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玄海原発で水蒸気漏れ事故 配管に1センチの穴 再稼働に潜む危険性を暴露

水蒸気漏れ事故をおこした玄海原発(佐賀県玄海町)

再稼働からわずか7日で

 

 玄海原発3号機(九州電力、佐賀県玄海町、出力118万㌔㍗)で3月30日、蒸気漏れが発生し翌31日発電と送電を停止した。2010年12月の定期点検で停止して以来、7年ぶりに再稼働を強行してからわずか7日しかたっておらず、福島原発事故で原発の安全神話が崩壊したうえ、地震や火山列島の日本での原発建設に各方面から反対の声が上がるなかで再稼働を認可した国と電力会社の責任が問われるものとなっている。再稼働直後のトラブルは高浜原発4号機でも起こっており、長期にわたって停止していた原発の再稼働の危険性が指摘されている。

 

 九電の発表では、玄海原発3号機は3月23日に再稼働し、25日から段階的に発電出力を上昇させ、30日には75%に達していた。30日午後7時ごろ2次系の配管から蒸気が漏れているのが発見された。31日午前1時から出力を下げる作業を開始し、午前6時過ぎに発電と送電を停止した。ただし、核分裂を抑える制御棒は入れず、原子炉内の核分裂反応が連続して起こる「臨界」状況は維持するとしており、今後緊急事態に直面する可能性も残っている。


 九電は「放射性物質の漏れはない」として配管の温度が下がった4月1日午後2時ごろから蒸気漏れの原因を調べる作業を開始した。1日の点検では、配管に直径1㌢ほどの穴があいていたことが確認された。


 福島原発事故でも地震によって配管が破損し重大事故につながったことが立証されている。これまでも頑丈につくられた原子炉本体よりも数百~数千本といわれる配管の破損が原発の重大事故の原因となっている。しかも長期間運転を停止していた原子炉の再稼働では、配管などの劣化が進み危険性が高まることを専門家は指摘している。

 

県への報告は事故から2時間後


 また今回問題になっているのは、九電が水蒸気漏れが起こったことを佐賀県に報告したのは、発生から約2時間後の午後9時だったことだ。県民の安全を第一にした対応ではないことに抗議が起こっている。


 玄海原発3号機は今年1月の再稼働を目指していたが、昨年10月以降、神戸製鋼所や三菱マテリアルの製品データ改ざん問題が発覚し、部品の安全性確認で2カ月遅れた。


 また、四国電力の伊方原発3号機(愛媛県)は昨年12月に火山リスクを重視した広島高裁が運転差し止めの仮処分を決定した。広島高裁は伊方原発から約130㌔離れた阿蘇山の噴火の影響を考慮して原発の立地として不適と断じた。玄海原発も阿蘇山から約130㌔圏内にある。


 玄海原発3号機の再稼働が強行された3月23日には、長崎県内の議会で反対決議があいついだ。いずれも全会一致。


 平戸市議会の決議では、福島原発の事故について「原発に絶対的な安全はなく『安全神話』が誤りであったこと、いったん事故が発生すると、現在の科学技術力では事故収束が容易でないことを実証するものとなった」と指摘し、「平戸市議会は福島第1原子力発電所の事故原因究明がなされて、原発の安全性検証の手段が確立されること、実効性のある避難計画や方法などが確立されることがなければ、現状では市民の安全を守ることができないものと判断し、市民の理解が得られない限り、玄海原子力発電所再稼働に反対する」としている。


 壱岐市議会も同様の決議を上げた。「壱岐市は30㌔圏内地域の中では最も人口が多い離島であり、万が一事故が発生すれば壊滅的な打撃を受け、全島民避難を余儀なくされる。避難は船舶が主で、荒天や台風なども考えられ、全島民が避難するには5日半かかると想定される」として再稼働に反対している。


 また、玄海原発から30㌔圏にある松浦市の市議会は3月8日、再稼働に反対する決議を全会一致で可決した。


 決議文は玄海原発の再稼働に対し、「安全性や避難方法に関する不安や疑問から、市民の間に反対の声が根強く存在している」と指摘し、国などに求めてきた避難計画の実効性を確保するための道路や港の整備も進んでおらず、「このような中、再稼働に向けた取り組みが着実に進行していることを看過できない」としている。


 同市議会は昨年4月にも再稼働に反対する意見書を可決し、国と長崎県に送付している。友田吉泰市長も再稼働に反対を表明している。
 福島原発の二の舞になりかねない玄海原発再稼働強行に対する反対世論が圧倒している。

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