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安保法案賛同の学長追及 同志社大の教員と学生 学問は権力の下僕にならぬ

 【関西】 「安保法案」を考える同志社緊急集会が25日、同志社大学今出川キャンパス良心館で開かれた。違憲の安保関連法案が民意を無視して強行され、その公聴会であえて同法案に賛意を表明した村田晃嗣学長に抗議する趣旨で、教員と学生が開催。教員や学生、OBなど約250人が参加し、3時間にわたって熱のこもった議論を交わした。
 
 京大や立命館大の教員も参加

 はじめに出原政雄法学部教授が「安保法案は反対の声が大きい。政府の説明はすでに破たんしているにもかかわらず、学長が助け船を出したことは大きな波紋を呼んでいる。そこで学内で集会を開く。教員と学生が議論することも大事だし、大学間の連携も必要だ」と趣旨を説明した。「集団的自衛権は憲法の下では行使できないのに強引にできるようにする。憲法違反の声にまともに応えられない。拙速との世論が圧倒的だ。国民の声よりアメリカとの約束を優先している。アメリカで公約したこと自体、国会無視だ。今意味不明の補強説明をしている“戸締まり論”は専守防衛だ。安保法案は地球規模に拡大する日米ガイドラインに準じて米軍と連動して海外で武力行使をするのは明らか。こともあろうに学長が助け船を出したことは遺憾だ。法案は理解するほど怒りがわき、反対せざるをえない。廃案を求めていく」とのべた。
 続いて、「安保法案の成立に反対する同志社大学教職員有志の声明」をとりまとめた板垣竜太教授が、19日までに90人が賛同し、「OBから母校はどうしたんだというメールも届いている」と報告。「“法学部教授としたのに学長と誤解された”と弁明しているが、昨年に大学の決定権が学長にあるとする法改正もされており、大学と関係ないというのは無責任極まりない。対外発言の責任を負わなくてもいいとはならない」と非難した。岡野八代教授は学長の公聴会発言に抗議し、「代表としての責任感が全くない。公職にある者は憲法擁護の義務(79条)が課せられている。大学への裏切り行為だ。安倍政府は歴史教育に介入し続け、いまや人文学部をなくせとまでいっている。大学学長がその政権を擁護する。国際情勢の急激な変化を理由に憲法を無視していいかのような発言をしたが、変化の早い時代だからこそ、時代に流されるのでなく同志社のリベラル・自由・良心の建学精神に立って考えたい」とのべた。
 学長発言に抗議し、発言の撤回と学長辞任を求める学生有志の緊急声明を出した学生代表は、①日本の大学は学費が高騰しており、奨学金やバイトに依存している現状のなか、アメリカの若者が学費支払いのため軍隊に入隊しているような、自衛隊入隊への誘導がされる可能性がある法案に賛意を示すことは、日本の若者を戦争に積極的に荷担させることになる。②村田学長は「侵略に定義はない」と国会で表明し、自身が賛意を示したイラク戦争の反省もない。学者としてより政治判断を優先しているのは大問題だ。「学者は憲法学者だけではない」とも発言している。憲法学にとどまらないさまざまな専門分野の学者が反対声明や署名をしている。これら学問的蓄積を軽視するのか。③学長の中国仮想敵発言は戦前の歴史を想い起こさせる。中国からの留学生、中国への留学生がたくさんいるが、不安、不快感、不信感を抱く。留学生への配慮はないのか、とのべた。
 同じく学長発言に抗議する声明をいち早く発した同志社中学校教職員有志の代表は、三万人の大学生のほか幼稚園・小・中・高校生が学ぶ同志社において、「若い命を戦場に送るために準備されている法案を後押しし容認する発言をした学長の行動は同志社精神に真っ向から反し、良心教育への背信行為であり、研究者として教育者として看過できない。これまで同志社人が脈々と築いてきた“平和の実現”のための努力を無駄にし、“同志社の良心教育”へ寄せられてきた社会的な信頼と期待を一瞬にして崩した」と抗議。中学生が法案に「先生、戦争が始まるの?」「征(い)かないといけないの?」と敏感に反応していること、子どもたちを再び戦場に送らないとのべた。
 続いて、「自由と平和のための京大有志の会」を立ち上げた京都大学の教員が登壇。声明書を読み上げ、2000人近くが賛同のメッセージを寄せていると紹介。「学問は権力の下僕ではない。学問、知性を押しつぶそうとする圧力に沈黙を強いられてきたなかで、反撃の動きが出てきた。安保法案を潰すだけでなく、新しい学問の広場をつくっていく。このリベラリズムの伝統を京大、同志社、立命館が集まってつくっていこう」と呼びかけた。
 また、立命館大学法学部・法務研究科で安保法案撤回を求める意見書を出した植松建一教授は、意見書には学部長や学科長も加わっており、立命館大学全体での有志の会も700人をこえていると報告。「大学は国からも経済界からも攻撃され、死活問題に声を上げられずにきたが、ここにきて声を上げている。今声を上げないでどうするのか。首相は学問をバカにして政治家が責任者だというが、その結末が先の戦争だ。京大事件に続いて1935年に天皇機関説を弾圧し、大学自治否定を最後に戦争に突入した。80年後の今、それが問われている。今、何かしなければと声を上げている」とのべた。

 30年代の弾圧を想起 大学自治否定が戦争へ

 集会は休憩を挟んでリレー・トークに移り、OB(卒業生)や教員、学生、院生、留学生ら16人が発言した。70年代に大学生だった卒業生たちは、「空気が変わっている。なぜこうなったのか。村田は問題言動を起こしてきた。バラエティ番組に出演して右翼的言辞を弄する危うさ、軽さ。さすがに学長に就任して自制しているかと思っていた矢先、公聴会に出て戦争法案に賛意を表明した。唖然とし怒りがわき上がった。新島襄が掲げたリベラル・自由・良心の精神をめざしてきた同志社大学の学長の言動として許せない。母校愛もあるので応援していく」「同大を心配している。教育者として恥ずかしくないのかと抗議のFAXを送った。同女大に学んでリベラルアーツの理念に感激した。この理念に反するので怒っている」「村田発言に愕然とした。京都の3大学は学生運動のリーダーシップをとっていた。なぜこうなったのか。立て看板もない。政治的に圧殺されている。学生運動が激しくやらないと世の中は変わっていかない」「学者の会の益川先生が安倍に鉄槌を下すべきといわれたが、村田に鉄槌を下すべきだ」と発言した。
 学生たちは「奨学金を返すとき学生課で自衛隊ボランティア募集を渡され、キャリアとして自衛隊に行かないかと勧誘された。積極的に命を差し出さないといけないのかと、今は学外でデモに参加している。五月以降、声を上げるようになった学生は多い。大学をこえて行動している。来年夏の参院選も見こしてやっている。同大も一丸となってやる時期にきたのではないか」「3・11以降、脱原発に目覚めた。安倍政府になって活動を始めた。“もっと学生頑張れ”も分かるが、動き出してもおり、大人も若い人にどう訴えるか考えてほしい」と発言。
 「危ない国からやってきた」と切り出した中国人留学生は、「留学生仲間では安保法案は危ない、ここまで来たかと話している。私は江沢民時代の愛国・反日教育を受けたが、家ではドラエモンを見て、日本語を勉強した。マスコミを見ていて中国や韓国の本音がどこまで伝わっているか疑問だ。日本人と中国人が何を考えているか理解しあって、日中が仲良くすれば平和に繋がるのではないか」とのべた。

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