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就任半年で寝てばかりの下関市長 なぜ叱る者がいないのか

市長になっても「居眠り晋ちゃん」でよいか

 

 下関市の前田晋太郎新市長は、市議時代から議場で寝ない日はないことから、「居眠り晋ちゃん」という異名をとっていた。市長になって半年だが、あいかわらず毎日といっていいほど寝ている問題について、「まず居眠りをどうにかするべきだ」という声が、市役所をはじめ選挙に協力した市民のなかでも高まっている。


 前田市長は市議時代、議員が一般質問等をおこなう席の後ろに座っていたため、毎回寝ている姿がモニターに映り込み、「毎回寝ているこの議員はだれだ?」と話題に上ることもしばしばだった。しかし激戦の市長選をかつかつ制した後は、「市長席は執行部の最前列だから、さすがに寝ないだろう」と思っていた人も少なくない。ところが定例議会が始まると、本会議場の最前列で寝てしまうし、委員会の場でも寝てしまう。


 様子を観測している人人によると、仲のいい議員が質問するときには、いきいきとした顔で起きているものの、仲の悪い議員や自分と意見の合わない議員が質問するときは、興味がないのか寝てしまうという法則もあるようだ。


 「リーダーがかわれば町は変わる!」「下関を希望の街に!」と、はちまきを巻いて叫んだ市長選からわずか半年での「居眠り晋ちゃん」復活に、市役所内の年長者たちも「市長になってしばらくは我慢して起きていたのにね…」「どうしたものか」と困り顔だ。


 41歳の前田市長にとって、議場にいる市議や執行部の多くは年上であり、道徳上も敬うべき面面だ。目上の人を前に居眠りをする行為そのものが、「ぞうきんがけの足りない人間の振舞だ」と評されるのも仕方ないことである。本来は先輩議員たちが「議会の冒涜だ」と怒ってもいいはずだが、叱るどころか一緒に寝ている。


 なぜこれほど緊張感がないのか、下関市議会のあり方に検討を加えることが求められている。


 下関市議会は自民党3会派が大半を占め、一時的に対立しても形成不利と見なせばするりと与党仲間に戻る体質が、前議長を筆頭に染みついている。二元代表制ではなく一元代表制を真顔で実行している議会といえる。その結果、執行部も議員もみんなして緊張感なく寝ている。それを叱る者が誰もいない。


 9月定例会最終日の9月28日には、「第5回巌流島決戦ボウリング大会―市議会議員執行部親睦ボウリング大会」(実行委員長・田中義一)を、東大和町の下関ロイヤルボウルで開催した後、シーモールパレスで懇親会を開いていた。数日前に、議場で市長を追及していたはずの市議が、ちゃんと景品のどら焼きを執行部と市議の人数分準備してきたり、議会終盤は議論よりも親睦会の準備に勤しんでいる。


 二元代表制の一方を担う市議会が、「市長との緊張関係を保持しながら、真の地方自治の実現に邁進していく」(下関市議会基本条例前文)本分を忘れ、長期に馴れ合ってきたことが、市議会の議論を緊張感のないものにしている一因だろう。


 どちらにしても市長が居眠りを我慢できないなら、下関市議会は特例に午後1時開会をくり下げて、昼寝をして臨むなり、隣に座っている三木副市長が肘で突いて起こすなり、居眠りせずに議論する体制や議会ルールをつくることが必至となっている。「豊前田で行きつけの○○○○○○○○に通う時間があったら家に帰って寝ることも仕事の一つ」という声もある。この際「市長は市議会で居眠りをしてはならない」という条例をつくる運動をしてはどうかという声が、市民のなかで高まっている。

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