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「前田建設工業は下関から撤退せよ!」 安岡沖風力に反対し5回目の大規模デモ

「風力反対!」と唱和しながら進むデモ隊(9日、下関市)

 下関市の安岡沖洋上風力発電建設に反対する会は9日、5回目となる風力反対デモ行進をJR下関駅周辺でおこなった。この冬一番の寒さとなったこの日、安岡地区をはじめ市内各地から約800人(主催者発表)が集まり、「洋上風力発電建設に反対しよう!」「前田建設工業は下関から撤退せよ!」と腹の底からのシュプレヒコールを轟かせた。前田建設工業が環境調査を妨害されたといって住民を訴えた訴訟で、4月には山口地裁下関支部が住民4人に損害賠償524万円の支払いを命じる判決を、10月には山口地裁が住民に懲役1年・執行猶予2年などの刑事罰をいいわたす判決を下したが、「国策を忖度する不当判決には負けない」「前田建設が下関から撤退するまで運動を続ける」と揺るぎない決意を示した。

 

 この日、会場である下関市豊前田町の海峡ゆめ広場には、安岡沖洋上風力建設反対の幟や横断幕が林立し、風力反対のハチマキを締めたり、創意工夫した手作りのプラカードを持って、市内各地から住民が続続と集まってきた。

 

 初めに主催者である安岡沖洋上風力発電建設に反対する会の新井萬会長が挨拶に立ち、「みなさん方の熱い熱意が風力発電をやめさせる原動力になる。われわれのたたかいは受け身ではない。漁師のみなさんが明治以前から漁業で生活してきた漁業権を誰も妨げることはできないし、風力発電ができて低周波の健康被害が出ることから住民を守る権利がある。いったんつくらせてしまったらダメなので、つくる前にストップさせよう。また、マスコミが“裁判で負けた”というが、それと風力発電の建設とは関係ない。みなさん方の団結した運動が風力発電建設をやめさせる一番の力だ」と訴えた。

 

 次に、横野町自治会長の坂口伸一氏が登壇。「8年前、安岡の海が前田建設に“ここだったら遠浅だし、風が強いし、もうかる”と目をつけられて、それ以来、ストーカーにあっているようなものだ。もう下関の事務所を引き払って東京に帰ってくれ、といいたい。前田建設が出て行くというまで頑張ってたたかいましょう。この5年間、10万人以上の署名をしてもらったが、署名運動をずっと続けよう。毎月街頭に立っておこなっている風力反対の意志表示を続けよう。周辺の人に風力発電ができたらどんな健康被害が起こるかを伝えよう。市長も市議会も反対している。周辺の自治会も病院も事業所もみな反対しているし、それ以上に安岡周辺に住んでいるみなさんがそんなものをつくっては困ると反対している。私たちはその代弁者として、みんなが同じ方向を向いて、前田建設が出て行くというまで、一歩も引かないで、勝利するまでみんなで頑張っていこう」とのべた。

 

 山口県漁協下関ひびき支店の問山清春運営委員長は、「自分たちが訴えている工事差し止め裁判は下関の裁判所では棄却されたが、広島高裁に控訴してたたかっている。まだまだこれから下関が住みよい町になるよう、みなさんと一緒に頑張りたい」と発言した。

 

 弁護団の道山弁護士も、「風力発電をつくらせないための反対運動は、弁護士が裁判所で書面をやりとりすることではけっしてない。こういったデモ行進でみなさん1人1人が反対の声を上げることこそが大事であり、それが弁護団の励みになっている」とのべた。

 

 その後、デモ行進に移った。参加者は風力反対の幟や横断幕を持ち、大漁旗を風になびかせつつ、太鼓のドンドンドンドンという音を合図に「風力反対!」「安岡沖洋上風力発電建設に反対しよう!」「業者のもうけのために市民が犠牲になる必要はない!」「前田建設工業は下関から撤退せよ!」「きれいな夕日が見える環境を守ろう!」「子どもたちに安心して暮らせるふるさとを引き継ごう!」と、800人が声を一つにしてシュプレヒコールを轟かせた。

 

 行進の合間には宣伝カーから「安岡沖に建設が予定されている風車は、目の前の海峡ゆめタワーより10㍍も高い153㍍の高さであり、それを15基もつくるものだ。一つの企業がもうけるために多くの住民の健康を害する風力発電の建設に絶対反対だ」「風力発電は低周波の問題が発生する。健康被害を受けるのは安岡・綾羅木だけではなく、垢田や山の田、武久、新下関でも耳鳴りや吐き気、不眠が起こる」「ウニ、アワビ、サザエ、イカ漁で生計を立てる安岡の漁師は、風力発電が建設されたら漁場が破壊され生活が困難になる。漁師の生活を脅かすな。子どもや孫が漁師を受け継ぐことを妨げるな」と道行く市民に訴えた。沿道で見守る市民が声援を寄せたり、車の中から手を振る人もいた。

 

 海峡ゆめ広場から海岸沿いを行進した後、折り返して国道9号線を下関駅に向かって行進した。デモ行進終結後、新井会長が参加者に「裁判闘争をたたかっている仲間を支える意味でカンパをお願いしたい」と呼びかけ、反対運動を最後まで続けることを確認して集会を終えた。

 

営利の為に市民脅かす 「負けられぬ闘い」

 

 垢田地区の女性商店主は、「デモ行進に初めて参加した。今日はとても寒いのでどうなるかと心配していたが、みんなの気持ちが一つになってよかった。太鼓を叩く人がすごく頑張っていたので、私も頑張って声を出した。デモでは私の周りに若い人が多かったし、もっと近所の若い人にも声をかけていきたい」と感動の面持ちで語っていた。

 

 風車の建設予定地が目の前に見えるという病院職員は、「患者さんたちのためにも決して建てさせたらいけないと思っている。ゆめタワーより10㍍も高いというのにびっくりした。あきらめたら終わりだから、最後まで頑張らないといけない」とのべた。

 

 反対運動の初めから参加してきた安岡地区の30代の男性は、「5年も続けてこれだけの人が集まってデモ行進ができること自体、連帯の意志の強さを感じる。前田建設はあきらめていないし、今後も続けていかないといけない。自分たちより下の世代に広げていきたい」と語った。

 

 デモ行進に初めて参加したという70代の女性は、「もっと早く参加していたらよかった。風車がゆめタワーより高いというのは想像を絶する。一企業のもうけのためにそんなことをさせてはいけない。参加してよかった」とのべた。

 

 綾羅木地区から参加した男性は、「町内の知り合いが初めて参加してくれて、“またなにかあったら声をかけてくれ”といってくれたのでうれしかった。デモ行進があることを近所の若い夫婦が住む団地を回って呼びかけたが、若い人も風力の健康被害については理解しているようだった。私は若いころ、豊北町民として豊北原発に反対する運動に参加した。原発に賛成した町長を引きずり下ろすぐらい、みんな命がけで真剣にやった。最初は“海と山の対立”といわれ、山の方は無関心と見られていたが、最後には一致団結してストップさせた。あのとき以上の意気込みで風力もストップさせたい」と語った。

 

 「前田建設 あんな人たちに負けるわけにはいかない」と書いた手づくりの横断幕を持って参加した安岡地区の男性は、「国会を見ると、外国人労働者を増やす法律や水道を民営化する法律を決めたかと思ったら、漁業権を民間に渡す法律や洋上風力推進の法律も決めたそうだ。まったくめちゃくちゃだ。報道もほとんどなく、まともな審議もせずに多数決で押し切っている。これからは日本でもフランスみたいなデモ行進をどんどんやらないとだめだ。それも日本全国でやらないといけない。みんなが立ち上がって首相や政治家にわからせないといけない」と語った。

 

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