トランプが例の如く重要演説で大言壮語を吹きまくっている一方で、アメリカが48時間の停戦を求めたのをイラン側が拒否したことが報じられた。表向きは「勝った! 勝った!」「石器時代に逆戻りさせてやる」「イランの空軍も海軍も壊滅させた」「私たちは完全な制空権を握っている。私たちはテヘラン上空を飛べるし、彼らは何もできない」などと大きなことをのたまいながら、F15やブラックホークをはじめとしたアメリカの戦闘機やヘリが次々と撃墜され、裏では時間稼ぎのための「停戦」を求めているのである。イスラエルとアメリカの側が不利な戦況にあるからこその「停戦」要求であり、一方的な侵略攻撃にさらされてきたイラン側が拒否するのは当然である。周辺国の米軍拠点もミサイル攻撃をくらって機能不全という報道もあり、イラン側のかつてない反撃にあって身動きがつかない状態に追い込まれているのはアメリカなのである。
トランプの大言壮語に一貫性がなく、嘘やはったりを用いたこけおどしや見栄張りばかりというのは今に始まったものではない。重要演説も結局のところ中身は空っぽの自画自賛だった。直後に原油価格は高騰し、株価は急落し、戦闘の長期化すなわちアメリカが泥沼に引きずり込まれていくことを懸念した動きが広がった。突然始まった今回のイラン攻撃は、イランとの核合意が交渉によってまとまろうとしていたのを自らぶち壊すものだった。ハメネイ夫妻やイラン革命防衛隊の幹部たちを殺害し、体制転覆を煽ったが思い通りにはならず、逆にイラン側が断固とした祖国防衛戦を展開するなかで、追い込まれているのはトランプなのである。
ベトナム戦争からこの方、戦争の泥沼状態から抜け出せなくなった間に膨大な戦費が費やされ、財政赤字が膨らんでパンクしてきたのがアメリカであり、最後には無様な撤退をよぎなくされるというのはアフガンを見てもそうである。ベトナム戦争のサイゴン陥落も象徴的である。どんなに貧しくて軍事力の乏しい国であっても、屈服しない限り侵略などできず、侵略者は叩き出される。イラン側が毅然と対抗していることで目論見は外れ、アメリカ国内でも戦闘不支持が圧倒して「NO KINGS」の大衆行動が熱を帯び、中間選挙にも波及していく流れである。国際法違反も甚だしい今回の軍事侵攻は世界各国もさすがに批難を強め、距離を置き、アメリカに追随する国などほとんどいない。そうしてイスラエルとアメリカだけが浮き上がり、世界から孤立していく契機にもなっている。何度もいうように、追い込まれているのはトランプなのである。
目下、世界各国はホルムズ海峡をタンカー船が通過できるか否かで揺れている。戦争の当事国でないインドや中国、タイの船舶が通過できたとか、商船三井のタンカーが通過したとかのニュースが連日のように飛び交い、原油やナフサ、飼料がどうなっていくか輸入依存の国ほど気が気でない心境で見守っている。それもこれもトランプのせいで引き起こされたもので、イラン攻撃前はなんら問題なくホルムズ海峡は開かれ、各国の船舶が安全に往来していたのだ。
世界中が振り回されてきたが、大義なきイラン侵略について世界各国が連携してアメリカとイスラエルに即時撤退を求め、いまやヤクザまがいの大暴れをくり広げる両国を制裁するような措置が必要である。“ならずもの国家”に対して国際法違反へのけじめをつけさせ、破壊の限りを尽くしたことに対する戦後賠償をきっちりとさせることが国際秩序を保つうえで欠かせない。
吉田充春

















