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巨額の負債“譲渡”し消える  信漁連・漁連と県漁協一体化

 山口県漁協連合会(県漁連)と県信用漁協連合会(信漁連)の事業・財務などすべてが1日に県漁協に譲渡され、『新生』山口県漁協の発足を祝う式典が下関市内でもたれた。二井知事やエライさんたちの前で「万歳三唱」させられた支店の親分たちであったが、心には虚しい響きしか残らず、100億円を超える信漁連の負債が、名実ともに県下漁民になすりつけられる儀式となった。両連合会は今後、解散手続きに入る。

 1日に山口県漁協発足
 県漁協には1日付で農林中央金庫から50億円の贈与、県から25億円の貸し付けがあった。穴埋めできない残りの欠損は県漁協・各支店が背負い、5カ年計画で負担していくことになる。最終的に合併に加わったのは46漁協で、12漁協は単独経営を続けていく。
 県内の58漁協を1つにする構想ではじまった県一漁協合併計画は、主目的である信漁連欠損金の尻拭いを強いたうえに、既存の漁協を解体するという別目的を潜りこませたものだ。浜の惨憺たる荒廃状況をつくり出し、沿岸の大きな反発をくらいながら、ごり押ししてきた。
 二井知事などは、漁師が悪いことでもしたような印象で「支援はこれが最後だ!」などといい放つが、真相はまったく逆で、知事の所属派閥である自民党林派の悪事のツケを、漁師はさんざん面倒見てきた関係だ。いわれのない他人の負債を、汗水流した稼ぎを拠出して世話してきたのである。そして今後は、支店経営から利益を献上して、信漁連の「置き土産」を始末することが義務付けられた。

 合併の引金は信漁連欠損金
 合併の引き金となったのは、信漁連の欠損金だった。もともとマリンピアくろいなどで自民党林派関係者がつくった欠損は203億円にものぼった。だが当事者を訴えた裁判では「鼻くそ」程度の賠償金で和解し(林派お抱えの弁護士同士が争った八百長裁判)、責任はチャラ。その後、漁連ビルや各地の連合会財産を叩き売ったが足りず、漁連は高い油や資材を漁民に売りつけ、年間4000万円の利益を信漁連に横流しするなどして、約103億円まで圧縮してきた。
 もはや売り飛ばす財産もなく、欠損金処理が行き詰まっていたなかで、4年前に「県一漁協」つまり県下の漁協を解体・吸収することの見返りとして「支援金」が出るという合併構想が持ちこまれ、“鼻先ニンジン方式”で事態は動き始めていった。難航を極めたなかで、農林中金や二井県政に尻を叩かれて信漁連・漁連上層部は暴走。漁村の衰退などお構いなく、組合員から金をむしりとろうとして、混乱を招いた。

 信漁連と林派だけは許さず
 合併に加わった支店の関係者は「出資金や信用事業存続の問題が絡んで、やむなく合併に参加したところが多い。組合員や支店をただの資金源くらいに思っている漁協だから、これからが正念場。信漁連と林派だけは墓場に入っても許しません」と語った。
 別の支店運営委員長は「全国でも有数の規模といわれるが、協同組合といえるのか疑問。情報が本店の限られた人のところでストップして、組合長クラスでも何が何だかわからない状況になっている。漁業はいま、すごく厳しくて支店経営も苦しい。そこに追い打ちをかけた信漁連問題というのは、ほんとうに罪つくりだ。私らもなんとかがんばっていきたい。不参加漁協にもがんばってもらいたい」といった。

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