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市長案件の新たな子育て施設 お友だち優遇の疑念浮上 保育園建て替えが壮大な計画に 【下関市政めぐる記者座談会】

(2026年3月23日付掲載)

下関市が交流型子育て総合支援施設の整備を計画している市立第一幼稚園跡地(下関市貴船町)

 下関市の前田市政が2月末に2026年度予算案を発表し、3月議会で予算審議がおこなわれてきた。一般会計は前年度より63億6000万円増の1425億8000万円となり過去最大規模となった。この来年度予算審議のなかで、子育て施設整備をめぐって波紋が起きている。前田市政に関してはここ数年で「私的だ」「お友だち優遇だ」といわれるようになっているが、子育てという福祉分野でこうした疑いが発生している。記者座談会で今起きていることを中心に議論してみた。

 

  来年度予算を審議する3月議会が間もなく閉会しようとしている。来年度予算の規模は1425億8000万円、前年度から63億6000万円増と大幅にアップした。もちろん必要不可欠な予算もある。民間の金融機関の金利が上がっているなかで、行政がおこなう特別融資への申請件数が増加し貸付金が大幅に増えるなど社会的な背景のもとでの増減などはあるようだ。一方で役所内では、「これは○○議員、あれは××議員と後ろにいる政治家が見える事業ばっかりじゃないか」という評価が聞かれる。ジップラインしかり、長引く物価高で市民の生活がかつてなく厳しくなっているなかで「今必要なのか?」という事業もかなりある。

 

 B 3月議会の議員からの質問では、このたびの予算案に対し「市長の決意が伝わった」「強い覚悟と情熱が確認できた」「感謝申し上げます」等々、市長を持ち上げる議員が非常に多い印象だった。市民目線で見るとたんなる市長の提灯持ちにしか見えないが、内部的に見ると、この謝辞は「私のおかげで予算がとれましたよ」という支持者向けのアピールなのだとか。来年初めに市議選が迫り、かなり顔ぶれが入れ替わる可能性もあるなかで、前田市長が議員たちに「実績」をつくってやったということらしい。最近、前田市長の支持者が離れているという噂が聞かれることから、前田市長が自分の支持基盤固めのために税金で大盤振る舞いしたのではないかという見方もある。

 

 C 今回の予算についてそのように評価する声が少なくないのだが、前田市長に関していえば「お友だちばっかりじゃないか」という指摘は以前から強かった。安倍亡き後、林派に鞍替えすることで3期目を迎えてから、いっそうその傾向が強まっている印象だ。

 

 「お友だち案件」の代表格だが、昨年3月の市長選前に、故安倍元首相の有力な後援者であるK社が所有する非自航型作業船を「船舶」扱いに変え、内航船舶特例を適用して固定資産税の軽減をはかった事件があった【既報】。市内の非自航型作業船を持つすべての企業を平等に扱うなら理解できるが、1社だけ、秘密裏に税の軽減がなされた問題だ。市長選前のタイミングで市長が「自分の責任でやる」といって(実際は課長決裁で、自分の責任にはならないようにしている)強行した経緯から、税金を使った買収とみなされてもおかしくない案件だった。こうやって自分の支持者なりお友だちを優遇する施策はK社の案件にとどまらないといわれているし、実際、市長のトップダウン案件=市長案件が増えている。職員が事業の必要性を納得できないまま振り回されている状況も多発しているし、私的な市役所運営に嫌気がさしている職員は多い。

 

利害企業が構想案作成 特定の事業者想定か

 

2024年3月末に閉園した下関市立第一幼稚園の入口

 B 「市長案件」の一つではないかと注目を集めつつあるのが、「交流型子育て総合支援施設整備事業」だ。これは貴船の旧第一幼稚園跡地に認定こども園を含んだ複合施設を建設するものだ。前田市長が3期目当選後の2025(令和7)年6月議会に出てきたもので、今年度は基本構想と基本設計がつくられることになっていた。3月議会で文教厚生委員会(以下、委員会)に基本構想(案)が提出された。進捗と今後について市から説明されているが、市議会内ですら「これはちょっとおかしくないか?」という空気になっているほか、市役所内や児童福祉界隈で関係者をざわつかせている。

 

 C いろいろと情報が多いので整理すると、「交流型子育て総合支援施設整備事業」は、前田市長が3期目の当選を果たした後の昨年6月に出てきたものだ。ただそのときは事業名も「子ども・子育て施設整備事業」だった。もともと老朽化が進む公立保育園(名池・幸町)の閉園・統合と合わせ、第一幼稚園跡地に代替となる施設を整備する計画はあった。そして旧第一幼稚園は地域とのつながりが深く、そうした良さを残してほしいという地域の声も強かったことから「多世代交流型複合施設」の提案に至ったという話もある。そして2025年は基本構想と基本計画の策定を民間事業者に委託する形で進んできた――というのがこれまでの流れだ。委託業務として発注した業務は、一つ目が基本構想のブラッシュアップ、二つ目が基本計画の策定だ。基本構想の「素案」は市が作成しており、それをブラッシュアップさせるそうで、それでほぼできあがったのが今回市議会に提出された構想(案)になる。

 

 B 驚かれているのがこの構想(案)の中身だ。構想も基本計画も今後事業者を公募していくためのものであり、構想は「このような施設にしたい」という思いを載せるものだ。それがより具体化したものが基本計画で、これはまだ公表されていない。これらを見た業者が公募に応じ、業者が選定されて施設を整備していくというのが一般的な流れになる。つまり、構想の内容としては広く事業者を募ることが前提なので公平でなければならないはずだが、構想(案)に特定の企業の写真が何枚も掲載されている有様だった。

 

 この企業というのが市内、市外で保育園を運営する「株式会社紬(つむぎ)」だ。構想(案)には「紬」が運営する「紬保育園」(※正式には紬木保育園)「のどか保育園」「つむぎ教室」などの写真が載っている。さらに市議会では、この構想案策定を297万円で受注したのが「紬」であることが明らかになったほか、来年度におこなう事業者公募のための資料作成(1400万円)の見積りまで「紬」に依頼して予算案に計上したことも明らかになっている。いったいなにがどうなっているのだろうか。

 

 A この事業を最終的にどこが受注するかは不明だが、そもそも基本構想や基本計画の策定や公募要件の策定を、事業参入の可能性がわずかでもある業者に任せること自体ありえない。それは特定の事業者を有利に取り計らったとの疑念を持たれるからだ。もしも今回の件で、委託を受けた「紬」本体や深く関わり合いのある事業者が事業を請け負った場合には大問題になるので、行政としてはこうしたことは絶対に避けなければならない。これは行政の常識だ。だから、委員会の中継を見た市役所関係者は唖然としており、「自分だったら絶対にこんなことさせない」という声は多い。まさかないとは思うが、もしもこれで「紬」が今後事業者側に入るのであればあまりにも直接的な利益誘導になるし、官製談合もびっくりの案件になってしまう。だからこそ行政は全体に配慮した事務を進めなくてはいけない。議会への報告まで誰もこれを指摘していないのであれば感覚が麻痺しているのだろうし、部内の体制は深刻ではないか。

 

偶然とは思えぬ一致 誘導伺わせる概要変更

 

 C これは単なる行政のお粗末さだけが問題ではないと指摘されている。【表】を見ればわかるようにこの事業に関する2025年度と2026年度の「概要」の内容が変わっている。その一つが、設置する教育・保育施設について、「幼保連携型認定こども園」から「認定こども園」に変わったことだ。これは「門戸を広げるため」だという。

 

 前者であれば社会福祉法人か学校法人しか運営できないが、後者(の保育所型)は株式会社でも運営できる。さらに多世代交流だけだったものが、「認定こども園、子育て支援、保健、福祉、及び多世代交流の機能を備えた交流型子育て総合支援施設」となり、門戸は広げつつも、あれもこれも事業を盛り込んでいることから、各分野の専門性を持った事業者なり人脈なりを持っていなければこれを実行するのは難しいように思われる。

 

  どんな経緯で変更がかけられたのかは不明だが、どんな事業を実施しようとしているのかを見てみると、「教育、保育、療育の側面をあわせもつ認定こども園」「子育て世代への疑問や悩みにワンストップで支援をおこなう子育て総合相談窓口」「妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援の充実」「出産後の母子に対し身体的心理的ケアをおこない、育児指導や相談を通して支援する産後ケア体制」「食育調理体験を通して、作る↓食べる↓学ぶを親子で体験できる食育体験」「子どもの年齢や特性に応じて切れ目なく療育支援をおこなっていくスペースを整備」などで、構想(案)にもかなり具体的に書いてある。

 

 内容やその理念について、ここでいいとか悪いとかいっているわけではない。ただ、「保育×療育」「インクルーシブ保育」などを前面に出しているのが「紬」であるし、食育体験、調理体験に力を入れているのも「紬」だ。基本構想(案)には「実際に教育・保育施設において提供されている離乳食や幼児食のレシピ公開や栄養士・専門家による相談会・講習会等を通して、保護者に信頼できる食の情報を提供し、食生活に関する相談・支援をおこないます」とあり、そのページに「紬」の事業である「つむぎ教室」の写真が載っている。これらがわかりやすい例ではあるが、そうした端々が一見、「紬」ありきで動いているのではないかと思わせるものとなっている。

 

  一方で、それも考えにくいという見方もできるのが現実だ。これほどあれもこれも事業を盛り込み、建設費であるイニシャルコスト(初期費用)は約10億円だという。「10億円」という数字も「紬」がはじいた数字であると市は委員会でいっていた。事業者の負担分がその半分なのか4分の1なのかは知らないが、単純に考えてみても資本金100万円の会社が請け負えるものではないことは明らかだ。基本構想・基本計画の策定についても本当に落札者である「紬」がやっているのかという疑問が浮上している。というのも、問題になっている写真だが、保育園の名前が間違っているのだ。企業名は「紬」だが、園名は「紬木保育園」だ。自身が運営する保育園の名前を間違えるだろうか。委員会でも市が「写真の提供をお願いした」といっており、こうしたことからも実際には市役所が構想や計画を手がけているのではないかと指摘されている。もしそうだったら297万円はなんだったのかという話になるが…。自民党界隈の議員たちも「紬」だけでは無理だと話題にしているようだし、背後にもっと大きな本命候補がいるのではないか。そして、そのことを知っている人は知っているのだ。

 

 B そう考えると、委員会などでの市側の説明がなんだか頼りないというか、一貫性がないというか、他人事のような感じであったことも理解がいく。昨年からずっと民設民営といいながら、基本構想(案)には公設の手法も掲載し「今から決めます」といった格好をしている。このずれはなんなのかと思うが、結局相手次第であって、本命が来てくれる条件になっているかどうかを見極めているかもしれない。

 

 A では、本命はどこなのか? ということだ。「紬」のO代表は、筑紫野市の「のどか保育園」、下関市の「紬木保育園」の園長、児童発達支援センター「こむぎ」のセンター長などを務めているのだが、保育園の方はいずれも「CRAYON(クレヨン)プロジェクト」に参加している。

 

 クレヨンプロジェクトは、「乳幼児の子育てにかかわるすべての人のニーズに応えることで子育てを応援するプロジェクト」とのことで、紬木保育園はクレヨンプロジェクトの日本初のモデル園だそうだ。この研究をO代表とともにしてきたのが、下関市立大学の韓昌完学長とパソナフォスター(本社・東京都)だ。O代表との出会いについては韓昌完学長が熱く綴っており、O代表も自身のプロフィールに市立大学の非常勤講師の肩書きを記載している。そして、クレヨンプロジェクトを冊子化したのが「CRAYON BOOK(クレヨンブック)」だが、これをパソナフォスターも同社が展開する保育施設の強みとして押し出している。

 

 市議会では旧安倍派の「創生下関」がこの件にかかわっているようだが、やはりその界隈の本命もパソナなのだと囁かれている。確かにパソナなら10億円規模の事業でも受注できるだろうし、「国の補助金が確保できた」みたいな話があるのも納得がいく。しかし、共同研究を一緒に進めてきた「紬」が基本構想・基本計画までつくって、それをパソナが落札することになれば、直接「紬」が落札するのではないにしろ、許容できない流れであるのは間違いない。もしも、事業者公募の資料作成まで「紬」が請け負うようなことにでもなればなおさらだ。しかし、事実として見積もりまではしているということだ。

 

市立大韓学長との繋がり HAN研究財団が軸に

 

答弁する前田市長(昨年9月)

 B 遡れば2019年、前田市長が下関市立大学に韓昌完(ハン・チャンワン)教授(現学長)を招聘すること、その採用を前提とした専攻科設置を、教員たちが入った教育研究審議会をへることなく経営審議会だけで決定した事件があった。大学のルールなどすっ飛ばし、後に定款を変更するという手法は、市長の私物化として全国の大学関係者の注目を集めた。

 

 このとき市立大学側は専攻科設置について、「市民から高等教育機関でリカレント教育としてのIN-Child手法(韓教授が提唱するインクルーシブ教育の手法)の講座開設希望が強く、下関市からの要請、市議会からの開設要望があること」と説明していたが、その後の市議会の質疑のなかで、下関市に市民から開設要望があった事実はなく、市議会から要請があったという事実も確認できなかったことが明らかになっている。

 

 A それを決めた経営審議会委員に2019年に就任したのが、韓教授が立ち上げた「一般財団法人HAN研究財団」の理事をしていた「紬」のO代表だった。経営審議会のなかで専攻科設置を推進する立場から積極的に発言したといわれている。経営審議会委員に就任する直前にHAN研究財団の理事を辞任したことになっているが、この話が浮上した当時、HAN研究財団の主たる事務所はO代表の親族が事業をしている場所になっていた。客観的に見るとHAN研究財団のメンバーが市立大学の経営審議会委員になり、自分の所属する団体の長の採用を後押ししたという関係性だ。さらにいえば、IN-Childはこの議論がおこなわれている最中の2019年6月に商標登録されており、出願人は「株式会社紬」となっている。商標登録出願者が、市立大学の委員としてIN-Childの導入を推進する――この構造は利益誘導なり利益相反ではないかという問題が当時取り沙汰された。

 

 ちなみにIN-Childの権利は23年4月に譲渡されており、現在の権利者はYui Connection株式会社(塩野義製薬のグループ会社)になっている。2019年当時から指摘されていた製薬会社まで絡んだ構造は今も続いている。そして幼児向けのクレヨンプロジェクトはパソナということのようだ。HAN研究財団ではあと2つ、高校生~成人向け、高齢者向けのプロジェクトを研究しているようだ。これが「切れ目ない」ということなのだろうか。

 

  国立大学をめぐって、産官学連携とか稼げる大学などといわれ、民間から自分で研究費を獲得せよみたいな方向が問題になってきたが、それを実行するとこういう感じになるということではないかとも思う。

 

市長界隈で紬がれる 関係者の利権サイクル

 

 C ふり返ってみると、2019年に韓昌完教授を採用してから7年のあいだに、6割以上の教員がやめるなど大学崩壊を招きつつ、市立大学を軸にしてIN-Childなり、クレヨンプロジェクトなり、HAN研究財団のプロジェクトを広める体制が着々とつくられてきたということではないだろうか。例えば、上記のような関係性に加え、「紬木保育園」の職員は市立大学附属リカレント教育センターで学ぶ体制になっているようだし、市立大学にはパソナフォスターの代表取締役社長が客員教授として就任し…といったように、表面的に出ている情報だけでも関係者があちこちでつながっている。その様子を「関係者のあいだで経済サイクルができている感じ」と表現する人もいる。

 

  そして、前田市長がこの市立大学を支えるために市財政を支出するという関係だ。昨年9月議会で大学院に新たな研究科(院)を4つ設置する計画と、大学院生の入学金、授業料を無償化する方針が出てきて、4月から今ある経済学部の大学院の無償化がスタートする。

 

 予算を見ると来年度は約1300万円だが、最終的に大学院が全部できると約2億5000万円になるという説明だった。運営費交付金も24年度が約3億円、25年度が約12億円、26年度予算は約14億6000万円とうなぎ登りに増額している。学部が増えたとはいえ、かつて、まともに運営費交付金をもらえず苦境にあった時代と比べると財布の紐は緩みっぱなしだ。本紙も必要な予算をつけるべきと主張してきたのだが、一方で学生の質が下がっているとか、とうとう授業崩壊が起きているとか、そんな話を耳にすると、お金がだれのため、何のために流れているのか疑問を持たざるをえない。

 

下関駅西口側に建設中のエストラストのマンションには「第2紬保育園」が入る(26年3月20日)

  来年度から始まる待機児解消のための地域型保育事業という別の事業があるが、本庁地区、川中・勝山地区の2地区で市が募集し、本庁地区で選定された事業者が株式会社エストラストだ。前田市長が選挙事務所にしていたくらいの支援者だし、下関駅前にオフィスビルを建設するといって市が約3億円の補助金を出したりもしてきた。これから始まる下関駅前開発にも深くかかわっている企業だ。同社が建設した下関駅周辺のマンションに地域型保育事業所が入り、実際に運営するのが「紬」だという。そのようにつながっていくんだなという感じだ。

 

  最初は市立大学の中の問題だったのが、だんだん市本体の事業に拡大してきた印象だ。「地域連携」を掲げて韓学長が市役所の担当部署に直接乗り込んできて困っているという話があるのもそういうことだろう。

 

 B 話を「交流型子育て総合支援施設」に戻すが、純粋に老朽化した二つの保育園を建て替えればよかったものが、なぜか「日本初の」みたいな壮大なビジネスモデルに変わり、民間主導でおこなわれようとしている。これは「官から民へ」を掲げた小泉改革、故安倍元首相の「世界一企業が活躍しやすい国」といった、公的サービスを民間に開放し、ビジネス化する政策を国あげて推進するという背景あってのことだ。そして政府を動かしてきたのが規制改革推進会議であるし、竹中平蔵だ。そんなことが長く続いて、下関市を見ても職員削減で人手不足になっているし、保育を見ても財政縮小の観点から公立保育園を減らして民間が主でやっていく方針にすっかり変わってしまった。その延長線上に今回の一件もある。

 

  たしかに企業が活躍しているのだが、活躍できるのも下関でいえば「市長のお友だち」界隈ばかりだともっぱらの話題だ。というか、市長の力で無理矢理活躍させているような状態だから、その陰で泣く人たちや踏みつけられる人たちが出てくる。無理を通せば道理が引っ込む的なやり方だ。

 

  IN-Childやクレヨンプロジェクトが悪いとか、そういう話ではないし、子どもの教育・保育・療育に関して熱意を持ってとりくんでいることを否定するものでもない。ただ、その手法はさまざまある考え方の一つだ。市内の他の保育園もそれぞれ独自の教育方針を持ってとりくんでいるなかで、「新しい形の施設が必要だ」というなら、関係者と熟議して、今の下関の保育現場に必要なものを実現する必要がある。少なくとも市内の私立・公立園の関係者は詳細を何も知らない状態だ。

 

 A 本当にパソナが来るかどうかは蓋を開けてみなければわからないが、交流型子育て総合支援施設整備をめぐって、市役所内外の動きを見聞きしていると、やはり疑念を持たざるを得ない。子どものための施設はもちろん大事だし、産後ケアにしろ、療育にしろ、今関係者の尽力によって成り立っている部分に関してはより充実させて、子育てを支える体制を整えることは必要だ。

 

 だが、どう見ても進め方がおかしいし、すでに起きていることだけを見ても不穏だ。26日に最終本会議が控えているが、この「市長案件」の問題を認識している市議会がこれを通すのかが注目される。少なくとも、なぜ特定の事業者の写真が入った構想(案)が出てきたのか、だれがつくったのか、どの段階で事業内容が変更されたのか、公費がどれだけ注がれるのかなど、厳密に詰める必要がある。それが税金の使途をチェックする議会の責任だ。市民もその責任が果たされているか注目する必要があると思う。

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