いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

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50万円に目が眩んで…

 週刊文春に贈収賄スキャンダルを暴露された甘利明(経済再生担当相)が詰んでいる。「1週間以内に記憶を確認して話ができると思う…」「秘書に確認してみる…」等等、歯切れの悪い釈明に追われ、大臣室で自分がポケットにしまった50万円について覚えていないのだという。ところが記憶を呼び起こすのに1週間もかかるような男が、健忘症疑惑や守銭奴疑惑を払拭しないままダボス会議に出かけて金融政策を論じたり、TPP署名式に出向いたり、国の運命を決定付けるようなことをしようとしている。
 一連の報道から浮き彫りになったのは、千葉市の企業が独立行政法人都市再生機構(UR)がおこなっている道路工事に難癖をつけて補償を求め、その口利きを甘利事務所に依頼したこと、大臣室で本人自身が50万円入りの封筒をもらっていたことだった。過去3年にわたって業者が甘利事務所の秘書や大臣に渡したカネは1200万円に及び、会話などの録音記録を50時間以上も保存していること、渡す前に万札をコピーして番号を記録していたことも明るみに出た。動かぬ証拠を出されて揺さぶられ、次に何を暴露されるのか戦戦恐恐としているのが甘利側で、1200万円の代償は相当に高くつくことを予感させている。業者側もプロであることを伺わせる事件である。
 驚かせるのが自民党で、副総裁の高村正彦が「罠を仕掛けられた感がある。その罠の上に、周到なストーリーがつくられている」と発言したり、「大臣室で秘密に録音するのは犯罪だ」という擁護論まで飛び出している。罠であれ何であれ、引っかかったのは甘利明であって、目の前にぶら下げられた虎屋の羊羹と50万円が欲しくてたまらなかったのだからどうしようもない。はしたないのだ。
 2012年の自民党総裁選で安倍選対の事務局長をつとめ、その後は大臣になってTPP交渉を担当し、アメリカにみな譲歩して国益を売り飛ばしてきたのが甘利明だった。50万円に目がくらむような男が政府交渉を担い、いったい何円を守ろうとしたというのだろうか。数十億円の贈収賄というならまだしも、小汚い印象だけを残して「安倍政府の懐刀」とやらが消えようとしている。                                         吉田充春

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