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とち狂った「イラン攻撃」

 トランプがベネズエラに続いてイランにも武力攻撃をしかけ、イスラム教シーア派の指導者だったハメネイ師や革命防衛隊のリーダーたちを暗殺する挙に及んだ。「イランの愛国者よ立ち上がれ!」などと身勝手に叫んでいるものの、国際法もなにもあったものではない他国の政治リーダーをある日突然斬首するという狂った振る舞いに、世界中が震撼している。国際秩序とか「法の支配」などと綺麗事を並べてきたこれまでの常識から一変して、米国議会の承認もなにも関係ない、トランプの一存でよその国の大統領を拘束したり、気に入らない宗教指導者を殺したり、俺様ルールでとち狂ったかのような世界が立ちあらわれているのである。

 

 さすがに欧州各国も非難声明を出すなか、日本政府の大臣どもだけが早々にトランプ支持を表明して、世界から浮き上がっている野蛮国家イスラエル、アメリカと一蓮托生の道を行こうとしているではないか。地獄の沙汰もアメリカ次第というのか、ホルムズ海峡で何かことがあれば自衛隊が駆り出されて巻き込まれかねない危険性すら伴っており、どこまでもアメリカの犬をやりかねない高市政権のもとで事態は極めて緊迫している。親日国家として歴史的に関係を切り結んできたイランと、宗主国であるアメリカの狭間でどのように振る舞い役割を果たすのか、日本政府には慎重な姿勢こそが求められている。明確な国際法違反に対して口を濁すのみならず、こうした斬首作戦を是として容認し、いわんや対イランの武力攻撃の一員として首を突っ込むなどあってはならない愚行である。親日感情が強いことで知られてきた中東の国々からの信頼を失い、一方的にアメリカに与することで敵視の対象となるなど、国益を手放すのに等しい行為である。

 

 いまや自由とか民主主義を標榜してきた側がとんでもなく狂った状態に置かれている。その象徴がパレスチナ人を殺戮しまくるネタニヤフであり、アメリカのトランプである。国連などあってないような飾り物と化し、米国では議会の存在感すら消え失せて、違憲判決が出た関税にせよ他国への武力攻撃にせよ、正当な理由などなくても好き放題に俺様が権力を振り回し、欲望をむき出しにしてやりたい放題ではないか。その姿はまさに西側諸国が日頃から批判してきた独裁者である。

 

 イスラエルでは極右に支えられたネタニヤフが内憂外患で追い込まれた状況のなかでパレスチナ総攻撃という前代未聞の武力攻撃に乗り出して政権基盤を延命し、アメリカではエプスタイン文書でトランプ支持層のなかでも批判が高まるなど国内が騒然としているもとで、まるで矛先をそらすようにして今回のイラン攻撃がやられた。イランの独裁者を打倒したと誇るトランプこそが独裁者であり、歯止めとなる力が世界のどこからも及ばないという異様な状況のなかで事は進行している。「グリーンランドはアメリカのものだ」「パナマ運河もアメリカのもの」「メキシコ湾ではなくアメリカ湾だ」等々、すべてアメリカのもので従わない国は高関税で制裁を加える、大統領を拉致する、宗教指導者を暗殺するというデタラメさである。野蛮で強欲なアメリカの本性をトランプが隠すことなく披露しているだけともいえる。

 

 辛抱し続けてきたイランのみならず、中東各国がイスラエルとアメリカの横暴についてどう対峙していくのか、グローバルサウスはじめとした世界の国々は国際秩序なき状況のなかでこれとどう向きあうのかが問われている。トランプが映し出しているのは世界覇権の座から転落していくアメリカのあがきであり、落ちぶれていく様でもある。

 

武蔵坊五郎                    

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