いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

文字サイズ
文字を通常サイズにする文字を大きいサイズにする

住民の生命無視のPFAS流出 基地周辺自治体で深刻な水汚染 血中濃度は全国平均の数十倍も 発がん性ある有機フッ素化合物

米軍普天間飛行場から近くを流れる宇地泊川に流出したPFOS含有の泡消火剤(2021年、宜野湾市)

 現在、全国の米軍基地などの軍用施設を抱える自治体で、地下水や河川、水道などで深刻な水の汚染が顕在化している。米軍や自衛隊が使用する泡消火剤などに含まれる有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)による汚染だ。PFASは、PFOS(ピーフォス)、PFOA(ピーフォア)など4700種以上ある有機フッ素化合物の総称で、自然界で分解されにくく人体や環境中に長期に残留するため「永遠の化合物」と呼ばれ、国際的にも発がん性物質として規制されている。基地施設が集中する沖縄県内や米軍横田基地がある東京多摩地域などでおこなわれた検査では、住民の血中から指標の数十倍にのぼる濃度でPFASが検出されて大問題になっている。現在、防衛省が陸自オスプレイ基地の建設計画を進める佐賀や有明海沿岸地域にとっても他人事とはいえない問題といえる。

 

 

在日米軍や自衛隊も数十年来使用

 

 PFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)は、1930年代からアメリカで開発された合成化学物質で、耐水性、耐油性、防汚性などにすぐれた特性を持つため、軍事から家庭用品に至るまで幅広い用途で使われてきた。フライパンのテフロン加工、防水スプレーやコーティング剤、半導体、自動車部品、化粧品など、生活のあらゆる場所で使用されているものの中に含まれる。代表的なものはPFOSとPFOAの二つだが、全部で4700~5000種類あるとされる。

 

 人工的に生み出されるPFASは、自然界にはほとんど存在せず、構成する炭素とフッ素の結合力が極めて強いため、自然界の生物はこれを生成も分解もできない。飲み水などとともに人体に入ると代謝されにくく、体内に蓄積し、その半減期は4~8年と長い。

 

 2000年代に入り、アメリカでは、「テフロン」を開発した大手化学薬品メーカー・デュポン社の工場から出る廃液によって周囲の土壌や河川が汚染され、家畜や住民、労働者に原因不明の健康疾患があいつぎ、7万人を対象にした大規模な健康調査の結果、PFASが肝臓がん、精巣がん、甲状腺疾患、妊娠高血圧症、高コレステロール血症、潰瘍性大腸炎などの病気を誘発することが判明した。認定被害者は3000人以上にのぼった。この事件は映画(『ダーク・ウォーターズ』、2019年)にもなるほど広く社会問題化し、2006年に米環境保護庁(EPA)は「管理計画」を発表して、PFASの製造・使用の規制を開始した。同年、欧州連合(EU)では、PFOS使用製品(材料としての使用を除く)のEU域内での販売、輸入、使用の禁止が決まり、09年には全面禁止を決めた。

 

 国連の「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約会議」では、PFOSを09年、PFOAを19年に、それぞれ製造・使用の原則禁止を決定。米環境保護庁は16年、飲み水1㍑中のPFOSとPFOAの合計含有量を70㌨㌘とする「生涯健康勧告値」を定め、それ以上あると肝臓がんや脂質異常症などのリスクが高まるとする調査結果をまとめた。以後、米国内では製造過程での使用はもとより、PFASを使用した製品の販売も禁止する動きが州レベルで広がっている。

 

 世界保健機構(WHO)外部組織の国際がん研究機関(IARC)は17年、PFOAを「発がん性のおそれがある物質」として分類。この国連の動きを受けて、日本では10年にPFASを化学物質審査規制法の規制対象とし、製造・使用が原則禁止となった。

 

 だが国民が安全を判断するための規制値はもうけられず、2019年に沖縄県の米軍嘉手納基地や普天間基地周辺で地下水汚染や水道水の汚染が発覚したことを契機に沖縄県(玉城デニー知事)が国に基準値の制定を求めたことから、ようやく国は20年、毎日2㍑の水を飲んでも健康に影響が生じないレベルとして、水道管理の暫定目標値をPFOSとPFOAの合計で1㍑当り50㌨㌘以下と定めた。

 

 だが、PFASの人体や環境への深刻な有害性が世界的に認知されるなか、米環境保護庁は2022年6月、飲み水1㍑当りの生涯摂取勧告値を、PFOAは0・004㌨㌘、PFOSでは0・02㌨㌘に見直すと発表。70㌨㌘としていた従来の指針から3000分の1のレベルにまで大幅に厳格化している。

 

地位協定が調査を阻む 沖縄の米軍基地周辺

 

 このPFASを広く普及させた用途のなかに、燃料や可燃物化合物を原因とする火災を抑える消火剤がある。1960年代、米軍はPFASを使って酸素を遮断することで火災をすばやく鎮火できる泡消火剤(水成膜消火剤)を開発し、ペンタゴンの司令によって米軍のすべての艦船、陸上の格納庫、燃料貯蔵地、緊急車両等に設置され、国内の民間空港や日本を含む他国の軍事基地や空港にも広がった。

 

 日本で最初にPFAS(PFOS、PFOA等)による水汚染が発覚したのは、米軍基地の7割が集中する沖縄だ。

 

 2016年に沖縄県企業局は、北谷浄水場の水源である河川などから高濃度のPFOS、PFOAが検出され、その汚染源が米軍嘉手納基地と推測されることを発表。その後、県内各地の基地周辺自治体の河川や地下水から高濃度のPFASが検出された。

 

 分解されない有機フッ素化合物は、そのまま水道水に移行する。

 

 嘉手納基地周辺の水源から取水している北谷浄水場からは、沖縄県内7市町村、45万人に飲料水を含む水が供給されている。北谷浄水場が供給する那覇市の新都心公園の水道水から検出されたPFASは、名護市(基地が少ない県北部)の100倍にのぼった。また、沖縄市の大工廻(だくじゃく)川では国指針の30倍。また県中部住民が飲み水を得ている比謝川の取水ポンプ場では12倍、地下水が42倍、水釜の地下水も41倍という高さとなっており、すべて汚染源をたどっていけば米軍嘉手納基地内につながる。

 

 ところが、基地が汚染源であることが明らかであっても、日米地位協定の基地管理権によって調査を阻まれ、防衛省沖縄防衛局は「因果関係は不明」として不問に付した。普天間基地に隣接する小学校のグラウンドからもPFASが高い数値で検出されているが、土壌入れ替えなどはおこなわれておらず、地域の家庭では、子どもの飲み水としてペットボトルのミネラルウォーターを自主的に常備するなどの対応が迫られるなど、経済的負担も大きい。

 

米軍普天間基地から河川や住宅地に流出したPFOS含有の泡消火剤(21年4月、宜野湾市)

 2020年4月には、米軍普天間基地からPFOSを含む泡消火剤14万3000㍑が基地外に飛散・流出し、宜野湾市の住宅地には大量の泡が舞い、河川も泡だらけとなった。だが、米軍は基地外の消火剤は除去せず、大量の消火剤が路上や河川に放置されたため、市消防が回収作業に追われた。

 

 さらに21年、米軍は普天間基地内の地下貯水槽に保管しているPFOSを含む汚水6万4000㍑を下水道に排出する計画を宜野湾市に打診。「濃度を飲料水レベルに低減する」などとして確認不能な安全性を主張し、県や市からの焼却処分要求をも無視して公共下水道に放出した。日本側への連絡は、放出開始の30分前だった。

 

 国内法ではPFOSを含む製品などは、廃棄物処理法に基づいて特定の産廃業者への委託処理(分解処分)が義務づけられているが、米軍には適用されない。過去には米軍が六価クロム(強い毒性を持つ有害大気汚染物質)を含む汚水を下水に流したいと打診したこともあり、市が断ったこともあるほどだ。

 

 21年6月には、沖縄市、嘉手納町、北谷町、宜野湾市に分散している陸軍貯油施設でも、防火用水タンクからPFAS含有の水2460㍑が流出した。県が沖縄防衛局を通じて米軍からの連絡を受けたのは24時間以上が経過した翌日で、専門家が周辺の排水路や湧き水から水や土を採取して分析したところ、国の規制値の3・7倍の濃度が検出された。これまでも長期にわたって垂れ流されていた可能性が指摘されている。

 

 放出にあたって米軍からの事前告知はなく、国も米軍に要求しないため、県や市が独自調査や対策をしなければ住民の健康を守れない異常な実態を浮き彫りにした。沖縄県環境保全課による独自調査では、直近2022年6月の結果で、県内47カ所のうち33カ所で国の規制値をこえる濃度のPFASが検出されている。

 

首都圏の基地周辺でも 東京湾にも排水

 

米軍横田基地(東京都福生市)

 同じことが首都圏など本土の米軍基地周辺でも起きていたことが、最近になって判明している。

 

 米軍横田基地(東京都福生市)がある多摩地区は、古くから豊かな地下水に恵まれているが、環境省の調べで37カ所の地下水で国の指針をこえる濃度でPFASが検出された。そのため都水道局は2019年以降、国分寺など7市の浄水施設で、PFASによる汚染が確認された井戸34カ所の取水を順次停止している。

 

 東京都と環境省による05~22年の調査結果をあわせると、国の規制値(1㍑当り50㌨㌘)ごえは1000件にのぼり、横田基地東側の立川市のモニタリング井戸からは、18年度に1㍑当り1340㌨㌘と指針の27倍にのぼる数値(都内最高濃度)が検出されている。

 

 基地東側の武蔵村山市、国分寺市、国立市などで500㌨㌘を上回っており、都内の地下水がおおむね西から東に流れていることを鑑みると、汚染源は米軍横田基地が有力と見られるが、東京都は「横田基地を汚染源とするにはデータが足りない」と言及を避けている。

 

 厚木基地や横須賀基地などがある神奈川県内でも、地下水や河川の汚染が浮き彫りになっている。昨年9月、米軍厚木基地からPFASを含む泡消火剤が基地外にある蓼(たで)川に流出。県が1㌔下流の水を採取したところ1㍑当り120㌨㌘(国規制値の2・4倍)が検出された。米軍側は「活性フィルターにかけている」と主張して放出しているが、実際には規制値ごえが続いている。

 

 厚木基地がある相模原市では、21~22年度に市内40余りの地点を調査し、工場などが密集する地域や米軍相模原総合補給廠がある地域で、国指針の7~30倍のPFASを検出した。

 

 また神奈川県では21年5月、横須賀基地東側の排水処理場で泡消火剤と見られる「特異な泡」が確認され、同年8月のサンプル調査で検出されたPFOSとPFOAの合算値は、生活排水の出口で国の基準値の222倍、産業排水の出口では109倍にものぼった。これらの処理水は、東京湾に排水されている。横須賀市の排水停止の要求も、米海軍は「基地住民の移転が必要になるので不可能」と拒否し、問答無用で排水を続けている。

 

 防衛省によれば、在日米軍は16年から泡消火剤を代替品に置き換える手続きを進めているとしているが、全国の進捗状況は不明だ。在日米軍は現在、消火訓練には「環境に配慮した消火剤」を使用しているとするが、この消火剤にPFASが含まれているかどうかは明らかにしていない。米本国では許されないことが、日本国内では政府の怠慢と日米地位協定を盾に野放図におこなわれているのが実態だ。

 

人体への影響を自主調査 市民団体や専門家

 

 基地から流出したPFASは、飲料水や食物などを通じて人体に入り込み健康を蝕む。地下水や飲み水の汚染が明らかになりながらも国が調査に乗り出さないなか、各地の市民団体や専門家による自主的な調査がおこなわれている【結果の一部はグラフ参照】。

 

 沖縄県内では昨年、「有機フッ素化合物汚染から市民の生命を守る連絡会」がおこなった米軍基地がある6市町村7地域の採血検査で、PFASの血中濃度が最大で全国平均の14倍に達した。

 

 京都大学の原田浩二准教授(環境衛生学)の協力を得て実施されたもので、血中1㍉㍑当りの平均値では、環境省の調査(2021年)による全国平均値と比べ、PFOSは1・5~3・1倍、PFOAは0・8~3・0倍、PFHxS(ピーエフヘクスエス)は1・7~14・3倍と、いずれも高い数値となった。高濃度となった住民が暮らすのは嘉手納基地や普天間基地などを抱え、地下水や水道水の汚染が判明している地域だ。

 

 血中濃度の指標については、アメリカの学術機関とドイツの政府諮問機関が設定している。アメリカの指標では7種類のPFASの合計値が血液1㍉㍑当り20㌨㌘をこえた場合、ドイツの指標ではPFOSが同20㌨㌘、PFOAが同10㌨㌘以上の場合に健康被害の恐れがあるとされている。この沖縄の調査では計27人(全体の14・3%)が、この指標を上回った。

 

 排出されたPFASの影響は、人体だけでなく生物への移行も指摘されており、嘉手納基地から泡消火剤によるPFAS汚染が生じている北谷浄水場の水源である比謝川流域では、生息する魚からPFASが高濃度で検出されている。京都大学の田中周平准教授と国立研究開発法人土木研究所の鈴木裕識研究員の研究(2017年)では、比謝川の魚類から検出されたPFOSの値は、環境省調査(2015年)で検出された国内17都道府県の魚類の中央値の710倍にのぼり、生態系における生物濃縮の可能性も指摘されている【図参照】。

 

 東京都多摩地域では今年、さらに大規模な人体への影響調査がおこなわれた。今月15日、地域住民の血液検査を実施している「多摩地域の有機フッ素化合物(PFAS)汚染を明らかにする会」が、都内28市町村に住む551人分の結果を公表した。これも京都大学・原田准教授と共同でおこなった調査で、『東京新聞』などで大々的に報じられて衝撃を与えた。

 

 調査では、PFAS汚染が判明して井戸からの取水を停止した浄水施設がある国分寺、国立、立川、府中、西東京、調布、小平の7市の住民がとくにPFASの血中濃度が高く、全国平均を大きく上回っていた。

 

 7市の住民(303人)の結果では、PFASの代表的物質であるPFOSとPFOAなど4種合計の血中濃度の平均値で最も高かったのは、国分寺市の住民で血液1㍉㍑当り44・9㌨㌘にものぼった。7市の住民の平均は29・3㌨㌘で、全国平均と比べると約3・4倍も高く、米国指標も大きく上回っている。専門家は浄水場(現在は取水停止中)から供給された水道水によって人体にとり込まれ、蓄積されたと見ている。

 

 同会は今月末に650人分の結果を最終報告する予定だが、すでにこれまで3回の中間報告で、検査参加者の5割以上で血中のPFAS濃度が、米国で健康被害の恐れがあると定める指標を大幅にこえている。

 

 横田基地では2010~17年にPFASを含む大量の泡消火剤が土壌に漏洩していることを英国人ジャーナリストのジョン・ミッチェル氏が報道している。汚染源をたどっても米軍基地に起因していることは明らかだが、『東京新聞』の質問に対して横田基地は、関連の有無には言及せず「基地関係者、日本の皆さま、そして環境の安全を慎重に考慮し、運用している」とした文書回答で煙に巻いている。

 

自衛隊基地でも使用 情報公開は消極的

 

 PFASを含む泡消火剤は、米軍だけでなく、自衛隊基地でも広く使用されてきた。

 

 2021年2月26日、航空自衛隊那覇基地(沖縄県)からPFASを含む泡消火剤が流出したが、防衛省は2年経った今も基地周辺の土壌を調査・分析もしながら結果を世間に公表していない。しかも航空自衛隊は事故当初、泡消火剤に「PFOSは含まれない」と発表していたが、『琉球新報』が採取した泡を京都大学の原田浩二准教授が分析したところ、1㍑当り244㌨㌘ものPFOSが検出され、自衛隊も調査して含有を認めた。

 

 那覇基地では消火剤を薄めるための真水用水槽からもPFASが検出されたことから、防衛省は全国調査をおこない、62施設・地区のうち約8割に当たる48施設で、真水用水槽から国の基準値をこえるPFOS・PFOAが検出された。本来「ない」はずのものが検出された原因について、防衛省は「特定できない」と結論づけている。

 

 全国の自衛隊施設では、全229カ所の消火用水槽のうち125カ所で基準値をこえるPFASが検出されたとされ、最も高濃度だったのは京都府の陸上自衛隊宇治駐屯地の1カ所で1㍑当りの濃度は870万㌨㌘にも達していた。

 

 沖縄県では、20カ所の自衛隊施設の水槽でPFASが国の基準値をこえて検出されており、海上自衛隊では那覇航空基地の370万㌨㌘を最高に2カ所、航空自衛隊では那覇市内の160万㌨㌘を最高に17カ所と知念分屯基地(南城市)の1カ所だった。自衛隊は「大半をPFASを含まないものに置き換える」としているが、検査結果を数カ月も公表しないなど情報公開には極めて消極的であり、その実態は不明だ。

 

 環境省の2020年9月のまとめでは、日本全国でPFASを含む薬剤の在庫は計338万8199㍑におよぶ。大型タンクローリー約240台分に相当する量であり、これらの薬剤は水で数十倍に希釈して泡消火剤にする。自治体の消防署や化学消防車、石油コンビナートや化学工場、駐車場、さらに自衛隊の基地や艦船、空港の順に多く備蓄されている。

 

 日米地位協定にもとづき自衛隊基地や民間空港でも、米軍による訓練や共同訓練が常態化するなかで、そこから基地外に排出される汚染水は日本の行政による監督や調査の目は行き届かない。

 

 沖縄をはじめとする全国の基地を抱える自治体では、基地があるゆえにこれらの苦しみにさいなまれ、日米地位協定などの超法規的なハードルによって住民の生命や健康さえも守れないという危険にさらされている。「国防」とは名ばかりの占領の実態を示している。

 

 新たに基地をつくることは、これらの被害を半永久的に被る可能性があることを意味しており、たとえば防衛省が陸自オスプレイ基地の建設を画策している佐賀・有明海で水汚染が発生すれば、「有明海の再生」どころか「死の海」となりかねない致命的な事態となることが予想される。後からわかっても手遅れになる可能性がある。

 

 また2016年、安倍首相(当時)は国会答弁で「(米軍の)訓練の一部を佐賀でおこなうということで進めている」(10月、参院予算委)とのべている。防衛省と佐賀市との合意書(2月27日付)でも、「駐屯地における米軍の常駐計画はないことを確認」としながらも、「米軍の佐賀空港の利用を検討する場合でも…佐賀空港の利用に当たっては、佐賀市の理解が得られるよう、地元の懸念をしっかりと受け止め、真摯に対応する」と記しているように、米軍使用を想定したものとなっている。この場合、国内法にもとづく検査や原因特定はより困難となる。

 

 実際には「普天間の負担」も軽減されず、佐賀が新たな米軍の訓練場に加わるだけで、とり返しの付かない「負の遺産」をこの地域に広げるものといえる。「安全保障」という国の専権事項を振りかざしながら、住民の健康すら保障されない「不都合な真実」について広く認識を共有することが求められている。

 

関連する記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。なお、コメントは承認制です。