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沖縄・東村ヘリパッド建設 村落を潰して基地を集中 振興策どころか経済破壊 

 米軍が世界で唯一ジャングル戦斗訓練をおこなっている沖縄県北部では、米軍再編で国頭郡東村(人口約2000人)に新たに6カ所のヘリパッド建設がやられている。森林地帯の広がる北部地域は沖縄の水がめといわれ、5つのダムが県内全域へ全体5割以上の水を供給している。だが昨年1月には新川ダム、福地ダムからペイント弾、照明弾などが1万発以上見つかるなど、米軍はやりたい放題。住民からは、「ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争に至るまで、ここの米兵の動きで世界のどこかでまた戦争が始まるとわかる」と語られる。
 今回の再編は東村と国頭村にまたがる森林地帯のジャングル戦斗訓練センター(北部訓練場)の約半分にあたる国頭村側の3987㌶を返還するかわりに、当地のヘリ着陸帯を東村側に移すとしている。しかし、現在でも東村にヘリ着陸帯はある。母親の1人は「夜11時でも訓練したりしてうるさいし危険」と語る。60代の男性は、「負担軽減などは名ばかりで、北部に基地が集中するだけでなく辺野古と連動してよけいに訓練も激しくなる。北部は人を住めないようにしておいて、高齢化で反対する者も少ないから自分たちの思うままにできるという国の目算がありありだ」と憤る。
 単なる着陸帯とパッドは性質が異なり、直径45㍍の円形と周囲15㍍の「無障害地帯」を森林伐採でつくる。6カ所は高江区(人口約150人)の集落を完全に包囲し、もっとも近いところは集落から400㍍しか離れていない。
 区民は緊急区民集会で全会一致の反対決議を上げ、村議会も反対決議を上げた。だが昨年無投票当選した村長が、「立候補のときはなにもかも反対といっていたが、就任1カ月後には容認。高齢化が進むなか村財政は厳しく、農産加工場の建設などを北部振興策でやりたいという理由だった」と話される。
 北部振興策は国が00年度から毎年100億円ずつ、10年間で総額1000億円を「北部市町村にばらまいている」もの。名目上は基地建設とはリンクしないといいながら、基地受け入れの是非でやられている。住民の1人は「防衛施設局はあれもこれも箱物をつくってやるというが、この人口の村に維持管理に回す財政はない。よけいに町が疲弊するだけだ」と強調した。
 東村は、パインやさとうきびなどを生産している農村地域で、07年度の高齢化率は25・4%。高江区の80代の婦人は、アメリカが上陸してきて、避難所でうちのおばあは首を撃たれて即死、もう1人のおばあは寝ていて焼死、中部から来ていた50代のおばさんは河原の砂利のうえに真裸で死んでいた」と痛切に語った。「日本はなぜこんなに落ちぶれてしまったのか。全国すべて山のなかは生活できない。国頭には病院1つなく、村内には診療所が1つだけだ」と話した。
 高江の住民からは村内の実情が切実に語られている。住宅が点在している区内には生活必需品を手に入れるための店は地域住民が共同出資してつくった1カ所しかない。あとは週1回生協が来るのみ。高齢者の足であるバスは日に3便。村内には小学校と中学校の合同である小・中学校が3校あるが、来年度には高江中学校と東中学校が統合されることが議会で決まっており、「集落の存続自体が危機になる」と危惧(ぐ)されている。
 また、幼稚園と保育所は村内に各1つずつしかなく、とくに保育所は片道16~17㌔㍍も離れたところに父母が毎日送迎する。“財源がない”と補助もなくすべて家庭の負担になっている。
 政府がさんざん地域への経済制裁をした挙げ句に、国策で住民の意見など関係ないと昨年7月に着工許可を出して実力行使していることに区民は怒りを募らせる。現在は「ヤンバルクイナの繁殖時期で7月まで工事は中止」しているが「国は見せかけだけで住民の生活は関係ない」と激しく語られている。
 また、高江区では、昨年7月から座り込みがやられているが、もともとの地元の人たちはおらず「2、3年前から共産党が移住してきている。“なぜ高江の人は地元なのに反対しないのか”という人もいて、うかつにものがいえない」と語られている。「地域に住んでも学校行事などには参加せず、地域のつながりがバラバラにされていることが寂しい」「高江はのっとられるのではないかと他区からもいわれる」と話されている。
 80代の婦人は、「年金でも税金をとられ、その金が全部アメリカに行く。アメリカのいいなりをやめないと日本は潰れてしまう」と語っている。男性の1人は「今度の衆議院選挙は、自民党をやってやらんといけん。自民党は政策を変えないで手っとり早いから国民からまた税金をとる。教育にしろ福祉にしろ1番大切なことは全部後回しではないか! 本当の国民のための政治にしないとダメだ」といった。

 県民の力束ねる運動へ
 また、県内各地で「沖縄はいつ爆発してもおかしくない状況」だと世代をこえて多くの人が語っている。本部町の40代の母親は、「みんな心のなかはくすぶっているけど、その力をどこに結集させたらいいのかがわからずに出せないでいる。だからみんなの力をつなげていければすごい力になると思う」と話す。
 嘉手納町の50代の男性は、「今はみんな我慢しているが、いつ爆発するかわからない。だれかが動き出したら、ワーっとなると思う。明治維新を切りひらいた高杉晋作ではないが、今そういう人物が出てきたら絶対動いていく!」と語った。
 金武町の70代の男性は「沖縄でも“もういい加減にしろ”と日米政府に対するものは強くなっている。だが自己主張だけの反対運動がやられている」と話す。「瀬長亀次郎の演説を18、9歳のときに聞いたが、あのように民衆のためにやる人がいたら世の中はひっくり返る。米軍基地のある岩国や全国で住民の力が強くなってきていることを心強く思うが、これをどんどんつなげていってくれ」といった。
 北部の60代の男性は、「一町長の施政方針でも、米兵の女子中学生暴行事件への抗議が、町運営にかかわることをおいてでも第1にいわれるほど、県民の世論は強い。そのなかで、先頭に立ってみんなに働きかけて束ねていく人たちが今1番大事だ」とのべた。

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