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米国によるイランの条件受け入れについて:イラン国家安全保障最高評議会の声明

(2026年4月13日付掲載)

テヘランの街頭に集まり、停戦合意を喜ぶイランの人々(8日)

 2月末の米国・イスラエルによるイランへの大規模攻撃に端を発したイラン戦争は8日、パキスタンの仲介の下、米国とイランが15日間の停戦で合意した。イラン国家安全最高評議会(SNCS)は以下の声明を発した。原文(ペルシャ語)の和訳を紹介する。

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 イラン国民に対する不当、違法かつ犯罪的な戦争において、敵は否定しがたい歴史的かつ壊滅的な敗北を喫した。殉教した大アヤトラ・イマーム・ハメネイ最高指導者の清らかな血と、最高指導者兼全軍総司令官アヤトラ・セイド・モジタバ・ハメネイの英断、前戦で戦うイスラム戦士たちの献身と勇気、そして何よりも開戦初日からの国民の皆様の歴史的かつ英雄的な参加により、イランは巨大な勝利を収めた。

 

 これによってイランは、犯罪国家アメリカに以下10項目からなる提案を受け入れさせた。その中で米国は原則として、①不可侵の保証、②イランによるホルムズ海峡の管理・統制の継続、③ウラン濃縮の承認、④すべての一次制裁の解除、⑤すべての二次制裁の解除、⑥国連安保理および理事会におけるすべての決議の取り消し、⑦すべての(イラン関連のIAEA)理事会決議の取り消し、⑧イランへの損害賠償の支払い、⑨地域からの米軍の撤退、⑩英雄的なレバノンのイスラム抵抗運動に対するものを含む全戦線での戦争停止、を約束することになった。

 

 この勝利を成し遂げたすべてのイラン国民を祝福するとともに、この勝利の詳細が最終決定されるまでは抵抗を継続し、国民の団結と連帯を維持することが必要であることを強調する。

 

 イランは、レバノン、イラク、イエメンおよび占領下のパレスチナにおける勇敢な抵抗の戦士たちとともに、過去40日間にわたり、人類史上最も残虐な敵との歴史的な戦いの末、世界の歴史的記憶から消し去ることのできない打撃と教訓を敵に与えた。彼らの部隊、設備、インフラ、そして政治・経済・技術・軍事の全資産を粉砕し、今や敵は崩壊と絶望に陥り、イラン国民と気高い抵抗の意志に屈する以外に道はない。

 

 この不当な戦争を開始した当初、敵は短期間でイランを完全に軍事制圧し、政治・社会的不安定を引き起こしてイランを降伏させることができると考えていた。彼らはイランのミサイルとドローンの火がすぐに消えると信じ込み、イランが国境を越えた地域全域でこれほど強力な回答を提示するとは予想していなかった。

 

 邪悪な国際シオニズムは、無知な米国大統領に対し、この戦争がイランを終わらせ、その人類と人間性の最後の砦を取り除いてしまえば、後は誰に対しても望むがままに犯罪を犯せると説いていた。彼らはイランを解体し、石油と富を略奪し、最後にはイラン人を混乱と不安定、不安全の中に長年沈めたまま放置することを夢見ていた。

 

 しかし、イスラムの勇敢な戦士たちと同盟者は、指導者の殉教に心を痛めながらも、全能の神を拠り所とし、殉教者の主(イマーム・フサイン)にならい、これらの敵に一度限りの歴史的教訓を与えることを決意した。これまでのすべての犯罪に対する復讐を果たし、敵がイランへの侵略を二度と夢想できなくなるような状況を作り出し、イラン国民の前で屈辱と卑屈さを存分に味わわせることにしたのである。

 

□    □

 

 この戦略と、国内で形成されたかつてない団結に基づき、イランと抵抗勢力は、米国およびシオニスト政権(イスラエル)との歴史上最も激しい複合戦の一つを開始し、この期間に設計されたすべての目標を達成した。

 

 イランと抵抗勢力は、地域における米国の軍事機構をほぼ完全に破壊し、敵が長年かけて構築したインフラや設備に壊滅的な打撃を与え、米軍に甚大な損害を強いた。(イスラエルの)占領地内部においても敵の部隊、インフラ、資産に深刻な打撃を与え、全戦線で敵を追い詰めた。

 

 その結果、敵の主要目標は何一つ達成されなかっただけでなく、敵は開戦から約10日後にはこの戦争に勝利する能力がないことを悟り、さまざまなチャンネルを通じてイランへの接触と停戦の要請を開始した。

 

 親愛なる国民の皆様に知っていただきたいのは、皆様の子どもたちの奮闘と歴史的な抵抗により、敵は1カ月以上前からイランと抵抗勢力の激しい攻撃を止めるよう我々に懇願していたということである。しかし、国の方針として、敵を後悔させ絶望させ、長期的脅威を取り除くまでは戦い続けると決めていたため、それらすべての要請を拒否し、戦いは40日目の今日まで続いた。

 

 また、イランは米国大統領が提示した数々の最後通牒をこれまでに何度も拒絶している。これからも敵によるいかなる最後通牒も一切重視しないことを改めて強調する。

 

 今、偉大なるイラン国民に対し、戦争のほぼすべての目標が達成され、勇敢な息子たちが敵を歴史的な無力化と永続的な敗北に追い込んだことをお知らせする。イランは必要がある限り、この戦闘を継続し、イランと抵抗勢力の力と権利を認めることを前提にした、この地域の安全保障・政治秩序を新たに構築する決意である。この歴史的な決定は、国民全体の結束に支えられている。

 

 この方針に基づき、モジタバ・ハメネイ最高指導者の英断と国家安全保障最高評議会の承認により、戦場におけるイランと抵抗勢力の優位性、そしてイラン国民の正当な要求がすべて公式に受け入れられたことを鑑み、その詳細を最終決定するための交渉をイスラマバードでおこなうことが決定された。最大15日間の政治交渉において、その勝利を定着させる。

 

 イランがパキスタンを通じて米国側に提示した10項目の提案では、①イラン軍との調整によるホルムズ海峡の管理された(船舶の)運航、②子ども殺しのイスラエル政権による侵略の歴史的敗北を意味する全抵抗勢力への攻撃停止、③地域内のすべての基地および駐留地点からの米軍の撤退、④イランの統制を保証する形でのホルムズ海峡の安全な航行プロトコルの確立、⑤イランへの完全な損害賠償の支払い、⑥すべての一次・二次制裁および理事会・安保理決議の解除、海外で凍結されたイランの全資産の解放、⑦最終的にこれらすべての合意を国連安保理の拘束力ある決議として採択すること、これらが強調されている。

 

 安保理決議の採択は、これらすべての合意を履行義務のある国際法へと変え、イラン国民にとって重要な外交的勝利をもたらすことになる。

 

□    □

 

 パキスタン首相は、米国がこれらの原則を交渉の土台とすることを受け入れ、イラン国民の意志に屈したことをイラン側に伝えてきた。これに基づき、最高レベルでの決定により、イランは二週間、これらの原則のみに基づいてイスラマバードで米国側と交渉をおこなう。強調されねばならないのは、これは戦争の終結を意味するものではない。イランが戦争の終結を受け入れるのは、交渉の土台である10項目の提案におけるイラン側の諸原則が受け入れられ、その詳細が交渉で最終決定された時のみである。

 

 この交渉は、米国側への完全な不信感を持ったまま、4月10日からイスラマバードで開始される。イランはこれに2週間の期間を割り当てるが、双方の合意があればこの期間は延長される。

 

 この間、完全な国民的団結を維持し、勝利の祝祭を力強く継続することが不可欠である。今回の交渉は国民的な交渉であり、戦場の延長である。すべての国民、知識人、政治グループが、最高指導者と国家の最高レベルの監視下にあるこの交渉プロセスを信頼・支持し、(国内の)分裂を招くような発言を厳に慎む必要がある。

 

 もし戦場における敵の屈服が、交渉における決定的な政治的成果に結びつけば、そのときに我々はこの巨大な歴史的勝利をともに祝うことになるだろう。しかし、そうでなければ戦場において肩を並べ、イラン国民のすべての要求が達成されるまで戦い抜くことになるだろう。まだ我々の指は引き金にかかっている。敵がわずかでも過ちを犯せば、即座に全力で応戦することになる。

 

2026年4月8日

国家安全保障最高評議会          

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