朝起きてテレビをつけてみると、巨人軍監督の阿部慎之助が娘に殴る蹴るの暴行を加えた容疑で逮捕され、巨人軍監督を辞任したと大騒ぎしていた。なにがなんやらであるが、まるでDV男扱いである。即日釈放されて本人が涙の会見をおこなって世間に謝罪し、同時に娘の手紙などで事の真相が徐々に明らかになっていった。そして、家族間の些細な出来事に過ぎないことが人工知能(AI)のChatGPTや児童相談所、警察の介入によってバカみたいに騒がれていたことだけが浮き彫りになった。
阿部家で起こっていたことはどこの家庭でも起こりうることで、放っといてやれよ! と思うほどくだらない。児童相談所や警察が首を突っ込むような案件ではなく、世間が悲憤慷慨するようなことでもない。姉妹喧嘩に「うるさい!」と声を荒らげて阿部父がやめさせ、そのさいに服の襟をつかんで突き飛ばしてしまったというに過ぎないのだ。どこの家庭でもそうだろうが、兄弟喧嘩や姉妹喧嘩ほどうるさいものはない。そして理由は大概くだらない。四六時中いっしょに生活していれば喧嘩ぐらい起こるものである。それに対して「やかましい!」と一喝したら児相が飛び出してきて逮捕されるなどバカげているし、いったい全国で何人のお父さんたちが逮捕されなければならないかである。
阿部父は殴ったり蹴ったりしたわけでもなかった。首を絞めたわけでもなかった。それがわかったのなら「お騒がせしました」くらいで終わりにして、元の地位に戻して巨人軍監督として指揮を振るうべきだと思う。はっきりいって、巨人軍監督を辞めるような理由にはならないのである。むしろ何がどう伝わったのか児相の暴走こそ検証されるべきであろう。
娘の手紙にも綴られていたが、阿部父の言動について姉がChatGPTに相談したところ児童相談所に連絡することを勧められ、そこから事態が急展開したという。まさか目の前で父親が逮捕されるなどとは思ってもおらず、姉妹からしてもまさかこんなことになるなんて…が本音だろう。しかし、後の祭りである。一家の大黒柱である阿部父の収入によって一家の生活は成り立っていただろうし、それがいきなり騒動で監督辞任となって収入を断たれ、悪い印象を残してテレビ等々で野球の解説にも呼ばれなくなり、プロ野球界から居場所を失うとなると家族の暮らしもままならなくなる。今さら「どうしてあのとき感情に任せて児童相談所に電話したんだろう…」と思っても後悔先に立たずである。
スポーツ選手のセカンドキャリアとは残酷なもので、現役時代に億のカネを稼いでいたとしても自己破産に至ったりするケースが少なくない。そのなかでプロ野球のしかも巨人軍の監督という地位をつかみとった阿部慎之助は成功者だったのに、こんなことで一晩にして地位を追われるなんてそりゃないぜ! とも思う。あまりにも残酷である。
若い子たちはChatGPTについて「チャッピーがこういっている」等々、今時はなんでもかんでもチャッピーに相談して、自分の頭で考えない子も増えている。しかし、便利で何でも知っていると依存したが最後、今回のような騒動を引き起こすことにもつながっている。人間の行動を操作しているのである。些細な家族のもめごとについてよくよく考えれば感情が落ち着くにつれ整理もされるだろうに、チャッピーがろくでもない知識を吹き込んだおかげで今回の騒動は起き、また児相が過剰反応したことから緊急逮捕にまで至った。チャッピーに相談する娘も娘だが、チャッピーいい加減にしろ! というべき案件である。
世の中には情状酌量の余地というのがある。阿部慎之助は涙の会見で反省の弁をのべたが、その後明らかになった事実を鑑みても監督を辞任するまでのことではなく、娘たちにとっても大好きなお父さんである。むしろ報道が過剰に騒ぎすぎなのだ。巨人軍が紳士で懐が深い球団ならば、娘に声を荒らげて服の襟をつかんだことについては少々乱暴であったと反省を促すくらいが適切で、引き続き監督として選手を率いていけ! と背中を押すくらいの度量を見せてほしいものである。基本的に阿部家の家族の問題であって、周囲が口出しすることではないのだ。
吉田充春

















