いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

文字サイズ
文字を通常サイズにする文字を大きいサイズにする

対話しか解決の道はなし

 

 北朝鮮が3日にICBM(大陸間弾道ミサイル)搭載用の水爆実験に成功したと発表したのを受けて、メディアは例の如く「北朝鮮けしからん!」「たいへんだー!」の一色に染まっている。この間のミサイル発射もしかり、ドラや鐘を叩いて「たいへんだー!」「たいへんだー!」「ミサイルが飛んできたら地下に避難して!」「頭を抱えて机にもぐって!」の喧騒を見るにつけ、バカではあるまいか? と思うのだった。そのような愚かな武力衝突ではなく、日本の頭越しに対立を深めている米朝に対して、平和的に解決する道を求めなければどうにもならないからだ。歴史的な経過や矛盾の構造を捉えて、殺し合いではない解決方向を冷静に見出さなければならない問題だろう。


 第2次大戦後は広島、長崎への原爆投下を見せしめにして、圧倒的な軍事力を裏付けに世界支配の野望を実現してきたのがアメリカだった。その中心にあったのは核兵器だ。軍事的恫喝すなわち原爆投下という絶対的な恐怖に対して、核を持って核に対抗する形でソ連をはじめとした社会主義国との軍拡競争がたけなわとなり、その構図は冷戦が終わったいまも変わらない。広島、長崎を最後にして3発目(朝鮮戦争では回避させた)の人類への投下はないが、米韓軍事演習で挑発をくり返している側は引き続き「世界が目にしたことのないような炎と怒りに直面するだろう」(トランプ)と恫喝し、これに屈服するものかと対抗する側も全力で核保有を目指しているのである。


 ここまできたら、残された道は破滅的な軍事衝突か、あるいは米朝対話による平和的な解決かの2択しかなく、後者の道を進むことによってしか東アジアの軍事的緊張を解決することなどできない。2000年代に進めた6カ国協議では、北朝鮮とアメリカの双方が「相互の主権を尊重すること、平和的に共存すること、及び2国間関係に関するそれぞれの政策に従って国交を正常化するための措置をとることを約束した」と共同声明を発していた。オバマ政府になってアメリカの対北朝鮮政策が圧力重視に切り替わったことから、「互いの主権を尊重して平和的に共存」する道は閉ざされてきたが、核を見せ合いながら物騒な度胸試しをするのではなく、外交によって現実的な解決をすべき問題であり、朝鮮戦争を終結させることが最大の課題である。


 なお、「狙われる!」と大騒ぎしている日本列島には54基の原発があり、政府はこれを次次と再稼働させている。本当に戦争になったなら、わざわざ水爆を搭載しなくても日本列島に巻き付いている原発が核爆弾そのものだろうに、まるでダイナマイトを身体に巻き付けた愚か者が拳を振り上げるのと変わらないような言動ばかりしている。従って、こればかりは言葉に品位がない等等の苦言を承知のうえで、「バカではあるまいか?」と声を大にして指摘したいと思う。おかげで標的にされたのではたまらないからだ。                                                                       吉田充春

関連する記事

Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterEmail this to someone

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。なお、コメントは承認制です。