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下関市議選投開票結果 市民運動の確かな力示す

 安倍、林代理の中尾市政と議会への審判が問われた下関市議選が25日に投開票を迎えた。立候補者が抑制された結果、定数34に対して39人しか出馬しなかった今回の選挙は、投票率が過去最低を更新した前回選挙(51・7%)よりもさらに低調なものとなり、45・47%を記録した。全有権者から見たときに、その半数以上が棄権するという低調ぶりで、新議会全体はとても信任されたとはいい難いものになった。そのなかで、民主主義と生活を守る下関市民の会から市民運動を代表して出馬した本池妙子氏は前回選挙を上回る2359票を獲得し、順位も上げて当選を果たした。
 
 安倍代理の構造に痛烈な批判

 当日有権者数は22万6004人で、そのうち投票者数は10万2759人。棄権者数は12万3245人にのぼった。投票率は59人が立候補した前々回選挙が61・09%だったのから、44人が立候補した前回選挙では51・7%と10近く減り、今回選挙ではついに、50%を割り込んだ。「入れたいと思う候補者がいない…」と各所で話題になっていたが、低投票率にして組織票を持った者が勝ち抜けるという選挙構図のなかで、きわめて選択肢の乏しい選挙であったことを示した。前回選挙よりも得票を減らした候補者がめだった。
 落選者がわずか5人という前代未聞の選挙は、前哨戦から「かつてなくおとなしい」「候補者が回ってこない」といわれ、選挙が始まっても候補者や陣営側からの市民への訴えが乏しく、“裏通り選挙”と化した。自民党を中心とする候補者抑制が機能し、低投票率になればなるほど組織票の強みが増す構図のなかでたたかわれた。
 そのなかで、磯部、鬼頭、松村、白木、西野の5人が落選した。親が県議だった安倍派の磯部は、選挙カーを出さない余裕の選挙戦を展開したが、前回選挙よりも847票減らしての落選となった。その結果、安倍派若手で構成していた会派・チーム政策は3人を確保できず、解体に追い込まれることが濃厚な情勢となった。補欠選挙で当選していた鬼頭も、得票が伸びなかった。中尾与党として自民党会派入りをしていた松村も692票減らして落選した。維新の党がはじめて下関で擁立した白木は、本場維新の地で橋下維新が浸透しなかったことを示した。
 選挙結果を見てみると、前回選挙よりも得票を増やしたのは関谷、戸澤、吉田、村中、田辺、本池、山下、福田など11人で、その他はみな得票を減らした。議長の関谷は漁協や理容組合はじめ、議長ポストの強みを生かして各団体から組織票をかき集めた結果、288票の増加となった。保守系の乱立を回避した豊浦町の戸澤は、婦女暴行事件とかかわって同じ安倍派の林透が144票減らしたなかで、棚ぼたで125票増やした。無所属の村中、田辺、そして市民の会の本池が確実に得票を上乗せしたのも特徴で、社民党の山下も上乗せしている。大幅に得票を伸ばして注目されたのが毎回底辺争いの常連だった福田で、安岡沖洋上風力発電に反対する住民たちが全力で押し上げた結果、一気に616票増となった。住民パワーの強さを示した。
 34人の当選者のうち、新人を除いた現職16人が得票を減らした。もっとも得票を減らしたのが菊川町の松田英二(自民党安倍派)で、町内単独候補でありながら一気に998票減となった。磯部ともども、1期を経て1000票減は失格の烙印が押されたに等しく、当選したとはいえ決して自慢できない結果となった。3000票、4000票をこえる上位当選者も前田晋太郎477票減、香川昌則518票減、安岡克昌324票減など、大きく得票を減らした。副議長の木本暢一は486票減となった。市長経験者の亀田博も452票減、小熊坂孝司も406票減、平岡泰彦も323票減と安倍派の面面は大胆に得票を減らしている。首相夫人が肝いりで推薦しているといわれていた元市長の娘・井川典子は前評判とは異なる結果となった。
 特徴的だったのが安倍派与党を続けてきた公明党で、前回選挙では5人皆が3200~3600票の上位当選を果たしていた。ところが今回は2700~3100で、その合計得票数は前回選挙の1万7225票よりも2640票減らして1万4584票へと激減した。とくに藤村博美が前回よりも480票減らし、大幅得票減となった。宗教票で当選ラインに乗ったとはいえ、信者からも失格に近い扱いを受けたのが特徴。市議団リーダーになる浦岡昌博も451票減。
 「日共」市議団は共倒れした前回選挙の轍を踏むまいと候補者を4人に絞った。全員当選したものの、その総得票は1万148票で、こちらも前回比1623票減となった。無所属やいわゆる市民派がそれなりに得票を増やしたのとは対照的な結果となった。中尾市政の側から市民運動の分裂をはかったり、口とは裏腹に安倍代理市政となれあっている姿が広く市民に認知され凋落した。
 下関市民の会が擁立した本池妙子陣営には、選挙期間中を通じて市民の強い期待が寄せられた。略奪政治を規制し、産業振興、雇用確保を中心に下関を立て直そう、働く裏方の市民の力を結集して、市民運動を大きくすることによって市政を変えようとの訴えが大きな共感を呼び確かな力を示した。
 異常な低投票率がもたらされ、全有権者の約半分がそっぽを向くという不信任選挙のなかで当選した現職も政党も皆得票を激減させる結果となった。市民世論が激変しており、安倍、林支配、中尾市政とその追随議会に対する痛烈な批判を表す結果となった。その得票数や順位だけでは語ることのできない、意味深な結果を突きつけた。

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