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告知なしのゲリラ街宣で全国駆け回る れいわ新選組 候補擁立地域で訴え

 れいわ新選組が、関東、中国、近畿、東海の各地方で連日ゲリラによる街頭記者会見を実施している。コロナ禍を考慮し、街頭活動を自粛していたが、「年内解散」の可能性もとり沙汰されるなかで、街頭で有権者と直接繋がりをつくり出していく原点に回帰して全国を駆け巡る。今回は公認候補予定者が決まっている選挙区に重点的に入り、消費税廃止などの基本政策とともに、コロナ収束まで1人あたり毎月10万円給付などを盛り込んだ「コロナ」緊急政策を提案し、1カ所2時間以上に及ぶ長時間、高熱量の街頭活動を展開している。

 

下関駅前でのゲリラ街宣(9月18日)

 8月まで主に東京都内でおこなっていたゲリラ街宣は、9月9日から神奈川県の橋本駅前、藤沢駅前、千葉県の柏駅前、四街道駅前などで実施。9月18日に山口県の下関駅前【本紙既報】でおこなった後は、1日あたり昼夜2カ所にペースを上げながら北上し、19日には兵庫県の姫路駅前山陽百貨店前、三宮神戸マルイ前、20日は元町駅東口前、JR尼崎駅北口前で実施した。

 

 21日には大阪府に入り、ヨドバシカメラマルチメディア梅田前、難波・大阪高島屋前、天王寺駅前、吹田駅中央口、東梅田、阪急三国駅東口、京橋駅前と立て続けにおこなった。25日からは愛知県の尾張一宮駅東口、豊橋駅前、金山駅前、27日は静岡駅前、28日は東京・後楽園駅前、29日は埼玉・川口駅前でおこなった。

 

 とくに5日間連続7カ所でおこなった大阪府内では、11月1日に大阪市が2度目の住民投票を予定している「大阪都構想」について掘り下げて討論した。

 

大阪都構想の実態 中央集権進め市の権限奪う

 

 大阪都構想について山本氏は、2011年に橋下徹大阪府知事(当時)がのべた「大阪市が持っている権限、力、お金をむしりとる」との言葉を紹介し、現在ある24区を再編して4つの特別区に統合する構想であるため、政令指定都市である大阪市は廃止されることを強調。

 

 「まるでいいことのようにいわれているが、基本的に大阪市民から集めた税金を使って、大阪市民や市内で仕事をする人のために働く大阪市が消滅することを意味する。新しくつくられる四特別区の上に立つのは大阪府だ。橋下元知事の発言通り、市のために使われるはずの財源や権限が、大阪府に移譲される。自主財源である市税の4分の3を府に召し上げられ、地方交付税交付金も府に入る。そのため大阪市の歳入が約8600億円あっても、特別区になれば約2000億円も府に“カツアゲ”される。大阪市は都道府県と同レベルの政令指定都市としての権限を手放すことになる。日本第二の都市・大阪が衰退することは日本全国を衰退させる。反対するしかない」とのべた。

 

 大阪5区候補予定者の大石あきこ氏(元大阪府職員)もマイクを握り、「大阪の成長を止めるな」(大阪維新の会)といわれているものの、GDP(総生産)や一人あたりの府民所得を見ても、大阪府は他の主要都市と比べても低迷が続いていることをデータをもとに説明し、「都構想の住民投票は、現在の大阪市を廃止し、自治体のなかで最も権限の低い特別区に分けることの是非を問うものだ。それによって市民サービスが向上するといわれるが、例えばコロナ対策における国の補正予算による国庫補助事業でも、政令指定都市であればみずから確保できるが、特別区になればその権限を失う。統括する大阪府が職員不足で手が回らなくなっても、市はそこにアクセスできない。そして大阪市から吸い上げた巨大な財源を、IRカジノなど中央の大資本や外資のインバウンド開発事業のために使おうとしていることが最大の問題だ」と指摘した。

 

 また、府市のトップを握る「維新」行政が「二重行政の解消」「無駄の削減」といいながら、衛生研究所や公立病院の統廃合や民営化を進めてきた経緯に触れ、「市民にとって必要なものが削られるなかで、コロナ感染が広がり、病院が足りず、保健所もパンクする事態になっている」と警鐘を鳴らした。

 

 山本氏は、かつて東京府・東京市であった東京都が、戦時体制下の昭和18年に人口の8割を占める東京市の権限や発言力を奪うために都制を敷いて35区に分割再編した歴史に触れ、「力を持った自治体を弱体化し、中央集権にするための制度であり、現在の東京23区の区長たちは限られた財源や権限のもとで“特別区制度を廃止してくれ”とずっと訴えている。そんな時代遅れのことを今やろうとしているのが大阪都構想だ」と訴え、「政令市である大阪市は特別区に格下げされることで上下水道の整備や管理運営権、消防、産廃施設、市場などの都市計画決定などの事務権限を失うばかりでなく、教育、医療、住民生活、まちづくりにいたる膨大な権限を失う。それによってカジノに絡む都市計画の用途変更も府の権限になる。自主財源の4分の3が府税に移譲されるため、住民サービスも、特別区に移行後は“お金があれば維持する”という話になる」と解説した。

 

 そして「財界の意を汲んだテレビが吉本興業とタッグを組んで、都構想があたかも大阪市民にとっていいことのように宣伝している。しかし、大阪の実態は府民所得も上がっていないし、むしろ政令市の中では低い推移が続いている。大阪市の生活困窮者自立支援事業の相談窓口への相談件数は、4~6月の3カ月だけで去年1年の相談件数(8856件)に並ぶという異常事態だ。ただでさえパンク状態の自治体行政を無理矢理に分割再編することは、この混乱をさらに深刻にするだけであり、市民の危機につけ込んだ火事場泥棒的な政策だ」と訴えた。

 

各地で生の声拾う コロナ苦境の具体的な意見

 

 街宣参加者からも都構想に対する疑問点とともに、「ミナミの飲み屋街が苦境にあり、当店も前年度の3分の1以下しか売上がない。倒産ではなく廃業する店が多く、うちのビルも100軒の入居テナントの3分の1が閉めている。はじめはコロナを無視して経済を回せと思っていたが、同業者の友人がコロナに感染して1週間で亡くなった。朝方に容態が急変して2、3時間後に亡くなり、泣くに泣けない状態だった。経済に財源を投入し、中小企業を助けてもらいたい反面、たとえ経済を止めてでもコロナから人々を守らなければいけないというジレンマもある」(飲食店経営者)など切実な意見が語られた。

 

 れいわ新選組は「大胆な給付と徴収の免除こそが最良の処方箋」と訴え、エッセンシャルワーカーや中小零細企業への生活保障とともに消費税をはじめとする各種税金の減税などの中心政策を提示し、「自己責任社会ではなく、国民の窮状を救う政治を実現させよう」と呼びかけている。

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この記事へのコメント

  1. パステル says:

    10月3日夕方の梅田の街宣に立ち寄りました。わたし自身の体調が良くなかったので1時間ほどで帰宅しましたが、寄付と消費税廃止の署名も出来て何より久しぶりに太郎キャラバンの姿を見ることで元気が出ました(*^^*)
    外野の声は色々あれど、タロウさんの見据えてる先はちっとも変わって居ないと思いました。
    涼しくなってきて街宣日和の気候ですが、スケジュールを見るからに怒涛の激務。。都構想後の悪夢を思えばこその活動だとは思いますが、どうか健康だけは気をつけて下さいね。

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