いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

文字サイズ
文字を通常サイズにする文字を大きいサイズにする

駅前開発で客は増えるのか?

 駅前再開発が大はやりである。長崎でも新幹線を引き入れる話とセットで、県が県庁舎移転を中心にして1000億円もかけた再開発計画をごり押ししている。ところで立派な駅をつくったら客は増えるのか。長崎は観光地であるが、県庁舎や駅を見物に来る観光客はいない。県庁舎や駅を立派にする前に長崎に用がある人を増やす努力をするのが前提である。需要がないのに大金をかけて物をつくり、結局破たんする。これが現在の金融恐慌の教訓である。長崎の駅前開発は、リーマン・ショックのずっと前に計画されたもので、失敗の教訓のあとにあえて失敗しようというものだ。
 この駅前再開発は、浜町に来ていた客を駅前に流れさせるというものではない。長崎市、長崎県全体を衰退させ、「立派な県庁舎と駅に、減った客」という結果にならざるを得ない。これをもっともやりたがっているのは自治体にノーリスクの巨額融資をし、駅前の不動産バブルでひともうけをはかる銀行である。そして旧国鉄以上に親方日の丸で自治体に金を出させるJRであり、建設に関わるゼネコン、そして利権にありつく政治家などしかいない。一部の者が食い物にするだけで、残されるのは乱立したガラガラマンションである。駅前バブル計画をやる政治が県財政を食い物にし、長崎を寂れさせる関係である。
 長崎の街は、水産と造船という産業による現金収入が全体に回って成り立ってきた。県庁や駅からカネが生まれて回っているのではない。その産業がつぶれたら長崎の街はつぶれるほかはない。世界は食糧危機で10億人もが飢餓人口となっている。アジアの工業化といわれるが、それはアジアの穀倉地帯をつぶすことであり、食糧危機がますますすすむことである。それは日本の農業とともに水産業が間違いなく大きな意味を持つことである。漁業は競争力がないのでつぶれても仕方がないといっているわけにはいかない。
 長崎がつぶれないためには、この貧乏な時代に豪華な県庁舎をつくったり、駅前開発などというバブル計画などやめ、何が何でも水産や造船という産業を保護し振興する方向に行政の力を尽くす以外にない。
                                      那須三八郎

関連する記事

  • 中尾市長の複式簿記観念  下関市中尾市長が「市職員以外見せてはならない」、本紙に漏れたら犯人探しという秘密の「市長通信」で、またまた本紙の記事をめぐってエキサイトして […]
  • 工場閉鎖は仕方ない事か  下関の彦島西山地区は三井東圧、三井化学、彦島(三井)製錬など、三井資本の80年にわたる牙城であるが、三井金属の子会社MCSが工場閉鎖を発表し […]
  • 下関市議会が全国モデル?  下関市議会の関谷博議長がなんのはずみでか全国市議会議長会の会長になることが決まったと報道されている。下関市議会が全国の市議会のモデルとなるわ […]
  • 市長批判に腹を立てる議員  下関市議会の総務委員会で、本池議員が市立大の工事の疑惑問題と、旧郡部の救急車と職員を増やさないのは殺人政治だと発言したことに対して、議会で大 […]
  • 色あせた議会制民主主義  野田政府が内閣改造をした。岡田克也を副総理にして消費税増税をなにがなんでもやる態勢だという。衆議院選挙の公約をみな破棄して、TPPにせよ、普 […]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。なお、コメントは承認制です。