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自治会法人税問題の解決求める  下関市議会・本池市議の一般質問

「なぜ下関だけ?」の疑問

 下関市議会6月定例会の一般質問がおこなわれ、23日に本池妙子市議は税務署による自治会からの法人税取り立てをめぐる問題と、独立行政法人化後に市退職幹部や政治家が介在して利権の巣窟にされた市立大学をめぐって、その後も真相解明がなされていないこととかかわって中尾市政の姿勢を問うた。
 
 自治会の税取立て問題

 本池 災害に備えて市が自治会に依頼して設置したベンダーという自動販売機に対して、昨年から下関税務署が収益事業と見なし「法人税の申告をしてこなかった悪質な違反」として過去5年にさかのぼって追徴課税したことが波紋を呼んでいる。自治会の方方はあまりに突然の出来事に驚くと同時に「市からは事前に何の説明もなかった。どうしてこんなことになるのか」と話されている。ただちにベンダーを撤去した自治会もあった。
 税務署が法人税の課税対象とみなしたことから法人市・県民税もかかることになり、均等割として市が1年で5万円、県が2万円、復興税もあわせ5年間で35万円余りが徴集されたところもある。多いところでは80万円も徴集されている。
 自治会からの抗議も受けて、市の幹部職員がカンパを出しあい、徴集された金額を弁償するというなんともいえない解決策がとられたと聞いている。市としてはベンダー設置にあたってどのような認識だったのか。収益事業と見なされたことについてや、法人市・県民税として何自治会からいくら入金したのかも聞きたい。
 新谷市民部長 税務調査が入っていることは聞いたが、税務署の方で判断して調査に入ると認識している。
 野間財政部長 ベンダーの関係での税収は、今手元に数字を持っていないので、答えかねる。最終的には市のなかでカンパをして対応している。
 本池 ベンダーに限らず、自治会会計において「収益事業」と見なされるものについては税務署による調査がおこなわれ、駐車場代や町民館の使用料、コピー機使用料、土地の貸地料などもすべて「収益事業」と見なして追徴課税が迫られている。体育振興会でも無報酬でやっている役員に調べが入ったと聞いた。美術館友の会の活動にも課税されたことが報道された。自治会の夏祭りや活動資金捻出のためのバザーなどにも課税対象は及びかねない。
 これまで何十年と税務署から摘発されたことなどないのに、なぜ今になって取締がおこなわれるようになったのか誰もが疑問に感じている。今回の課税は、どの法律のどの条文にもとづいたものなのか、市として把握していることを答弁していただきたい。税理士資格をお持ちの中尾市長が答えてもかまわない。
 野間財政部長 根拠は法人税法になる。第4条に、法人税を納める義務がある、人格のない社団等については、収益事業をおこなう場合に課税されるという条文になっており、これにもとづいて税務署が判断したということだと思う。
 本池 根拠条文についてはっきりさせておく必要がある。これまで自治会会計には課税されなかったのに、昨年から課税対象に「昇格」したわけだ。法律が変わったのなら説明しなければならないと思うが、法律は特に変わっていない。公益的な役割を担っている自治会に適用した根拠は何なのか、また国の統一見解は示されているのか、他市でも同様の追徴課税がおこなわれたのか否か、市として把握していることを教えてほしい。
 野間財政部長 税務署が判断したことだ。
 本池 今までと同じ法律の下で今回違うことがおこなわれている。それに対する市の見解をお聞きしたい。
 野間財政部長 過去の経緯がどうであったか、なぜ今回からかはわかりかねる。
 本池 下関税務署にも一連の疑問を聞きに行ったが、「個別の案件については答えることができない」の一点張りだった。支援者とも手分けして県内の他市や税務署にも尋ねたが、よそではまったくないようだった。むしろ驚かれた。なぜ下関の自治会だけが対象になっているのか。法律にもとづいて摘発されるなら、日本全国で一斉に摘発されなければ、「税の公平性」に反する。下関は税金特区か何かに指定されているのだろうか。また法律が変わっていないなら、誰の解釈変更によって実行されたのか、市として把握していることを教えてほしい。
 野間財政部長 法律は変わっていない。人格のない社団に課税がおこってきたのも最近の動きだ。他市の状況は守秘義務もあり存じ上げない。解釈の変更があったかどうかについては税務署が判断することなのでわかりかねる。
 本池 自治会は公益法人ではないが、非常に公益的な仕事をしている。自治会費で一部の幹部が飲み食いをしていて摘発されたというのならまだしも、今回の税金取り立てはそのような性質のものではない。公益的なことに使うお金にも税金がかかるようになったのか? という疑問だ。
 市報の配布一つとっても、全世帯に配る業務を市が独自にやろうと思えば膨大な労力と費用を要する。ゴミ収集場所の管理や清掃、独居老人世帯の把握など、その役割は多岐にわたっている。自治会や地域コミュニティーが機能することによって住民生活は支えられている。市がすべき業務を無償で担っている部分も多いにある。自治会は、市にとってどのような存在なのか、また公益的なことに使うお金にも税金がかかるという状況について、市はどのような見解を持っているのか。
 新谷市民部長 自治会は地域の住民同士が助けあい、安心して住みよい地域社会をつくるために自主的に組織された任意団体だ。市政のパートナーとして協力は不可欠なものだと認識している。
 松崎総務部長 重大な問題としてとらえており、自治会等から相談があった場合には税務署との橋渡しはもちろん、市に顧問税理士を設置して税務に関する相談に対応できる体制を整える予定だ。また市の職員が業務に関係する人格のない社団等に対する課税に関する知識を習得、向上させるため職員に対する税務研修を実施する予定だ。
 本池 自治会が住民生活やコミュニティーにとって欠かせない存在であるなら、その活動を保障する責務が市にはある。今回の事態について税務署に説明を求めたり、交渉はしているのか? しているのであれば、内容を教えてほしい。
 松崎総務部長 税務署、市とお互い協力しあって解決のために対応しようということだ。
 本池 市として責任を持って税務署に交渉するべきだと思う。なぜ下関の自治会費だけが課税対象になり、よそとは扱いが異なるのか、国の統一見解は示されているのか、どの法律の何の条文を根拠にした課税で、自治会に適用する根拠は何なのか、はっきりさせるべきだ。あと法人市・県民税の均等割についてだが、県は課税の例外措置を設けている。市も設けるべきではないか。
 野間財政部長 市民税について課税を免除するという条文があるにはあるが、今回の件については適用できるかというところでは難しい。新たに制度を設けるには立法上線引きが難しい。
 本池 下関の均等割は5万円。これがなくなればまったく違ってくる。自治会の財政がなし崩しになれば活動が難しくなる。難しいではなく実現するべきだと思うが。
 野間財政部長 課税される法人と課税されない法人を一律に文言で区切るというのは非常に難しい。考えるとしても慎重に考えないといけない。
 本池 他の法人と同等ではない。性質上まったく違うのははっきりしているので、ぜひやってほしい。日本の法律は全国共通の解釈によって運用されているものだと誰もが思っている。しかし現在やられているのは違っている。責任ある対処を行政としておこなうことを求める。

 市大の健全化について

 本池 私は一般質問や委員会の場で、何度も市立大学の在り方について執行部に質問し、意見を申し上げてきた。そのなかでいまだに不透明な問題の一つとして、トイレ改修工事の問題がある。大学側担当者が業者と談合して業者選定させていたことから刑事事件としても摘発されたが、これが独立行政法人でなければ立派な官製談合だ。この工事をめぐっては業者が工事を完了する前に事業停止となり、多額の損失が発生した。設置者である市としては、この損害金額はいくらだと認識しているのか、損害賠償される金額はいくらなのか。
 松崎総務部長 損害賠償の額は出来高と前払い金の差額が990万円、中断した工事について再入札をおこなった結果増額となったのが620万5000円なので、合計1610万5000円だ。
 本池 大学側が元事務局長と総務グループ長を訴えていた裁判が昨年8月に和解となった。昨年の9月議会の場で質問した際に、市としては「和解することによって、損害金の回収の見込みが立つ」ので市立大学は和解に応じたという説明だった。1年経った時点で回収されたのか否か、平成26年3月末日時点の入金額はいくらなのか。あと相手方と和解文書を取り交わしている金額、つまり裁判上の和解金額はいくらなのか、利息延滞金はどうなっているのか、完納期限はいつなのかもお願いする。
 松崎総務部長 和解内容を公表しないとなっているが、損害金の回収については順調に進んでいると報告を受けている。
 本池 職員の過失によって起きた損害、談合で刑事罰まで加わった工事によって発生した損害が曖昧にされ、いつ返されるか市民に説明できないということがあってよいのだろうか? 昨年9月議会の答弁では「990」万円が過払いで、それから入札の差額による両方の合計として和解が成立した」「裁判上では両方合わせて請求しており、全額が回収できる」と述べられたが事実関係は間違いないか?
 松崎総務部長 先ほど申し上げた通りだ。
 本池 「裁判上では両方合わせて請求している」と述べた総務部長の答弁は議事録にも残っている。しかし裁判所の訴訟記録によると、大学側が訴状のなかで請求している金額は990万円だ。620万円について原告は初めから請求していない。「損害は1610万5000円であるが本件ではそのうちの一部の889万円を請求するものである」と明記されている。990万円を払わないといっていた相手方が、加えて620万円も支払うことを了解したということだろうか? 部長の答弁と事実が異なるといけないので、真相について見解をお願いする。
 松崎総務部長 先ほど申し上げた通りの報告を受けている。
 本池 裁判所の訴訟記録の閲覧には制限が加えられている。和解文書そのものを第三者が見ることはできない。しかし閲覧可能な部分からわかった事実は、1610万5000円の賠償について、当初は請負業者であったシモケンと覚え書きを交わし、毎月20万円をシモケンが支払っていたことだった。しかしそれが行き詰まったことから、大学側が元総務グループ長と元事務局長に二次的な賠償責任があるとして支払いを求めたということだった。
 一連の問題の真相について「和解内容は公表しないことが和解の条件である」として、議会の場でも結果が伏せられたまま何もわからない。記者会見まで開いて訴訟に踏み切り、議会の委員会の場でも何度となく報告されてきたが、その結果については秘密というやり方が許されるだろうか。そもそも大学の設置者である市は和解内容については把握しているのか?その説明を大学側に求めているのか、見解をお願いする。
 松崎総務部長 和解の前提として公表しないということで、なおかつ大学側の判断としては全額回収される見込みがあるため和解した。具体的な話については市は了知していない。
 本池 読売新聞が2013年8月29日付で、「元事務局長が200万円を支払い、元総務グループ長は建設会社の大学側に対する債務のうち990万円までを連帯保証することで和解した」と報道した。その日のうちに元総務グループ長、元事務局長側が裁判所に閲覧制限を申し立て翌日に市立大学側も制限するよう申し立てている。
 その上申書のなかで、「和解条項9項で双方は“本件和解内容を公表しないこととする。ただし、原告が市議会に報告する場合は、この限りではないが、原告は本和解条項の趣旨を尊重して市議会に報告し、市議会に対しても本和解条項の尊重を求めるものとする”という条項で合意している」と記載されてある。わざわざ市議会対応まで和解条項に記載しているので驚かされるが、「議会に報告する場合はこの限りではない」としているし、「議会に尊重を求める」というものでしかない。つまり尊重するか否かは議会が判断すべきことであって、執行部が判断することではない。従ってなぜ和解したのかその内容についてははっきりと答弁していただきたい。なぜ議会での質問等に答える必要がないと考えたのか教えてほしい。
 松崎総務部長 市としても和解の内容については直接了知していない。それ以上のことを申し上げることはできない。市としては訴訟記録も見ていないし、いわれたのは伝聞の話だろうから、確認することはできない。
 本池 議会は市政のチェック機能を果たすための役割を市民から託されている。こうした答弁が許されるのか、下関市議会としての存在意義すら問われていると思う。設置者である下関市には是正措置を求める権限もある。理事長の任命責任は市長にある。運営交付金も税金から出ている。公金取扱のずさんさや無責任を今回の件は示している。「和解条項」にもとづいて秘密が保証されるというなら、この問題に限らず、市政全般において同じような事例が発生した場合、最後には秘密にされるようなことが一つの常套手段になるのではないかと懸念する。「秘密保護」を乱用し過ぎではないかと思うが、どうか。
 松崎総務部長 被告と原告のあいだで公開しないということなので。
 本池 市民から見たときに現在の荻野理事長は損害の責任者の一人であり、当時は副理事長だった。それが今度は被害者側つまり大学側の責任者として和解に応じ、「非公開」という形で蓋をした。そのため市民には和解内容すらわからない。議会まで公金取扱の結果がわからない。これでは何のマッチポンプなのかといわれても仕方ない。損害を生じさせた理事会の当事者が「和解」に応じ、なぜ和解したのかも、その内容も明らかにされないことについて設置者としてはどう思うのか見解をお願いする。
 松崎総務部長 大学としては組織、仕組み、経緯すべて整理されていると思う。結果については決算のなかでまた話があろうかと思う。
 本池 あと下関市立大学には平成24年9月付で中尾市長より是正措置命令が出され、大学側から同年12月付で報告書が提出されている。しかしその後も大学に労基署や労働局が入っていると聞くが何が起きているのか事実関係を教えてほしい。
 松崎総務部長 一部署において職員の昼食時における休憩時間の付与が適切でなかったという内容だ。平成25年12月頃から、職場の有志からの発案によって、昼食時の電話応対など当番制で対応しようということになり、希望者による昼食時の当番制を開始した。平成26年1月に労働基準監督署による臨時検査が実施され、当該部署は、労働組合との協定により、時間をずらして休憩時間を与える部署に含まれないため、法律に則った手続きをとったうえで実施するよう報告をうけている。労働基準監督署に対し是正措置報告をした。
 本池 労働局の件もお願いする。
 松崎総務部長 どういう話だろうか。
 本池 事務局長のハラスメントをめぐって調査委員会まで立ち上げられ、労働局長より助言・指導がおこなわれていると聞いている。いわゆるパワハラと受け取れる言辞がなされているという問題だ。本間副市長が当時の理事長として労働局より助言を受けているはずだ。これらは「是正措置報告書」が提出されて以後のものであり、「是正措置」が機能していないことの証明ではないか。トイレ改修問題にしても市民が「解決した」と思える状況にはほど遠い。少なくとも公金の扱いについて説明できない、伏せるという状況はあってはならない。
 大学が利権の温床にされて、学生たちの学舎というよりも大人たちの都合で好きに弄ばれる場所になっているなら本末転倒だ。労働局の問題は本間副市長もおられるのでお答え願いたい。
 本間副市長 私が在籍していたときに監督官庁から、一部の先生から教授会等公の場で個人的に攻撃を受けるような発言をする者がいるので注意してほしい、という届けがあったので、本当にあるならば組織としてふさわしくない行為なので、注意していただきたいという連絡があった。それを受けて通告のあった教員、パワハラ的な発言をしたという職員双方を呼び事情を聞いた。言葉づかい等については注意をするよう双方にいい、お互いが完全に納得して和解して手を結んだとか、そこまではいわないが、注意に耳を傾けていただいた。その結果を監督官庁に返して、一応の結末をみたところだ。
 本池 設置者である市の方も把握しなければならないと思う。
 松崎総務部長 当時そういう話があったということで、当然こちらも伺っている。大学では問題の再発防止、健全化に努めている。おっしゃるようなことは今ない。
 本池 学生たちにとって良い大学になるまで、この問題はとりあげていきたい。

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