(2026年4月15日付掲載)
『ボウリング・フォー・コロンバイン』『華氏911』など数々のドキュメンタリー作品で知られるアメリカの映画監督マイケル・ムーア氏は8日、「終末が訪れた――『今夜、ひとつの文明が滅びるだろう』とトランプは言った」と題し、イランに最後通牒をおこなったトランプを痛烈に批判する文章を自身のウェブサイトに投稿し、この違法な戦争を阻止するために行動するようアメリカ国民に呼びかけた。以下、和訳全文を紹介する。カッコ内は編集部注。
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マイケル・ムーア監督
今朝、アメリカ国民によって2度にわたり正当に選出されたドナルド・トランプ大統領は、イスラエル国民によって6度にわたり正当に選出されたベンヤミン・ネタニヤフ首相と連携し、ホロコーストをほのめかした。
「今夜、ひとつの文明が滅び、二度と復活しないだろう。私はそれを望まないが、おそらくそうなるだろう。しかし、完全かつ全面的な政権交代が起き、より賢明で過激でない人々が主導権を握るようになれば、革命的に素晴らしいことが起きるかもしれない。誰にもわからない。今夜、その答えが明らかになる。長く複雑な世界の歴史の中で、もっとも重要な瞬間の一つとなるだろう。47年にわたる恐喝、腐敗、そして死の連鎖がついに終わりを告げる。神よ、偉大なるイランの人々を祝福したまえ!」(4月7日、ドナルド・トランプ)
建国250年の歴史を持つアメリカ――世界で唯一核兵器を使用したことのある病みきった暴力国家――は今、ミック・ジャガーやバッグス・バニーよりも歴史の浅い国家で、その地域で唯一の核保有国であるイスラエルと手を組み、世界でもっとも古い文明の一つを地図上から消し去ろうとしている。
イランは、この惑星がこれまでに目にした中でもっとも偉大な文明の一つを生み出した発祥の地である。ヨーロッパの私たちの祖先がまだ小屋を建てる方法を探していたころ、ペルシャ人たちはすでに世界初の人権宣言を起草し、征服した人々を尊厳をもって扱う多文化帝国を築き上げ、私たちが追いつくのに1000年を要するほど高度な数学や医学の研究をおこなっていた。私たちに代数学や医学、そして『ゲーム・オブ・スローンズ』のテーマソング(作曲者のラミン・ジャヴァディはイラン系ドイツ人)をもたらしたのは、まさに彼らだった。今日、政府による厳しい弾圧や検閲があるにもかかわらず、イランは依然として世界屈指の映画監督たちを輩出し続けている。
アメリカは1953年、民主的に選出されたモハンマド・モサデク首相を転覆させて以来、イランに干渉し、攻撃を続けてきた。彼の「罪」とは何か? それはイラン国民の利益となるよう石油産業を国有化しようとしたことだ。たとえば、それはトランプが90億㌦の税金を投じて連邦政府にインテルの株式の10%を保有させるようなことだ。
1980年代、私たちはサダム・フセイン率いるイラクを支持し、イランとの10年にわたる残虐な戦争において、イラクに化学兵器やその他の物資支援を提供した。それにもかかわらず、私たちの指導者やメディアは「なぜ彼らは私たちを憎むのか?」などと愚かな問いを続けている。憎むだと 彼らが私たちを憎んでいるのではない! 私たちが彼らを憎んでいるのだ!
私たちこそが悪者なのだ! もしあなたがこれまでの大統領の下でそれに気づかなかったとしても、少なくともドナルド・トランプはその仮面を剥ぎ取って、私たちの本当の姿を露わにしてくれたのだ!
アメリカとイスラエルによる違法で非道、かつ正当性のない攻撃から数週間後、アメリカのテロリスト的な最高司令官は――小学校で数百人の女子児童を殺害し、大学や医療センター、民間インフラを爆撃しただけでは満足せず――今やすべてを破壊しようとしている。
アメリカのいわゆる「野党」――ガザでのジェノサイドを主導し、今もそれを助長し続けている政党であり、その上院リーダーであるチャック・シューマーは昨年、トランプに対し、イランに対してより強硬な姿勢を取るよう挑発した――は、今や傍観し、この惨劇を立ち尽くしたまま見守っている。単に彼らが臆病者だからというだけでなく、民主党指導部が実際にこの戦争を支持しているからだ。
誰も私たちを救いには来ない。自分たちでやらなければならない。
この狂気は止めなければならない!
アメリカの軍指導者たちは、違法で非道徳的な命令には従うべきではない!
今この瞬間、私たち一人ひとりが街頭に出て、この狂気を止めるよう要求すべきだ。
私たち一人ひとりが議員に電話をかけ、ピート・ヘグセス(国防長官)の弾劾と議会公聴会を要求しなければならない!
今すぐ憲法修正第25条を発動せよ!
私たちは皆、共犯者だ!
もうたくさんだ!
――マイケル
(※憲法修正第25条とは、職務遂行不能と判断された大統領を解任し、副大統領が職務を代行することを定めた条項)

全米一斉の「ノー・キングス」集会で「弾劾、有罪判決、罷免」と書かれたプラカードを掲げる抗議者(3月28日、シカゴ)




















