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財務省が値引きのシナリオ提示 ー森友学園巡る交渉音声データが示す事実ー

 森友学園の国有地売却疑惑をめぐり、国と学園側の交渉内容を記録した音声データが関係者によってあいついで公開され、財務省が森友学園の要求に応じて国有地の売却額を恣意的に値引きしていた詳細なやりとりが明るみに出ている。

 

 FNNが報じた音声データでは、「2016年3月下旬」におこなわれた国側と森友学園との打ち合わせの席で、国側の職員が「3㍍まで掘ってますと。その後で土壌改良というのをやって、その下からゴミが出てきたというふうに理解してるんですね。その下にあるゴミっていうのは国が知らなかった事実なんで、そこはきっちりやる必要があるでしょうという、そういうストーリーはイメージしてる」と発言。「国が認知しなかったゴミ」の存在を作り出し、その処分を国費で負担するという値引きのシナリオを提示している。

 

 だが、工事業者(藤原工業)が「そういうふうに認識を統一した方がいいのであれば、われわれは、合わさせていただきますけれども、でも(3㍍より)下から出てきたかどうかっていうのは、わたしの方から、あるいは工事した側の方から、確定した情報として伝えていない」と、ゴミの存在を否定している。

 

 それに対して、池田靖・国有財産統括官(当時)が「資料を調整するなかで、どういう整理をするのがいいのかということで、ご協議、協議させていただけるなら、そういう方向でお話し合いをさせていただければありがたい」とのべている。地下から膨大なゴミが出てきたという事実をねつ造し、それを「国の瑕疵(かし)」とすることで大幅な値引きをやるという手順をすり合わせており、国が積極的に値引きに関与した動かぬ証拠が露呈している。

 

 このシナリオ通り、同年3月11日、藤原工業が校舎建設の基礎杭を打っていたところ9㍍の深部からごみが出てきたと報告。それを受けて近畿財務局に3㍍以深に2万㌧のゴミがあると発表し、撤去料は1㌧当り4万円として値引き額を計8億1900万円と独自に算出した。これを受けて、6月に森友学園が賃貸から売買契約へと切り替えて用地を取得している。

 

 値引き額について麻生太郎財務相や佐川前理財局長は、「法に従い、適切に処理している」「一切、予断を持って先方(森友学園)に内容(売却額)を申し上げることはない」「こちらから提示したこともないし、先方(森友学園)からいくらで買いたいといった希望があったこともない」とくり返しながら、「記録は捨てた」「データも消去した」と答弁してきた。だが、次次に明らかになる音声データは、これらが真っ赤な嘘であることを裏付けている。国会答弁での偽証罪、ならびに不当に国有地を値引きした財務省の背任罪を焦点にしなければならないものだ。

 

 同じく著述家の菅野完氏が公開した音声データは、同年5月18日、森友学園が運営する塚本幼稚園での籠池夫妻と近畿財務局の池田統括官と三好管理官との面談記録である。

 

 ここで「ゼロに近い形で(国有地)払い下げをしてほしい」と語気を荒げる籠池前理事長に対して、池田統括官は「理事長がおっしゃるゼロに近い金額まで、私はできるだけ努力する作業を今やっている。だが(ゴミ撤去費用として国交省が支払った)1億3000万円を下回る金額にはならない」とのべている。

 

 さらに、ダイオキシンの存在まで主張して声高に値引きを迫る籠池夫妻に対して、池田統括官は「(ゴミ撤去費用として)有益費で国が立て替えて頂いたんですけれども、国でお支払した金額よりもですね、さらに低くなるというのはちょっともう、そこはもう…」と売却額への理解を求め、「いわゆる提示させていただいた土地の取得価格をもって、事業計画、資金収支を計算していただいて。それがシミュレーション的に成立するかという判断をしてもらうということが大事」「来月早早には、金額をご提示させていただくので、それでご判断いただきたい」と早めの値段提示を約束し、「1億3000万以下への値下げは厳しいが10年分割の支払いなら可能」「劇的に月額の負担料が安くなる」と譲歩案まで提案している。

 

 これも、2月の国会における「分割払いはこちらから積極的には説明していない」という佐川前理財局長の答弁とは食い違っている。

 

 この2週間後の5月31日に、不動産鑑定士は土地評価額を9億5600万円と国に報告し、国は約束通りにゴミ撤去費として約8億1900万円(約九割)を引き、1億3400万円で森友学園に売却した。それも金利1%で10年間の分割払いという破格の厚遇だ。こうした財務省の対応は、「安倍晋三記念小学校」と銘打ち、名誉校長に就いていた首相夫人の直接関与なしには考えられない。特捜部は、籠池の逮捕・処罰だけでなく、財務省の背任罪、さらにはそれを遂行させた政治の関与も明らかにしなければ誰も納得しない。

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