いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

文字サイズ
文字を通常サイズにする文字を大きいサイズにする

基地のない沖縄を次世代に 知事選勝利に深まる確信

 辺野古新基地建設阻止を掲げた玉城デニー氏を過去最多得票という圧倒的な力で押し上げた沖縄県知事選の結果をめぐり、沖縄県民のなかでは大きな喜びと確信を噛みしめながら、今後のたたかいに向けた決意が口口に語られている。知事選結果を受けての県民の声を紹介する。

 

当選を確実にした瞬間、喜びに沸く玉城陣営

前泊博盛 沖縄国際大学教授

 

 今回の知事選は、前代未聞の番狂わせといっていいほど選挙の常識を覆す結果となった。翁長県政の4年間で沖縄関連予算を毎年500億円も引き下げられ、一般公共事業費を防衛事業費に切り換え、知事選前には「沖縄の予算は新知事の辺野古への態度によって増減する」とまでいい、観光産業に直結する沖縄振興計画(4年後に期限)の延長の可否すら人質にして揺さぶりをかけていた。こうした安倍政府の経済的な脅しに屈しなかったことは、常に予算の締め上げで敗北してきた沖縄県知事選では歴史的な快挙といえるのではないか。かつて大田知事が稲嶺恵一氏に負けたのも、沖縄にとって予算カットによる「県政不況」が恐怖と捉えられたからだった。今回、補助金の予算を国に握られている離島部ではその脅しがきいているが、本島の市町村では、ほとんどの地域で玉城デニーが勝利している。これは沖縄の民間経済が活性化し、国の交付金に依存するよりも可能性があることが広く認知され、「基地は不経済」であることを多くの県民が気づいたことを物語っている。

 

 選挙常識からいえば、8万票を超える基礎票を持つ公明党が動き、政府の圧力によってオール沖縄から離脱して「自主投票」を決めた企業グループの2万票が自民党側に着くなら、前回の翁長知事の得票から相当数が佐喜真に移動するため、それらの組織票や政党票を積み上げていけば、少なくとも5万票ほどの差で「佐喜真優勢」というのが大方の予想だった。私もそのように思っていた。

 

 だが、ゼミで学生に知事選予想アンケートをとると1年生では18人のうち15人が「玉城」だった。別の授業でとると120人中、73人が「玉城」、42人が「佐喜真」という結果だった。私の予想をはるかに超えて安倍政府への反発は学生の中でも強かったし、それも今回の選挙結果に反映されたと感じる。

 

 沖縄県は安倍政府による露骨な「いじめ」にあいながらも、経済は堅調に実績を伸ばしてきた。一方で深刻な低所得や人手不足、雇用のミスマッチの問題は、国からの「補助金」では解決できない。振興予算を「人質」にとられても、怖れることなく「脱基地経済」を目指してきたことの成果といえる。

 

 そこに「上から目線」の菅官房長官、「何様?」の小泉進次郎、「小池にはまってさぁ大変」の小池百合子など、沖縄イジメの先頭に立ってきたような面面が応援に来ても「こんなものに頭を下げてまで金をもらうか」という反発心が学生の中にも浸透していたように思う。「世論調査」と称して投入した公明党5000人の工作員も、入れば入るほど「なぜ本土がこれほど介入してくるのか?」という県民の疑念を集める結果になった。菅官房長官が応援に入ったところでは全部佐喜真が負けている。沖縄県知事選は政治ショーではない。「日米安保」は日本全国で論議すべき問題であり、その犠牲を沖縄に押しつける安倍政府を退陣させなければ終わらない問題だと多くの県民が感じていることのあらわれだ。

 

 自民党は必死に組織固めをして票を上積みしたが、玉城にはそれをこえる浮動票が集まり、フタを開ければ過去最多得票という結果を生み出した。しかし、安倍政権の辺野古移設への執念、強権を振るった沖縄いじめは今後も続くだろう。辺野古問題だけがクローズアップされているが、沖縄は辺野古だけでなく全基地の撤去の具体的なプランをもってこれと対峙していくことが求められる。この沖縄の民意と叫びを日本全国の皆さんに届け、この独裁政権を足元から揺り動かしてもらうことを期待する。

 

宮城政三郎 (那覇市在住、沖縄県立一中二〇会)

 

 今回の知事選の相手は国だった。国対沖縄県民の選挙だ。政府の側は、相当に総掛かりでやってくることが予想されたので、当初はどうなるか心配していたが、オール沖縄の玉城デニーが前回をこえる得票で圧勝した。終盤に一番心配したのが台風だ。選挙当日に直撃して、お年寄りが選挙にいけないからどうするかと不安に思っていたが、それよりも県民の意志は固かった。

 

 今回の選挙は、いつも以上に一票一票に込められた意識が高かった。翁長知事の死を無駄にしないため、なんとしても勝たなければいけないという意識だ。また、県民一人ひとりが、国が垂れ流す経済優先の「アメ」に惑わされず、絶対に辺野古新基地をつくらせないという固い意志で挑んだからこそ、あれだけの票数が出てきたものと感じている。最近使われてきた甘い言葉は、もう沖縄県民の前では通用しないということが証明された。いくら口の上手いタレント議員を送り込んでもまったく歯が立たなかった。

 

 向こう(自民党側)のチラシや宣伝文句には「対立より対話へ」という言葉がよく使われていた。確かに国際的な問題は「対立より対話」が望ましい。だが、国の国民に対する間違った行為と対決もせずに民主主義など成り立ちようがない。国が対話も一方的に拒否して強権的に辺野古の埋め立てをおこなっていることにも黙って従えということになる。まったくバカげており、これにも県民は惑わされなかった。この県民の意識の高まりこそが一番の成果だ。

 

 気がかりなのは、投票行動の統計(出口調査)で20代以下の世代が向こう側がわずかばかり多かったという点だ。戦争体験のある高年齢層は絶対に揺らがないが、若くなるに従って向こう側(佐喜真)に投票しているという調査結果が出ている。よく「若者の保守化」といわれるが、若者をどう育てていくか考えることをおろそかにしてはならないと思う。一部には「国を守らなければいけない」という意識も確かにあるだろう。中国や朝鮮の軍拡などを意識して、武力強化を基礎にして国を守るという単純な思い込みがあるのだろうが、武力による国防には限りがあり、かつての戦争で国民は悲惨な運命をたどった。そのために平和憲法が定められ、これによって国の平和を守ってきた。そのことをしっかり理解できるように若者に伝えていくことの大切さを今度の選挙で強く感じている。

 

翁長安子 (那覇市、沖縄県立第一高女同窓生)

 

 今回の知事選には、沖縄県民の強い意志があらわれたと思う。これで翁長雄志(甥)も本当に安心して永眠できるのではないかと安堵している。幼い頃から苦労して育った玉城デニーさんは、ちむぐくる(沖縄県民のもつ優しさや包容力)を持ち、県民の痛みの分かる人であり、この人ならば人の命を大切にする政治をやってくれると確信している。そのような心で政治をおこなわなければ基地問題は解決しない。平和を守るためには基地は必要ないという立場を貫いていただきたい。

 

 今回の選挙結果には、若い人たちの目覚めがあったと思っている。この選挙を通じて、これまで静かだった若い人たちが自主的に座談会を開いたり、街頭活動を精力的にとりくんでくれていたことを知った。沖縄の思いを受け継いだ若者たちが、これから平和な未来を築いてくれることを強く期待している。

 

上原はつ子 (那覇市、昭和高等女学校同窓生)

 

 知事選のすばらしい結果に、言葉が出ないほどうれしい。沖縄県民だけでなく、県外から応援してくれた皆さんの努力と協力のお陰と思う。心から感謝したい。相手は「対話が必要」といっていたが、翁長知事との対話を拒否してきたのは国の方だった。お金をもらってヘラヘラと従うことを「対話」というのなら意味がなく、デニーさんには、県民にとってダメなものはダメだとはっきり主張することを期待する。

 

 先日の北海道の地震では液状化現象でたいへんな災害が発生していたが、辺野古の地盤もそれ以上の軟弱地盤であることが指摘されている。そんな場所に基地をつくって大惨事が起きてから騒いでも遅い。アメリカのための基地建設に何兆円ものお金を注ぐのなら、それを外交交渉に生かして平和と安全を守るのが政治の役割だ。そのための「対話」もせずに、「対立」を続け、米軍基地の苦しみを沖縄県民に押しつけるのでは誰のための政府なのかわからない。

 

 私たち女学校時代に沖縄戦を体験した者は、多くの犠牲者がいたことを後世に残すため、これまで知られていなかった2000名近い学徒たちを追悼する「全学徒隊の碑」を建てることを県に要望し、昨年3月に糸満市摩文仁に建立された。その碑の横に学徒の犠牲者数を刻んだ銘板を建てることもお願いしたが、翁長知事が亡くなる直前にそれが聞き入れられた。「沖縄戦を後世に受け継ぐべき」という知事の最後のメッセージが込められていると感じている。戦争のための基地はもういらないという沖縄県民の強い民意が示されたことはこのうえない喜びだ。日本全国にこの思いが広がることを願っている。

 

上原慶子 (那覇市、自営業)

 

 今回はかつてなく厳しい選挙といわれていたが、圧倒的な票差を付けて沖縄県民が勝った。朝からみんなが「よかったね!」と店に飛び込んできては、選挙の話題でもちきりだ。心配していただけに開票が始まる前に早早と当選確実が出たのに驚いた。これが沖縄の民意だ。この一票一票には、これまでいいたいこともいえず、聞いても返事もしてもらえないという矛盾だらけの状態に置かれてきた沖縄県民の強い思いが込められている。県民の先頭に立って頑張っていた翁長知事が膵臓ガンで亡くなった後、「今度は自分たちがやらなければいけない!」と奮い立つ県民性、いざというときに「絶対に負けられない!」と一丸となって力を発揮するウチナーの根性を強く感じる選挙結果だった。

 

 台風到来が心配されるなかで、お年寄りが支え合いながら雨の中を杖をついて期日前投票に向かっていく姿があった。その強い思いが過去最高の得票を積み重ねたのだと思うと胸が熱くなる。若い人たちのなかでも、東京から偉い政治家が来れば、話を聞くが、腹の中では強い反発心があったのではないかと思う。

 

 今回の選挙は、翁長知事が辺野古基地反対を最期まで貫いたからこそ勝てた選挙でもあった。自民党の議員でありながらも、県民にとって悪いものは悪いと、分別をもってはっきり行動する議員が必要だと改めて思う。

 

 選挙過程では、作り話やデマも飛び交い、本土からもたくさんの有名人や与党の議員が何回も自党候補の応援に来て、わざわざ若者の多いメインストリートで夢のような話を振りまいていた。「あんたたちはそこまでやるのか!」とウチナーンチュは見てしまった。それも「沖縄は所得が低い」「国と話し合えば所得が上がる」とか高見から県民をバカにするような演説ばかりで、やればやるほど反発が広がった。あれほど大物をたくさん連れて来てこれほどの大差が付いたことは予想外だっただろう。安倍さんは沖縄の民意をしっかりと受け止めるべきだ。

 

 あの悲惨な戦争の経験を継承し、基地のない沖縄を手渡していくこと、補助金で監視され、誇りを奪われた生活ではなく、自分たちの力で苦労しながらも、本当に自由で豊かな沖縄を築いていくことを県民は選んだ。これからは私たちも協力して、世界に誇れる沖縄らしい沖縄にしていきたいと思う。

 

名護市商店主(70代女性)

 

 当確が出た瞬間、涙が出るほど嬉しかった。ここで負けたら沖縄は救えない! と危機感を持っていたが、そのことを県民みんなが理解して投票した。県民はウチナーンチュの心を忘れていなかった。勝つべき選挙で圧倒的な差をつけて勝てたことは、沖縄を侮っていた政府に大きな打撃を与えたと思う。

 

 知事選中の名護市内は、市長選のときと打ってかわって静かだったが、水面下では相当な圧力があったと聞いている。でも、名護市でも2000票ほどの差を付けてデニーさんが勝った。市長選では負けたが、みんなの米軍基地反対の思いの強さをあらためて示すことができた。名護は2月の市長選、9月に市議選があり、知事選は今年3回目の選挙だった。市長選での敗北を、最後の最後で何倍にもして押し返すことができて本当にうれしい。

 

 デニーさんには翁長さんの遺志を継いでしっかりと舵取りをしてもらいたいし、私たち県民も下からしっかり支えて頑張らなければいけない。正真正銘の国とのたたかいに勝ったことの意味は大きいと思う。

 

 選挙期間中、長周新聞の1面で何度も組まれた知事選や沖縄戦の特集は、私たち大人にとっても知らないことばかりで大変勉強になった。またいつでも名護に援護射撃に来てほしい。この沖縄に刻まれた体験を受け継いで、ウチナーンチュの心を裏切ることなく県民みんなで頑張っていきたい。

 

 デニーさんは危ないのではないかと思うほど、終盤になって創価学会が戸別訪問に力を入れていた。しかし蓋を開けてみれば予想以上の大差をつけての勝利でほっとした。佐喜真陣営は国のお抱え選挙で、このまま当選したとしても対話ではなく、お伺いを立てるいいなり知事が誕生するのは目に見えていた。比例代表選挙みたいなもので、応援演説に菅官房長官や小泉進次郎が何度も沖縄入りして応援演説をやり、佐喜真本人の力ではまったく戦えないことをみなに見せびらかしているようなものだった。

 

 期間中には勝敗はなかなか見えなかったが、県民一人一人が気づいていたからこそこのような結果になったのだと思う。辺野古の話題にまったく触れないというごまかしがきかなかったのは、選挙前に辺野古の是非を問う県民投票実施に向けた運動が広がっていたことが大きな要因ではないか。集まっていろいろな人が論議する場やムードが選挙をよい方向に促した。国は総力をあげて佐喜真を推したがまた負けた。同じ手が通用しないことがわかり、八方ふさがりで頭を抱えているのではないか。

 

那覇市商店主(60代女性)

 

 自分はもともと保守派だったが、安倍政府になってからの政治にはどうしても共感できない。今の自民党にはついていけないし、アメリカに頼らないで、降ってくる交付金にも依存しない沖縄を目指すべきだと思っている。自民党にも投票したくないし革新にも共感できず、棄権しようかとも思う選挙もあったが、今回はデニーさんが翁長さんの遺志を継ぐと決意して立ったので応援しようと思っていた。今回の選挙は前回まで自主投票だった公明党が佐喜真支持を打ち出していた。この組織の集票力は侮れないので、今回は厳しいかもしれないと思っていたが、予想に反して大差で勝った。沖縄の気持ちを結果で示すことができて本当にうれしく思っている。

 

 デニー陣営は呉屋さんをはじめ沖縄の歴史に詳しく知恵もある人人が後ろで支えていたことが大きかったと思う。これから上からの締め付けもきつくなると思うが、沖縄の人人の思いに応えるために頑張ってほしい。当選後のコメントを見て辺野古新基地建設反対には「ブレない」という決意を感じたし、県民の支えを受けて先頭に立ってやりぬいてほしい。

関連する記事

Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterEmail this to someone

この記事へのコメント

  1. むるまんすく2号 says:

    デニーさんに続こう!
    日本解放のオールジャパン!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。なお、コメントは承認制です。