、こちらも齟齬があったと思うが、今になってはやはり決裁をしっかりとっておくべきだった。庁内では市長までコンセンサスはとれていたと思うが、決裁は必要だったと思う。
本池 決裁をとることで「行政機関としての公式な意思」となり、執行が可能になると認識している。素案どころか、正式な構想について決裁をとっていないのは大問題だ。
令和7年度の肉付け予算で計上された市長の最重要施策であり、普通で考えれば甲乙決裁くらいとらなければならないと思う。
契約後に積算根拠変更 不可解な入札経緯

本池 次だが、経緯を見るとわかるように、10月に「貴船自治連合会より、地元要望意見書提出」となっている。これはいつ、だれが提出したものか。
栗原部長 令和7年10月29日付で貴船連合会、貴船町4町の自治会、こども会の連名で地元要望書をいただいた。
本池 貴船連合会とは何か。
栗原部長 提出者が貴船連合会と書いているので…。
本池 意見聴取会(5月23日)においても、貴船四町の方々からは、自治会館がなく、第1幼稚園を利用したい。それがどういう形で実現できるのか、といったことを住民のみなさんで話し合われたといわれていた。地域からの切実な要望だろうし、この機会にみなさんで集まって話し合ったことも踏まえて考えていただきたいと思う。
ただ、自治連合会関係の方が、意見聴取会のさいに「令和6年度に要望をした」といわれており、「令和7年10月」とはいわれなかった。確認するが、「自治連合会から」で間違いないか。
栗原部長 資料は「貴船連合会」と書いてあるので、自治連合会とは違うのではないか。
本池 4月27日に文教厚生委員会に提出された資料に「貴船自治連合会から提出」とある。それが本当に自治連合会からなのかという質問だ。
栗原部長 10月29日に提出されたのは、貴船連合会であって自治連合会ではない。
本池 そうするとこの資料はどう考えたらいいか。
栗原部長 令和6年度の要望書は「貴船自治連合会」となっており、さまざまないい方があるのか、正確なところがわからない。
本池 資料も一つ一つきちんと確認してほしい。先ほど確認したように、「基本構想(素案)」の作成は10月だった。委員会資料で11月となっているのは誤植だったということだ。すでに素案が完成していたなら、住民要望とどう関係があるのか。自治会からの要望があったということ自体、4月27日の委員会まで一度も出てこなかった。地元要望と基本構想(素案)の関係性について説明を求める。
栗原部長 これから基本構想・計画と進むなかで、しっかりと意見を反映してほしいということでいただいた。
本池 次に移る。令和7年度に6回の協議がおこなわれており、協議録がある。まず、協議録を作成したのはだれなのか。
栗原部長 もとは委託された業者で、それをしっかりと未来部で精査し、協議録として納めている。
本池 基本計画策定の受託者で間違いないか。
栗原部長 そのとおりだ。
本池 基本計画策定業務の仕様書で求めた業務内容に協議録の作成は入っていない。業務内容とは別に協議録の作成を委託しているように見受けられるが、この協議録を委託して作成したことについて見解をお願いする。
栗原部長 協議内容を記録として整理する事務作業であり、委託業務に含めることは特段の問題はなく、一般的であると考えている。
本池 協議録はいつ提出されたものか。
栗原部長 それぞれ協議終了後に確認や修正をへて、受託業者から成果物として提出いただいている。
本池 基本計画策定業務の仕様書では「協議録」は提出すべき「成果品」として記載されておらず、「実施報告書」を提出するよう書いてある。この協議録は「実施報告書」にあたるのか。
栗原部長 「実施報告書」と捉えていただいてよい。
本池 協議録が正しいものであることの確認をどのようにされているか。
栗原部長 協議終了後には受託業者が作成した議事録を担当者がメール等でやりとりし、確認している。
本池 確認して内容は正しいということなので、内容についてふれていく。まず、この6回にわたる協議はなんの業務を対象にした協議だったか。
栗原部長 「基本構想(素案)」にかかる内容の精査や、「基本計画」の策定に対する協議だ。
本池 1回目の協議は契約締結の4日後の11月21日におこなわれている。1回目の協議において、市は受託者に何を示したのか。それは入札の仕様書に添付されていたものと同じか。
栗原部長 入札の資料は抜粋した3枚の資料だったが、受託者には30㌻からなる素案を渡した。
本池 入札公告時はたった3㌻だったが、契約後には30㌻からなるものを渡して「これをブラッシュアップしてください」といったわけだ。逆に、落札者を含む入札参加業者2者は、何をもとに積算したのだろうか。入札時に見せた「素案」と、落札後に渡した「素案」が大きく異なるのは無理がないか。
栗原部長 3枚があれば資料を見ずともどういったものをつくりたいという下関市の思いはわかっていると思うので、それについて入札されたと思っている。
本池 ただ、ボリュームが全然違う。より詳しいものがあるのであれば、かける時間も変わってくる。積算根拠が変わるのは業者に無理がくるのではないか。
栗原部長 そこは議員のいう通りだ。やはり根拠となる資料はしっかりと見せていないといけないかなと思った。
疑問点だらけの協議録 某会派の動きも
本池 6回の協議のうち、令和7年12月17日の2回目の協議録の疑問点について聞く。【協議録(抜粋)㊦参照】
まず、「(2)の来年度以降の予算措置状況」という部分だ。とくに、公募準備支援業務について、予算要求額、財政部からの内々示の状況、さらに、再度復活要求するにあたってなのか、「2カ年で1500万円程度が上限となる可能性がある」とまでのべている。くり返すが、これは12月17日の協議だ。この段階で来年度予算に関するものをここまで話していることについて説明を求める。

下関市と受託業者の協議録抜粋(情報公開請求資料より)
栗原部長 12月17日といえば財政から内示が出た段階だったと思う。予算の査定状況について外部に話したことは不適切だった。私の監督不行き届きだった。申し訳ない。なお、この協議については予算要求していた必要経費がゼロ査定となったことを受け、再度の見積もり提出に備えた相談を目的としてなされたものであるが、とはいえ不適切だった。
本池 不適切だったことはわかったが、「なお」以降がよくわからない。受託者は基本構想・基本計画(案)作成までの受託者であり、令和8年度の公募資料の作成支援業務(アドバイザリー業務)の予算額は関係ないと思う。ちなみに、受託者は令和8年度のこのアドバイザリー業務の入札に参加できる業者か。
栗原部長 参加できる。
本池 参加できる業者にここまで漏らしている。公募資料作成支援業務は一般競争入札の予定だった。非常にまずいと思うし、入札前に予定金額を漏らすのと何が違うのか。
栗原部長 予算の状況を伝えるのは不適切と考えている。
本池 普通、入札に参加できる業者にここまでいわない。業者のためにもいわないものだと思う。
続いて、「(3)国庫補助の現状」だ。市側が、国に対しての国庫補助要望は提出しておらず、国庫補助が確保されている状態ではないといい、「受託者及び関係者」からは、国に対する陳情等により令和11年度を見据えて補助が確保されているとの認識であったとの発言があり、「認識の相違」が明らかになったとある。
その後、市側から、議員が国の機関等を訪問した事実はあるものの、市の実務担当として国に対し補助要望の提出や協議をおこなった事実はない、との補足説明があっている。この部分について説明を求める。
栗原部長 国庫補助が市で確保されているというのは認識していないので、業者に対して違うとお伝えしている。
本池 「受託者及び関係者」とあるが、この「関係者」とはだれか。
栗原部長 受託業者が再委託した業者だ。
本池 国の機関を訪問した議員とはだれか。
栗原部長 会派をこえて複数の議員が国に行っていると聞いている。
本池 調べてみたが、令和6年7月、令和7年7月に政務活動費を使ってある会派が全員でこども家庭庁に行っておられるようだ。部長がいわれているのはこの件か。
栗原部長 そのとおりだ。
本池 会派をこえてということなので、プラスもう1人ほど行かれているのだろう。昨年はパソナフォスターにも行っておられるようなので、どちらがメインなのか私はわからないし、全員が同じ思いで行かれたわけでもないとは思うが…。
この文脈を見ると、「受託者及び関係者」は、この会派のみなさんが国の機関を訪問したことをもって、国庫補助が確保されているという認識になっていたということか。
栗原部長 状況はわからないが、そうであると推測される。
本池 市長や議長が予算をとりに国を訪問するのはわかるが、市議会議員が市の実務担当者をこえて、たとえば国庫補助の要望に行かれたのかなにかわからないが、そういうことをするものなのか。それは普通のことなのか。
栗原部長 普通のことかはわからないが、子育て支援に関する勉強をしたいという思いで行かれたものと思うので、そこは邪魔するものではない。

市と受託業者の協議録(情報公開請求資料より)
本池 続いて、「(6)公募準備支援(アドバイザリー)業務および見積」。これは今年度実施予定だった予算額1400万円の公募資料作成支援業務に関するものだ。そして、予算内に収めるためには、設計者支援を業務範囲から除外し、公募準備及び要求水準書作成等に絞れば、予算内に収まる可能性があると市が受託者にいっている。そして、受託者が再度提出するといわれている。受託者に見積を依頼したことは委員会でも明らかになっているが、あくまでも受託者は見積依頼をした3者のうちの一者であったはずだ。基本計画策定の受託者にここまで明らかにすることが適切なのか、見解をお願いする。
栗原部長 予算について詳細を伝えるのは適切ではないと思っている。
本池 参考見積は3者にとっていたが、この協議は3者にとった後のことか。
栗原部長 日付はわからないが、同時で進行していると思う。
本池 予算も決まっていない段階で、「予算内に収められるよう」というのは、なんの話をしているのかということだ。見積をとって、内示された予算と照らし合わせてどうするのかは市が決める話で、ここまで受託者に求めるのか。再提出させているようだが、再提出は見積をとった3者ともさせたのか。
栗原部長 他の2者には依頼していない。
本池 続いて「(7)供用開始時期」だ。供用開始時期をめぐり、受託者側は「令和11年度(4月)を前提とした説明・認識がある」といい、市側は「令和11年度」は把握しておらず、現状の素案は令和12年度を基本としており、「前倒しについては可能性として検討する位置づけ」だとのべている。市と受託者で「齟齬(そご)が生じている」ということだ。なぜ担当者が知らない認識を受託者が持っているのか。
栗原部長 理由は承知していない。
本池 その後の【追記】を見ていただきたいが、供用開始時期の齟齬をめぐって部長と受託者の直接のやりとりがあったことが記載されている。この内容について説明を願う。
栗原部長 12月17日の協議のあとに受託業者が供用開始時期について私に電話で改めて確認した旨が記載されている。その電話では、2日前の15日に、業者が11年度と思っているようだといった内容の相談を担当から受けたので、それについて担当と協議した内容を伝えた。
具体的には、国庫補助の申請手続きの関係でこども園は令和11年4月の供用開始が困難である一方で、その他の複合施設の部分は建物さえできていれば11年度途中からでも供用開始ができるのではないか、ただ、こども園に関しては年度途中から開始するのはなかなか難しいので、12年度になろうということを共有した。
本池 この協議録を見る限り、こども園以外の部分は11年開始との認識を15日に担当者との打ち合わせで共有したと書いてあり、「可能性」とも書いていない。部長の答弁と異なるが、協議録は正しいのか。
栗原部長 協議録全般にかかることだが、私も協議に一度も参加していないので、内容についてはしっかり担当と受託者がやっているとはいえ、正確性に欠ける部分があったのではないかと思う。今後はしっかりと正確に協議したものを記録していく必要がある。
現場の声伴った事業を 責任は執行部に
本池 2回目の協議の質問はこれで終わるが、協議録にはこの事業の諸事務全般にわたって市が計画策定の受託者に対し、明らかにしていることがわかる。その内容はたとえば、議会との合意形成についての認識であったり、契約方式については「随意契約は難しく競争入札となる可能性が高い」とか、事業手法に関して「PFIは原則として避けたい」とか、パブリックコメントについて「市民意見聴取の実施実績の確保が主目的と整理された」とか、基本計画策定の受託者の域をこえた内容が協議・共有されている。
そして、先ほどから確認しているように、供用開始時期、国庫補助について受託者が担当者をこえた認識を持っておられ、「認識の相違」とか「齟齬」とか書かれている。
なぜこのようになっているのかと非常に不思議だったのだが、11月21日の第1回目の協議の自己紹介の部分で、「構想段階から運営まで継続的にかかわりたい意思を表明」と書いてある。この間、議会で真面目に審議してきたが、本来、今年度おこなう予定だったアドバイザリー業務や事業者のプロポーザルなど、なんだったのかと思える。
この協議録の作成を委託したことについて冒頭に「問題ない」といわれたが、ここで話されているのは単なる協議ではなく、財政との打ち合わせ内容も含め、事業を進めるうえで重要なことが入っている。こうした協議や協議録の作成も行政でおこなうべきだったと思う。
前田市長は定例記者会見で、執行部の説明が二転三転したことは申し訳なかったといわれたそうだ。でもなぜそうなったかという部分が大事だと思う。これまでの委員会でも、この協議録でも、説明のつかないやり方をしていることは明らかであり、そうなったのは担当職員の責任ではないことは明らかだ。身に覚えがある方はおられるだろうから、職員に無理をさせたことについては真剣に考えてほしいと思う。
今、素案をベースに新たな構想策定に向けて動いておられる。部局をこえた協議はしておられるし、関係者の意見聴取会や保護者アンケートもあった。意見聴取会も非常に活発で熱い交流になったし、保育や幼児教育、支援を必要とする子どもたちにかかわっておられるみなさんの英知を集めて進めていけばきっといいものができると思っている。
ただそのうえでも、素案なのかよくわからないが、民設民営とか、複合施設に何を入れるかとか、中途半端に既定のものとして前回案が残っているがために、市がどのような方針を持っているかが不明で、疑問な点がある。
令和7年10月の素案も廃棄して、関係部局や現場を担っているみなさんと協議のうえ、子育て環境をよくしていくためのものを本当のゼロベースで考えることを提案する。そして、あくまでもそれは執行部がおこなうべきであるということを申し上げておく。





















