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密着・れいわ新選組東海ツアー in 名古屋・四日市

 東海ツアーを展開中のれいわ新選組・山本太郎代表は、11月29日にJR名古屋駅太閤口、30日には三重県四日市市の近鉄四日市駅前で街頭記者会見をおこなった。SNSで発信される情報をもとに各地から集まってくるボランティアたちが整然と会場整理をおこない、山本代表が登壇して対話が始まると次次に質問の手が挙がる。国政や教育、生活にかかわる問題意識をぶつけ合い、白熱する生の論議に通行人が足を止め、たちまち群衆となる光景が各地で続いている。メディアを介して伝えられる数あわせの「野党共闘」や既存政局の枠にとらわれず、街頭から「本気」の力を融合し変革のエネルギーを広げている。

 

 名古屋駅前では、親子連れ、学生、中高校生、会社員、自営業者などさまざまな現役世代から高齢者まで、選挙中の演説会を上回る規模の人人が押し寄せた。寒風が吹くなか三時間に及んだ対話では、教育問題、日米関係、野党共闘の課題、消費税など幅広い質問が途切れることなく出され、山本代表と真剣な論議を交わした。れいわ新選組から参院選に出馬した安冨歩氏(東京大学教授)も参加し、教育に関する質問に答えた。

 

 「障害のある子の高校進学にとりくんでいるが、重度知的障害を持つ子どもの定員内不合格(定員割れなのに入学できない)の問題がある。また家庭環境が厳しく点数がとりにくい子、非行傾向にある子、外国にルーツがある子なども定員内不合格になっている。日本にいるすべての子どもの高校進学を保障してほしい」(女性)

 

 「障害者基本法が2011年に改正されながら、ともに学べる環境になっていない。医療的ケアが必要でも、重度障害があっても教育の機会が守られるようにしてほしい」(女性)

 

 「現政権が公文書をシュレッダーにかけたり、生活保護を引き下げながら税金を引き上げたのはなぜかと思って来た。山本太郎さんを総理にするために子どもでも協力できることはあるか。英語の民間試験が延期になったが、妹が進学する時期から始まるという。受験する高校生や先生が理解できないことを、なぜ政府と企業の利益のために教育が売り物にならなければならないのか」(女子中学生)

 

 「現政権の自民党がさまざまな問題を起こしているが、公文書が改ざんされている。どうすれば改ざんが起こらない政治にできるのか」(男性)

 

 「CSISや国際金融機関などの組織に圧力をかけられて自民党の売国政治がおこなわれていると思う。こういう組織の圧力とどうたたかっていくのか」(男性)

 

 各世代からの質問に対して山本代表は丁寧に答えながら、「桜を見る会があってもいいし、高額納税者にお礼をいう会をやってもいい。だが実態は自分たちの支援者ばかりを酒食でもてなし、その原資は税金という無茶苦茶な話だ。だがこれはほんの氷山の一角。消費税を法人税を減税する穴埋めのために上げたり、大企業側から票やカネをもらっている集団が国会で過半数になると大企業を優遇する税制にする。労働法も壊して企業側のコスト削減に協力し、そのしわ寄せを働くみなさんが受けている。ここまでひどい私物化をする政治家は退場させなければならない。緊張感が失われた政治を放置すれば、国は壊れなくてもこの国に生きる人人が壊されていく。そして政権交代を実現したとしてもその政治を監視し、国民の力でコントロールする強い意志が必要だ。官僚も20年間衰退し続けた国を復活させていくためにその力を使うべきであり、それを指導できるような行政府の長を誕生させることが必要だ」とのべた。

 

 また「日本は米国様がいうことにノーといえない植民地だ。イラクに米国が侵攻するときにも大量破壊兵器があるという証拠もないのに日本は率先して賛成した。そんなことがかずかずある。例えば“横田ラプコン”のように日本の空も米軍が管制圏を握っている。北方領土問題でも米国の許可がなければロシアと交渉すらできない。これが独立国だろうか。この現実を共有し、この国をどうしていくべきなのか一人一人が考えなければならない。“大きな変革などできるわけがない”といってその枠の中で旨みを享受している勢力とのたたかいだ。旧勢力vs新勢力だ。この国を本気で守っていく気概があるのなら、この関係を変えなければならない。そのためにも消費税という身近な問題を入り口にこの国の現状を知ってもらいたい。そして国民世論が強固な塊になったならば、日本の主権をとり戻し、対等な外交をすることにつながる」と強調した。

 

 また、今後のたたかい方をめぐる質問に対しては「政権交代を目指す野党の共通政策として消費税5%を投げかけているが、今のところ野党側からの反応は鈍い。ある議員からは“立憲があまりにもひどい。たたかうふりをしてたたかわない道を探し続けている。官邸と思惑が一致している”とのメールも入っている。本気でたたかう人たちは怒っている。野党が消費税5%すら呑めないのであれば私たちは独自でたたかう。比例ブロックでの当選をするためには効果的に小選挙区にも候補者を立てることになる」とのべた。

 

 安冨氏もマイクを握り、「れいわ新選組は山本太郎一人で走り回っているようなものでいわゆる組織がない。私も太郎さんと考え方が違っても、彼が作り出す力によって立候補もできた。その目的は彼を支援するためでもあるが、山本太郎の力を使って、自分のやりたいことをするためだ。これが既成政党とはまったく違う。みなさんもなにかを実現してくれるのを待つのではなく、一人一人がこの力に乗って自分が望む社会を作るために踏み出してもらいたい」と呼びかけた。

 

 30日の近鉄四日市駅前では、子どもを連れた親たちの姿が多く見られ、生活実感とあわせて消費税廃止や最低賃金1500円を求める声や、原発事故による被曝の問題、環境問題、不登校児の居場所の問題、また「政治を信じられない。民主党の普天間基地移設や消費税、自民党のTPPなど、これまで既存政党は政権をとった後に公約を覆してきた。これらの公約を実現するために受けるさまざまな圧力とどうたたかうのか」との質問も飛んだ。

 

 山本代表は「政治は信じるものではなく、みんなで監視して動かしていくもの」とのべ、あらゆる障害や圧力も公開して有権者と結束してたたかっていくことを約束した。2時間を超える対話の後、それぞれがボランティアとなって輪を広げていくためにポスターやチラシを持ち帰った。

 

奮闘するボランティア 新しい力を各地で結集

 

 各地の街頭記者会見には数十人規模の地元ボランティアが集まり、献身的に会場運営に徹している。

 

 数時間前に会場に集まって道行く人にチラシを配り、街頭演説が始まるとポスター配布や寄付の受付、さらに点字ブロックや通行を妨げないように案内板をもって動線を確保する。幼い子どもを連れた母親、学生、社会人、中高校生の姿も見られ、それぞれが熱い思いを胸に秘めながら活動している。

 

 名古屋で生後4カ月の子どもを抱えてチラシ配りをしていた31歳の母親は「原発事故が起きるまでは無関心層の一人だった。でも母が広島の被爆二世でもあり、政府が安全といっていることが“安全ではない”と教えられた。食の安全を調べていくと裏に隠されている事実をたくさん知り、自民党の政治に疑問を持つようになった。今は子どもを産み、少子化問題、年金問題など将来の日本社会に希望が持てない現状を変えたい、自分が変える一人になろうと思って参加している。以前は山本太郎さんを生理的に受け付けなかったが、今は夫も一緒に家族で支援している」とのべた。

 

 また「同世代では“働いて給料や年金をもらえているだけでいい”と考えている人も多いが、与えられる権利も給料もどんどん先細りしていることはみんなが感じている」という。「参院選のときは嫌われるのを覚悟で知人にSNSや直に呼びかけて、家主さん一家など知る限りで10人が投票してくれた。メディアが規制するのなら地道な一人一人の力が大事だと思う。みんながそれをやっていけば必ず政治を変えられることを信じて頑張りたい」と笑顔で語った。

 

 同じく高校生の子どもを持つ女性は「“信者”と揶揄する人もいるが、私も最初から山本太郎さんを支持していたわけではない。でも原発事故後、東京で放射能から子どもを守るための署名や陳情活動をするなかで国や議会にまったく誠意がないことに突き当たり、政治を変えなければ子どもを守れないと感じ、私たちの代弁者として献身的に動いてくれる太郎さんを国会に送りたいと思うようになった。子どもの体調を心配しながら生活することが辛くなり、2年前に家族で名古屋に転居したが、2カ月前から他のボランティアさんと一緒にれいわのポスター貼りを始めた。知らないお宅のインターフォンを押してお願いするのは勇気がいるが、高齢者の方は戦争中の話を聞かせてくれ、“二度とあのような経験をさせてはいけない”と訴えてこられる。活動からたくさんの出会いが生まれ、今はここに希望があると感じている」と話した。

 

 名古屋駅前でチラシを配っていた男子高校生は「両親から山本太郎さんの話を聞き、太郎さんを特集した映画を見てこの国が壊れていると感じるようになった。今騒がれている桜を見る会、モリカケ問題……嘘や隠ぺいでごまかす政治は独裁国家だと思う。大企業から組織票をもらって国民の生活を考えない政治家は、政治的スタンスというよりも人としての仕事に対する姿勢に問題があると思う。許せないという気持ちがあるし、そこで裏表なく頑張っている太郎さんと一緒に自分もやりたい」と話した。

 

 初めて浜松駅前でチラシ配布に参加した20代の女性は「大学の先生が東京でボランティアをしていることを聞き、私にもなにか世の中を変えるきっかけがつくれたらと思って参加した」という。「私は母子家庭で、祖父母がアルツハイマーになっていることに気がつかないまま祖父の糖尿病が悪化して危篤状態になった。母が一人で介護をして精神的に追い詰められ、私は留学を断念して地元に帰ってきた。介護の問題で同じように困っている人がたくさんいると思うし、それをみんなで共有することがなければ苦しさを解決できないし、政治も変えられない。変えたいと思うだけではなく一歩踏み出そうと思った。いわゆる政党組織のように固い団体かと思ったら、普通の人たちがやる気で集まって緩やかに協力しあっている。例えれいわを応援してくれなくても、政治を考えるきっかけになることが一番大きなことだと思う。人が笑顔になる明るい社会をつくることで自分の夢も叶えやすいことを伝えていきたい」と語った。

 

 幼い娘を連れて参加した夫婦は「与党がおかしなことばかりしているが、野党も含めて国民に目が向いていない。現状では私たちの声を代弁してくれるのは山本太郎だけだと思っている。既存の野党に気兼ねすることなく独自でやっていくスタンスがまともだと思う」「夫はトラック運転手をしているが、妻の私は障害を持っているため時給が最低賃金以下の560円。娘も障害があるので、保育無償化になったとたんに待遇が悪くなり、毎月1万7000円の保育料がかかる。朝から晩まで共働きでも子どもを育てるだけの収入が得られない。みんなの思いを声を大にして伝えていきたい」と話していた。

 

 「ずっと国会での山本太郎さんの活動を見てきて、その真剣さに共感している。自民党政治を変えたくても、野党側も“隠れ自民党”ばかりに見える。れいわ新選組を独自で旗揚げしたときに、応援するしかないと思って寄付やポスター貼りをしてきた。自営業者だが消費増税後に取引先が商売をやめたり、地域全体の経済が落ち込み、トータルで考えなければ自分の商売だけよくなることはない。一人では大したことはできなくてもみんなで繋がっていけば大きな力を生み出せる」(子ども連れの父親・名古屋)

 

 「これまで政治は金持ちの世界の話と思ってきたが、太郎さんが参院選後の会見で“おかずの一品を減らして私たちに寄付をしてくれた…”とお礼をいっている動画を見て衝撃を受けた。こんなことをいえる政治家は他にいない。その後の動きを見るにつけ、自分たちの代表だと思えるようになった。私の生活は3人の育児と親の介護を抱え、国の制度の壁にぶち当たることばかりだ。頑張っている人がいるのに無関心であることが最大の罪と思うし、今はドキドキしながらも少しずつ周りに話を広げている。その思いを背負った政治を実現しようとする太郎さんに力をもらっている」(母親・四日市)

 

 れいわ新選組の全国ツアーは、働く無名の人人の充満する思いと相互に結びつきながら、干からびた「永田町の論理」を覆すエネルギーを全国各地で結集している。

 

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この記事へのコメント

  1. 福井雅美 says:

    長州新聞さん、れいわ新選組の記事、いつもありがとうございます!いかなる権威にも屈することのない姿勢に感動し、応援しています!
    定期購読したいけど、子育て中だし、消費税は上がるし、給料の予測もつかないので、残念ながらできませんが、
    山本太郎が総理になったら、お金の心配が減って、定期購読もできると思っています。

    • たーたん says:

      同意します!
      現在の、人気やなんとか節だけでうまく言い逃れ
      ている人たちに安易に投票することのないように、
      山本さんのような膨大な資料に基づいて、
      具体的に庶民が解るように方向性を示して
      くれる人に投票すべきと早く日本人が目覚めて
      ほしい。

  2. ししとび says:

    山本 太郎さん是非政権を取って、総理になって下さい‍♀️

  3. ムラカミノブアキ says:

    太郎氏も言ってるように、国民の意識が変わると政治が動き、国も変わる。政治に無関心の大多数は、自ら首を締めてることに気づくでしょう。やっと本物の政治家が出てきた。貴社は本物のマスコミ、他社はゴミ。頑張って下さい。

  4. 平松理恵 says:

    長周新聞さん、遠路はるばるれいわのことを取り上げていただいてありがとうございます!国民があきらめることなく、主権を主張して増長する権力を監視することが、重要になってくる中、素晴らしいジャーナリズムに感服いたします!

  5.  写真を見るだけでも、大勢の方々に「どんだけー!」と驚きますね。
     ポスボラ頑張りましょう。歩きに歩いて、やっと貼らせてもらって大喜びしているのもつかの間、「あのポスター、はがされてた」と後で知らされ、がっかりすることがあります。大阪は、維新が強いので、維新と間違えて、ニコニコして了承してくださり、貼る段階になって、「どこの党?」と不信感いっぱいで言われ、「すぐ剥がしてもいいかな?」と言われたりします。それでも、あるボランティアの男性が、駐車場があると、そこに掲示してある所有者の電話番号をメモして帰り、電話してお願いする方法で、50枚以上貼らせてもらえたお話をされ、すごい!と思いました。工夫も必要ですね。
     長周新聞さん、私も後期高齢者の年金暮らしで、定期購読をするべきかどうか熟慮して(?)やっと決断しました。よくお分かりだと思いますが、若い方々は、私たちよりもっと心もとない日々を送っておられる方が多いです。消費税がゼロになったら、れいわ応援団は、こぞって長周新聞を定期購読させていただきますから、そのときまでお許しくださいね。
     

  6. 佐々木洋美 says:

    浜松・名古屋と追っかけしました
    長年地元の反貧困の分野で関わってきて知り合いにも声かけたんですけどね
    れいわ推しを公言する人のみなのが寂しかったです

    皆さん忙しいのは分かってるけど
    次回はもっと拡がりますように!
    楽しみにしてます

  7. 山本太郎さんのおかげで、子どもが政治に興味をもつようになりました。
    始めのうちは遠巻きに見ていた旦那も、ついに名古屋街宣に子どもと参加しました。
    私自身はボランティアとして参加しました。

    名古屋街宣で質問をした女子中学生の母親、長周新聞購読者です。

    まだまだ続く山本太郎全国ツアー取材、頑張ってください!

  8.  長周新聞さん、お疲れさまです。私も11月29日名古屋駅頭に集まった群衆のうちの一人でした。
    この流れを奔流にして悪徳政治を一掃したい、そう願っています。
    それにしても、悪党をここまで見逃してきた野党って何なんでしょうか。とはいえここにきて、本物か偽物かが透けて見えてきたのは間違いありません。今はただ山本氏の活動がぎりぎりでも間に合ってくれるよう祈るしかありません。私もできることはする。
    私どもの残飯を漁っている今を活きる人たち、心から申し訳なく思います。不憫です。こんな世の中しか残せなかったのは私たち世代の責任でもあります。生きるに値する世の中を創りたい!
    / 気持ちだけ寄付(些少、でも実力)を時々…。

  9. 大上 隆 says:

    長周新聞さんの岡○様、先日の四日市駅前での街頭記者会見の時は有難うございました。
    そしていつも“れいわ新選組”+“山本太郎”の事を記事にして頂き、大変嬉しく思っております。
    変な言い方になってしまったらごめんなさい。本来長周新聞さんのされていらっしゃる報道は、公平であり真実を伝えて下さっていると思うので、報道・マスコミのあるべき姿であろうと思います。
    しかしながら、だからこそ今の日本の置かれている状況に、非常に危惧している国民の1人です。
    この後、長周新聞さんの定期行動申し込みをしたいと思っております。少しばかりではありますが、お手伝いが出来ればと思っております。
    これからも今の精神を忘れずに、頑張って頂きたいと思っております!!

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