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都議選で風穴開け衆院選へ れいわ新選組活動方針示す 減税と積極財政掲げ挑む

 れいわ新選組の山本太郎代表は5月27日、東京都内で臨時記者会見を開き、今後の活動方針として、当面は7月初旬に実施予定の東京都議選に重点を置きながら、秋に控える次期衆院選に向けて全国で活動を活発化していく展望をのべた。

 

 山本氏は、日本のGDP(国内総生産)が2四半期連続のマイナス成長となる見通しについて問われ、「GDPが落ち込むのは当然のことだ。中国や米国の経済が回復したのは、超絶的な財政出動がおこなわれているからであり、投資があるからリターンがあるということにすぎない。欧州でも回復の兆しがみられ、とり残されるのは(財政出動が乏しい)日本だけになるのではないか」と指摘した。

 

 コロナ禍においては、英国やドイツ、オーストリア、韓国など世界19カ国の政府が消費税等の減税に踏みきり、米国では昨年末の9000億㌦(約93兆円)に続き、1・9兆㌦(約200兆円)規模の財政出動を発表している。一方、日本政府の第3弾コロナ経済対策費(昨年12月)は民間支出を含む事業規模としての73兆円で、そのうち国家支出は約30兆円にとどまっている。

 

 野党の主要政党にはコロナ禍における財政出動は必要という認識はあるものの、コロナ克服後には「プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化」や「財政規律の健全化」を目指すという見解を示していることについて、山本氏は「他党の見解についてとやかくいう気はないが、コロナ禍において財政出動が必要だというのは非常に正しい考え方であり、そこに対しては力を合わせていくべきだと考える。だが、政治家たちのなかで『コロナが来たから大変になったんだ』という頓痴気な考え方をしている人はすぐに政治を辞めた方がいい。なぜならコロナが来る前から経済的な緊急事態を迎えている方々が大勢いたからだ。つまり経済での緊急事態はコロナ前から始まっていた。25年のデフレによって需要が失われ、消費が失われ、誰かの消費が誰かの所得に変わっていくという循環が大きく弱められてきた。働き方が壊されて不安定雇用が広がり、一人一人の購買力が下がり、税制が歪められ、とるべきところからとれない穴埋めを消費税増税で補うことが続けられてきた結果だ。だからこそ、コロナのみならず25年のデフレでもたらされた傷の手当てをしっかりとやらなければいけない」と強調した。

 

 「そのためには国による財政出動を積極的におこなわなければならないし、現段階からプライマリーバランスを云々している人たちは、家で寝ていてもらった方がよっぽど国のためになると思う。汚い言葉を使えば、『プライマリーバランスなんて糞食らえ』といわなければならない。それだけ危機的な状況だ。数年にわたり1年間に国債発行100兆円レベルの財政出動で大胆に人々の生活を底上げし、事業者を守る、労働者を守る、生活者を守るということを徹底していかなければならない」とのべた。

 

 さらに、東京五輪開催を強行する菅政府やIOC幹部の言動について「どんな状況でも五輪をやるというのは、完全に常軌を逸した世界だ。人の命はどうでもよく、目の前の金もうけである五輪特需を失うわけにはいかないという、その人なりの使命感と正義感が存在するのだろう。だが、このような方々には一刻も早く退場してもらわなければ、もう十二分に国が壊れているのだから、これ以上壊すことは許されない。だが残念ながらそういった常軌を逸した人間たちが国の舵をとり、五輪のトップに座っているという漫画の世界のような話だ」とした。

 

 「(都議選の)争点化もなにも五輪中止は当たり前の話であり、私たちは当初から五輪中止を政策に掲げている。昨年の東京都知事選でも公約のトップに掲げ、2013年の国会における五輪決議に反対したのは私一人だけだった。コロナであろうとなかろうと日本国内において五輪はやるべきものではなく、ましてやコロナの感染拡大が止まらない状況下では絶対に開催してはならないものだと考える」とのべた。

 

選挙通じて人材育成

 

 今後の衆院選挙での候補者擁立予定とかかわって党の財政状況について問われた山本氏は、「私たちの活動資金は他党とは違い、多くの方からのご寄付に支えられている。特定の宗教や企業、団体とつながって応援してもらっているわけではないので、なんのしがらみもない。私たちとしがらみを持つのは、この国の直接的なオーナーである人々だ。最終的にどれだけの規模で候補者が立てられるのかは、この寄付額が最終的に確定できる段階にならないとわからない。だが、すでに擁立を発表している20人規模の予定候補者の供託金だけでも1億2000万円にのぼる。この入場料だけで大変な額で、それ以外も含めると数億円単位になってくる」と見通しを示した。

 

 また「今後候補者が増えるのかは、野党共闘が実現するか否かでも変わってくる。共闘することになれば、候補者がバッティングする選挙区では一本化に向けた調整が必要になり、それ以上に私たちの数を増やすのなら比例ブロックで候補者を立てる以外になくなる。それ以外では“スタッフも資金も自前で用意できる”という方々に複数人(20人以上)立候補の公認をお待ちいただいているので、その方々に声をかけていくしか数を増やしていく方法はないと考えている」とした。

 

 今後の活動方針としては、6月25日告示、7月4日に投開票がおこなわれる東京都議選に全力を傾けるとし、「緊急事態宣言を延長したからといって都議選が延期される趨勢にはなく、これまで通り粛々とおこなわれるだろう。選挙がおこなわれる以上、私たちは緊急事態宣言の当初期限である5月末までは動きを抑制しつつ、その後は密を作らない形(ゲリラ)で活動しなければならないだろう」とのべた。

 

 東京都議選は、れいわ新選組として初の地方議会選挙となる。現在までに、杉並区(定数6)に山名奏(かな)子、足立区(定数6)に末武あすなろ、世田谷区(定数8)に風澤(ふうさわ)純子の新人3氏の擁立を発表している。

 

 当初「最大10人」としていた都議選の候補者擁立の可能性について、山本氏は「現在の3人から10人に増やすうえでは、選挙態勢の作り方が一番のネックになる。都議選では、これまで選挙に関してビラ配り程度しかやったことがなかった人にも選挙実務にかかわってもらっている。選挙のノウハウを持つ市民を一人でも増やすため、そういう人たちを中心に組み立てている。だから3選挙区だけでかなり大変な状態だ。すべて一からのとりくみでやっているので、ギリギリでもう一つ、二つ増やせたらいいが、現状では難しい。このまま3人で行く可能性もある。当初から、非現実的な数を立てて衆議院選前の賑やかしをするための選挙ではなく、確実に議席を獲得できる範囲で挑戦していこうという考え方でとりくんでいる。この機会に多くの方々に選挙を共有していただき、先々の参院選などで一人でも多くの候補者を出せるような形でサポートしていただきたい」とのべた。

 

消費税減税が最低条件 

 

 さらに衆院選での野党共闘の可能性やその動向をめぐる質問に対しては、「他党と選挙協力(共闘)をするのは、人々の生活が少しでも短い期間で楽になる方法が実現するのなら…というのが唯一の理由だ。消費税減税や大胆な財政出動などが実現できるのなら、力を合わせてやるというスタンスだ。でも(野党間での政策一致が)実現しないのならば、自分たちでやるしかない。究極的には、どちらにしても前に進むしかないという考え方なので、特に何かを期待しているということは一切ない」とした。

 

 そのうえで「私たちは2019年の参院選以降、野党共闘の条件について、最低でも消費税5%減税といってきたし、現在までそのゴールポストを動かしたことは一度もない。本来ならば5%減税などという寝言をいっている場合ではなく、消費税は廃止しかないというのがれいわ新選組の現状認識だ。だが、それに少しブレーキをかけるものになったとしても、政権交代にむけて野党が一本化するためには減税でいいという立場をとっている」とした。

 

 5月31日に超党派の国会議員でつくる消費税減税研究会によるシンポジウム(ネット中継あり)を開くことを明かし、「財務省の洗脳による『緊縮』で頭が固まっている方々にも納得してもらえる内容の訴えをしていきたい」とのべた。

 

 現在までにれいわ新選組が衆院選擁立を発表している公認候補予定者は以下の20人。

 

 比例東京ブロックでは、北村造(いたる・東京2区)、中村美香子(東京5区)、高橋阿斗(東京7区)、辻村千尋(東京8区)、渡辺照子(東京10区)、櫛渕(くしぶち)万里(東京22区)の6氏。

 

 比例北関東ブロックは田島剛氏(埼玉2区)。

 

 比例南関東ブロックには、太田和美(千葉8区)、三井義文(千葉9区)、多ケ谷亮(千葉11区)の3氏。

 

 比例東海ブロックは、大池幸男(静岡2区)、安井美沙子(愛知10区)、菅谷竜(愛知15区)の3氏。

 

 比例近畿ブロックでは、八幡愛(大阪1区)、大石晃子(大阪5区)、西川弘城(大阪7区)、中辰哉(京都2区)、辻恵(兵庫8区)の5氏。

 

 比例中国ブロックは竹村克司氏(山口4区)。比例九州ブロックは、大島九州男氏(福岡8区)。

 

 さらに山本代表自身もいずれかの選挙区(または比例ブロック)から出馬することを明らかにしている。

 

 れいわ新選組は、各選挙区支部で地道な政治活動を続けるとともに、都議選後に全国的な街宣活動を再開することにしている。

 

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