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れいわ新選組の「STOP!インボイス」街宣 500万零細事業者の死活問題 不景気加速させる愚策 “10月導入の中止を”

れいわ新選組の「STOP!インボイス」街宣。左から安藤裕、神田知宜、山本太郎の各氏(17日、新宿駅西口)

税理士や当事者が問題点を指摘

 

 今年10月にインボイス制度の導入が迫っている。個人事業主やフリーランスなど多くの免税事業者、そうした人々と取引する課税事業者を苦境に陥れるだけでなく、大増税の布石であることに、各産業から中止を求める声が上がっている。れいわ新選組の山本太郎代表は17日、「STOP! インボイス! 街宣」を税理士で元自民党衆議院議員の安藤裕氏とともに実施。この国の経済を悪化させ、人々を困窮させるようなインボイス制度を止めることを訴えた。

 

 山本氏は初めに、消費税が一部しか社会保障に使われていない実態について改めて指摘し、消費税増税は法人税引き下げの穴埋めのためにおこなわれてきたこと、減税されて助かっているのは過去10年、毎年過去最高益をあげている大企業や資本家であり、社会保障のために消費税があるわけではないことを訴えた。

 

 「このような形で、買い物をすれば罰金をとられる状態が年々増えていっている。これによって社会にお金が回らなくなる。消費=物を買ってくれる行動は、だれかの給料、所得にかわっていく。その循環を弱らせていくのが消費税の悪いところだ。しかも景気が悪いときに何度も増税し続けるという、まるで経済音痴のような経済政策が当たり前のようにこの国では数十年続けられた。その結果、この国は30年成長していない。先進国唯一だ」と指摘した【グラフ参照】。

 

 25年の不景気で1世帯当りの所得の中央値は約131万円低下し、「生活が苦しい」と感じている世帯の割合は、コロナ禍・物価高が始まる前で、全世帯の54・4%、母子世帯では86・7%にのぼることにふれ、「この状態にコロナが来て、物価高が加わった。この状況でやるべきことは消費税廃止しかない。だが消費税廃止は永田町では響かない。それどころかさらに消費税を増税していこうという動きがかなりある。その入り口として今立ちふさがっているのがインボイスだ」とのべた。インボイスで小規模事業者やフリーランスから消費税をとることになると、300万~500万人の人々が生活が厳しくなり、社会にお金が回らなくなり、さらに国が壊れてしまうと訴えた。

 

「預かり金」というウソ 安藤裕氏が解説

 

安藤裕氏

 安藤裕元衆議院議員は、消費税が導入されてから日本の経済が停滞していったことがデータで明らかになっているにもかかわらず、自民党内では今も「われわれの経済政策はうまくいっている」という認識だとのべた。3カ月に1度出るGDPの速報がプラス成長であることが理由だという。だが、他の先進国が2~3%伸びているのに対し、日本は0・1、0・3。など、プラスといえない状態であることを明らかにし、その元凶が消費税だと指摘した。そのうえで「消費税は預かり金」という、多くの人が認識している論調をはじめ、消費税の説明には多くのウソが含まれていることを具体的な例をあげながら明らかにした。

 

 財務省は消費税について「消費税は商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に対して広く公平に課税される税で、消費者が負担し事業者が納付する」と説明している。しかし、平成元(1989)年におこなわれた免税事業者に納税を求める裁判で、財務省は「事業者は、国内において行った課税資産の譲渡等につき、この法律により消費税を納める義務があると規定しているのであって、事業者が納税義務者であることは明らかである」と主張している。安藤氏は、ここに「消費者」という言葉は登場せず、財務省は「“消費者が納税義務者”なんて法律に書いていないといっている」と指摘し、実態は事業者に直接課される直接税であるとのべた。

 

 さらに同じ裁判で財務省は、「事業者が取引の相手方から収受する消費税相当額は、あくまでも当該取引において提供する物品や役務の対価の一部である」と主張していることをあげた。これは、「110円のコップを売った場合、そこに10円の消費税が入っているのではなく、たんに110円で購入することで消費者が納得したというだけのことだという意味だ」と説明。「“自分が払った消費税をちゃんと納税してくれないと困る”と思っていると思うが、みなさんが負担しているのは消費税だけではない。事業者の利益にかかる法人税や固定資産税、給料、仕入れ代、家賃、水道光熱費などすべての経費が入った売値が110円だ。当然そこには利益も入っている。110円のうち10円が消費税だというのは理屈としてまったくおかしな話だ。だが、それが正しいと信じ込まされている」とのべ、レシートに「うち消費税10円」と記載されていること(事業者は表示方法が定められているため、そのように表記している)自体にウソが含まれていると指摘した。

 

 「消費税は預かり金」という見解から見ると、免税事業者は消費者から預かった消費税を納税していないから、「益税だ」という論理になる。安藤氏は、実際の消費税の課税について以下のように説明した【図参照】。

 

 会社の売上のうち、経費を差し引いた残りが利益になる。消費税は、「売上にかかる消費税から、仕入れにかかる消費税を差し引いて納税する」となっているが、実態は「利益+非課税仕入れ」に課税しているのと同じだ。法人税などは利益だけに対して課税される。ところが消費税は「利益+非課税仕入れ」に課税され、非課税仕入れで一番大きいのは人件費だ。だからものすごくえげつない税金だ。

 

 中小企業や事業を立ち上げたばかりの人たちは、まだ価格競争力もないし、なかなか利益も上げられない。そういう人たちを守るために免税制度が存在している。だから免税制度はそもそも「預かった消費税をポケットに入れていいよ」という制度ではなく、まだ価格競争力のない、それほど利益を上げることができない事業者を保護し、育成するための制度だ。ベンチャー企業を育成したり、手作業で家内工業のような形でコツコツと仕事をしている人たちを守るためにある制度だ。だからこれまで、免税制度が存在することがおかしいという話にならなかった。消費税が預かり金であれば、納税しなければおかしいという話になるが、そうではなく、消費税は事業者に直接課される税だから、100万、200万しか売上のない人にこれほど過酷な税金を課すと、事業などやっていけない。だから免税事業者が存在した。これをつぶそうとするのがインボイス制度だ。

 

事業継続できず廃業も 値上げか身を切るか…

 

マイクを握る山本太郎氏

 山本代表は、消費税は非常に複雑でわかりにくく、簡素の原則に反していることを指摘したうえで、インボイス制度について話した。売上1000万円以下の事業者は消費税が免税になる免税点制度について、「“ずるいじゃないか”という話だが、これは小規模事業者が消費税まで払うことになると手続きだけでも大変だし、利益を削って納税することになり、生活が立ち行かなくなるということで、ずいぶん前からあった制度だ。大きな事業者と小さな事業者では体力が違うからハンデをつける意味だった」とのべた。

 

 東京地裁判決のまとめとして、
・消費税は「対価(価格)の一部」であり「預かり金」ではない
・過不足なく国庫に納付する義務を消費者との関係で負うものではない
 の2点をあげ、「税金のネコババだ」という論や「消費税を納めていない者が納めるのは当たり前だ」という論は間違いだと指摘した。

 

 インボイス制度導入後も、売上1000万円以下の事業者は、消費税を払うか払わないか、建前上は「選べる」ことになっている。しかし、免税事業者のままでいると、仕事が続けられない状態に追い込まれる。

 

 山本代表は「中小零細など300万から500万ぐらいの事業者に大きな影響が出る恐れがある。請負業者、フリーランス、個人タクシーの運転手さん、演劇人、映画人、出版関連、イラストレーター、音楽教室で教える人、英語教室、生命損害保険代理店、農家、建設のひとり親方、さまざまな人たちに対してこれから重い重い年貢がかかってくる。続けられず廃業してしまうかもしれない」とのべ、「決して大儲けはできていないけれど、自分の好きな音楽を聴いてくれる人がいる、好きな絵を描いて喜んでくれる人がいるっていうような、日本の文化芸術を支えてる人たちが途絶えてしまう」とのべた。

 

 インボイス制度の導入で新たに見込まれている税収はおよそ2800億円。「国家財政で2800億円といったらそこまで莫大な金額ではない。それほど欲しいのだったら、一番もうかっている資本家たちからとればいい」とのべた。

 

 インボイス導入で、免税事業者をみずから課税事業者に転換させ、その先にあるのは消費税増税だと指摘し、「今あなた自身が切られる対象じゃなかったとしても、その刃は必ずあなたに向く。消費税は資本家、大企業が減税してもらうために増税されるものだ。彼ら資本家たちは2025年までに消費税を19%まで上げろとずっと前からいっている。つまり、この先も自分たちの税金を安くしろということだ。小規模事業者が仕事を続けられなくなれば、それまで稼いでいたよりもさらに安い所得の一般労働者として社会のなかに入ることになる。より安い労働力が大量に確保できるという意味でも、ものすごく考えられたインボイスだと感じる」とのべた。

 

 当事者の発言もまじえながら街宣が進行するなかで、安藤氏は、インボイス制度で負担の押し付けあいが始まることを、電気代の値上げを例に説明した。たとえば太陽光パネルは個人の家庭に設置されているものも多く、個人は免税事業者だ。その電力を購入している電力会社はインボイス制度の導入で消費税負担が増加するため、負担増加分を電気料金に上乗せすることが経産省の主導で検討されている。

 

 安藤氏は「たんなる増税だから、免税事業者が負担するのか、発注者が負担するのか、それとも電力会社のように消費者に負担させるのか、という負担の押し付け合いが始まる。これだけ景気が悪いのに増税する政府がどこにいるのか。これだけ物価が上がっているのに、さらに物価を上げる政策をとる政府がどこにあるのか」とのべた。

 

 山本氏と安藤氏は、世界的にも消費税に匹敵する付加価値税などが存在するが、どの国も景気が悪いときには上げないのが普通であること、コロナ禍で世界中が減税する動きをするなかで、日本だけ減税しなかったことを指摘した。

 

ボイコット大作戦で中止を 税理士の神田知宜氏

 

神田知宜氏

 税理士の神田知宜氏(どんぶり勘定事務所)も登壇し、自身が呼びかけている「インボイス制度ボイコット大作戦」について話した。神田氏も「インボイス制度が導入されると、その先には増税が控えているといわれている。消費税は事業者のコストであり、コストが上がると事業者は値上げし、物価が上昇する。事業者も困るし、サラリーマンの家庭も家計が逼迫することになる。みんな、どうせ導入されると諦めているが、まだやりようがある。それがインボイス制度ボイコット大作戦だ」と話した。

 

 内容は2つ。1つは、ギリギリまでインボイス登録をしないこと。もう1つは登録してしまった人は取り下げること。神田氏は、登録者が少ない、あるいはいなければ、制度自体が成り立たないと指摘し、この2つを多くの事業者が実行することで10月導入の延期を求めていくことを提案した。どんぶり勘定事務所では、一度登録してしまった人が取り下げるさいの書類の雛形を無料でダウンロードできるようにしているとのことで、活用を呼びかけている。

 

 一般消費者の場合は、「インボイス制度を考えるフリーランスの会(通称STOP! インボイス)」がおこなっているオンライン署名への協力を訴えた。現在、署名は20万人に達する勢いで集まっており、30万件を目標に募っている。

 

各分野の当事者が語る “実質的な大増税”

 

 インボイス制度の影響を受ける当事者からの意見を受けつけるオープンマイクでは、フリーランスや演劇人、飲食店主などが発言した。

 

 都内でクリエイティブ系の仕事をしているという男性は、「先日、物価高があまりにもひどいので、フリーランス仲間たちと制作会社にギャラアップの交渉をした。すると“予算がないので、かわりを探す”といわれた。よく、インボイスが導入されたら価格交渉をすればいいじゃないかと、涼しい顔でいう人がいる。しかし、そんなこといわれなくてもフリーランスは日々やっている。だからこそ、デフレ、コストプッシュインフレが続く日本で価格交渉の難しさを一番よく知っているのがフリーランスや小規模事業者だ。そこに増税するのがインボイスだと思っている」とのべた。

 

 また「益税」論について、「現状の価格設定は、免税点制度ありきの価格設定だ。そうしたわれわれがつくったものを、世の中の人たちが享受していることも忘れないで欲しいと思う。制作現場は取引先も含めてみな仲間だ。先ほどの“予算がない”といった制作会社からも、フリーランスはインボイスで大変ですねといわれている。その制作会社にしても、ギャラの値上げは死活問題だ。インボイスはすでに現場で分断を生んでいる。だが、問題点に気づいていない人たちがまだたくさんいる。インボイスに絡んで、電気代や砂糖の値上げ、シルバー人材センターの事務手数料引き上げの話も聞かれている。農家でも同じことが起きようとしている。これは値上げといってもだれかの所得になるわけではない。このまま施行されれば、日本はさらに貧しくなるものと危惧している」と訴えた。

 

 俳優の女性は、「今まで政治のことに声を上げることもなく来てしまった。私はご通行中の人たちにもぜひ声を届けたい」とのべた。

 

 文化・芸術業界では、インボイス制度導入で2~3割が廃業を考えているというアンケート結果も出ている。女性は当初、文化芸術の業界が衰退してしまう、演劇やアニメーションなどサブカルチャーからサブがなくなってしまう、という危惧を持ち、仲間と一緒に活動を始めた。だが、活動し勉強するなかで、文化芸術業界だけの話ではないことに気づいたとのべた。

 

 「すべての人にかかわってくるのがインボイス制度だ。政治は私にとってハードルが高かったが、実はすべて生活にかかわってくることだということを知った。声を上げるのは今まで怖い特別な人、ちょっと変わってるという捉え方をされていた。私も攻撃されたりしたが、そうではない。子どもたちのために、いい日本を残していくために私たちが頑張っていかなければいけないということ、政治に対して声を上げるのは特別なことではないことにも気がついた」とのべた。

 

 そして「税金を払いたくないわけではない。健全に働いて正しく税金を使ってもらえるのだったら喜んで納税したい。しかしインボイス制度が導入され、廃業してしまったらどうなるのだろうか。好きで続けて夢を見て頑張っている人、親からひき継いだり、技術を身につけて頑張ってきた人たちがその職を失うということだ。生活保護になってどうするのだろうか。アニメーションがなくなっていったら夢のない世界にならないだろうか。クールジャパンといわれているが、それをなくしてしまうのはどうなのだろうか」と投げかけた。

 

 インボイス登録をすると、誰もが名前や住所などがダウンロードできてしまう問題も未解決だとのべ、「圧力がかかると思うが、9月末までは登録しなくて大丈夫だ。なにかあったら相談できるようなところがあるといいと思う。国民同士が分断を起こさないようにできたら一番いい。ぜひ一緒に政治の方に目を向けていこう」と呼びかけた。

 

なぜ物価高不況に弱者の首締めるのか

 

 東南アジアのアンダーグラウンドなどをテーマに作家活動をし、現在は日本の貧困問題などを追っている作家の鈴木傾城氏は「今、日本で平均年収186万円くらいの本当に年収が低い人が1200万人いるという。彼らはほとんどが非正規雇用で、かつ中小企業や零細企業に雇われている。インボイスが導入されると、中小零細も、個人事業主もみんなダメージを受ける。そうすると、彼らはもっと仕事が見つけにくくなる、あるいは年収が下がっていくのではないか。これ以上日本人に税金をかけてどうするのか。今、これだけ内需が落ちている。消費が落ちて日本はもう30年立ち直っていない。病気みたいな日本の国の人たちにもっと税金をかけるというのだから、もう病人の首を絞めるようなものだ」と話した。

 

 東京都に住む男性は、幼い頃に両親がプロパンガスや石油などの配達業を下請でしており、消費税導入時に計算方法がわからず、税務調査に入られた経験を語り、「こんな手間な作業を税率が変わるたび、税制度がかわるたびにやらなければならないのかと、税理士と母親がやりとりしていたことを克明に覚えている」と、消費税の事務処理が中小零細企業にとって大きな負担であることを話した。

 

 現在、友人の多くがフリーランスで働いており、なかには1000万~2000万円の売上を出して法人化できる状態の人もいるものの、立ち上げ時期は競争力がないため200万、300万円の人も多いという。

 

 「その方々は自分が大好きな仕事で、こういう日本をつくっていくんだと頑張っており、僕も仲間と一緒に頑張ってきた。その友人たちにインボイス制度があることを知っているか聞くと仲間全員が知らなかった。自分なりに勉強したことを話すと、“売上200万、300万の世界のなかで消費税10%なんて払ってられるか”という話になり、“俺たちに首をくくれというのか”と怒っていた」と話した。

 

 東京都内で飲食店を経営している女性は、「私の店は消費税を納めている。インボイスの話を聞いたときに、わかってない人にいつも話すのは消費税の請求の恐ろしさだ。店がオープンしたときは消費税5%だったが、8%、10%と上がっていき、そのたびに経営が厳しくなってきている」とのべた。

 

 また「コロナ前だが、10%をこえたときに消費税の請求額が預金残高を上回った年があった。そのときは本当に震え、倒産かと思った。今もギリギリやっているが、年収200万、300万ぐらいの人に、ちょうど今の時期、消費税の請求が10%分届くのは、ものすごい恐ろしいことだ。ピンと来ていない方が多いように見受けられるが、5万円でも請求が来たら、家族で旅行に行ったり、少しいい服が買えたかもしれない金額を毎年必ず払わなければならない。インボイス制度は大反対。これ以上の増税で国民生活をこれ以上困窮させてはいけないと思っている。一人でも多くの人に増税反対という形でインボイス制度に反対してもらいたい。れいわ新選組が国民の最後の砦だと思っている。これからも頑張ってほしい」と話した。

 

 小劇場で役者をしている男性は、昨年10月から「インボイス制度を考える演劇人の会」を有志と立ち上げ、勉強会や、他の団体と議員に陳情に行くなどの活動をしていることを話した。

 

 演劇業界では、2020年に始まったコロナ禍で約9割の関係者が舞台の中止・延期を強いられた。「演劇人の会」が昨年10~11月におこなったアンケートに567件の回答が寄せられ、インボイス制度が導入されると約2割の演劇関係者が廃業する可能性があることがわかったという。

 

 「演劇は、近い距離感でお客さんと接するため身元がばれやすく、なかなかこのような場で発言することが難しい職業ではある。だが、自分はそれでも声を上げて、一緒に声を上げる方が増えてほしいと思い、この場に立たせていただいた」と話した。

 

 また、インボイスが分断を生む制度であることを強調した。そして演劇業界では、役者が免税事業者だと主催者の消費税負担が増えるため、インボイス登録している役者を雇うというようなことが起こってくると語り、「電気代や砂糖の値上げは氷山の一角に過ぎないと思っている。今、さまざまな業界に影響が出てくることがわかってきたので、みなさんに関係すること、自分に関係することとして、分断を生むインボイスを止めるために、みんなで手を携えていきたいと思う」とのべた。

 

 安藤氏は、改めて消費税は預かり金ではなく、事業者に課せられた直接税であり、価格競争力のない、売値に消費税を転嫁できない人は苦しくなる一方で、大企業など価格転嫁ができる企業は有利になることを指摘。「マスコミに出てくる『有識者』はそういう強い人たちばかりだ。だからテレビなどで“預かっていたものを納めなかった免税事業者はずるいじゃないか”という話をする。だが価格競争力がなく、消費税が10%に増税されても商品の値段を上げられない人がたくさんいる。そういう人たちにとってはたんなる増税、負担増に過ぎない。そうした事業者を保護する免税制度はきわめて合理的な制度だ。そうした人たちに消費税を払えというインボイス制度はなんとしても阻止しなければいけない」とのべ、まずは9月末までに反対の声を広げていくことを呼びかけた。

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