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狙撃兵 米国揺さぶるウィキリークス

 2010年に米外交公電を暴露したことで有名になった内部告発サイト「ウィキリークス」創始者のジュリアン・アサンジが、政治亡命していた英国のエクアドル大使館からインターネット回線を切断されたとロイター通信が報じた。この間、米大統領候補のヒラリー・クリントンにまつわる3万通のメールを暴露して物議を醸し、10月初旬には来月の米大統領選挙に向けてさらに資料を公開していくと宣言して、早速クリントンが米金融大手向けにおこなった講演内容に関するメールを公表していたが、直後に回線が切断される事態となった。
 予備選も含めてまさかの展開を見せている米大統領選において、ワシントンの官僚やウォール街、軍産複合体など米国の支配階級が、必死でヒラリーを当選させようともがいている。それをあざ笑うかのように、知られてはならない真実を白日のもとにさらしてきたのがウィキリークスだった。しかし、「これ以上やられては困る」という米国支配層の強力な力がエクアドル政府に加わったようだ。回線切断は、直接にはエクアドル大使館発の暴露が不可能になることを意味する。これでアサンジVSヒラリーの攻防は幕切れとなるのか、こうした事態も織り込み済みで、第2、第3の追撃が始まるのかにも注目が集まっている。
 米国の大手メディアがこぞってトランプを叩いているなかで、一方は支配階級の知られては困る情報を提示して、世界の目を引きつけながら米国世論を揺さぶっている。そして慌てふためいている支配者たちの姿を見て、それらの情報が真実だからこそ反応しているのだと多くの者を確信させている。
 日本国内でもジャーナリズムが「社会の木鐸」といわれていたのは遠い昔のことで、いまや権力におもねってばかりいることから「マスゴミ」などと呼ばれるようになった。権力の監視と真実の暴露という任務を放棄した提灯持ちは、社会にとって有害な「ゴミ」でしかないという厳しい呼称である。資本力を備えた大手メディアが自爆行為にふけっているなかにあって、内部告発サイトの方がはるかに権力を揺さぶっているという点で痛快さがある。

                                           吉田充春

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