いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

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東日本大震災めぐる記者座談会 独立日本へ戦後政治大転換を

 東日本巨大地震の発生から一週間が経過した。東北地方を中心に地震による強烈な揺れと沿岸の町町を襲った巨大津波によって死者・行方不明者が2万2000人、避難者数は31万人を超える未曾有の大災害となっている。さらに、被害は林立する原発群の同時多発的な事故に波及している。それは、まともな情報を流さない政府の対応とあわせて被害を深刻なものにし、日本列島を放射能汚染による破局的な危機に陥れようとしている。本紙では、ここまできた地震、原発災害の経過と要因、それへの政府対応の問題点、この危機的事態を立て直す方向性について記者座談会をもって整理した。

 危機的な福島第一原発 深刻化する放射能被害

 A 最大問題になっている福島原発事故を見ると、福島第一原発1~4号機は依然として危機的な状況にある。地震の衝撃とともに制御棒が差し込まれて自動停止したが、核燃料は熱を出し続けるので引き続き冷やし続けなければならない。だが、いずれも津波によって外部電源が途絶え、冷却水を炉心に送るための非常用ディーゼル発電機も作動せず、「緊急事態」になった。はじめから現場はわかっていたが、政府もマスコミもその危険性を知らせなかった。
 12日に1号機が爆発し、建屋上部が吹き飛んだ。14日には、3号機がもっと大規模な爆発を起こし建屋が崩壊した。つぎに2号機でも冷却水が蒸発して、核燃料棒がすべて露出している可能性が高まった。だが、トラブル続きで放出弁が開かず、とうとう内部の圧力が高まって格納容器の一部が破裂。高濃度の放射性物質が外部に放出された。
 さらに、定期点検中で停止していた4号機で、原子炉の上部にある使用済み核燃料プールの水位が下がり始めて大量の燃料棒が露出した。ここでも爆発と火災が起こり、建屋の穴から放射能が直接外へ漏れ出す事態となっている。3号機の使用済み核燃料プールでも水が沸騰して、燃料棒が露出。すでに建屋は爆発してなくなっており、大量のウラン、プルトニウムを含む核燃料が完全にむき出しになる危機だ。これを防ぐため自衛隊、東京消防庁などを総動員して海水をかけ、冷やし続けている。
 とくに3号機は、プルサーマルなのでMOX燃料を使っている。これは通常のウラン燃料よりも溶けやすいうえに放射能が高い。熱エネルギーも強烈で、地中に埋められる温度に下がるまで500年もかかるといわれる。使用済み核燃料もプルトニウムの含有率が高く、他とは比較にならない重大事故につながるため特別重視されている。
 C 原発災害の危機はまだ終わっていない。沈静化させるまで長期間かかるし、それまで放射能は放出し続ける。炉心が溶けるなり、燃料を覆う被覆管が崩れて核燃料が集まれば「再臨界」(核爆発)の危険性がある。爆発しなくても水をかければ水蒸気となって放射能は放出され続ける。出力エネルギーは四基あわせてチェルノブイリ原発の約3倍で、広島型原爆1500発分の死の灰を蓄積している。使用済み核燃料も含めると放射能の量は計り知れない。
 D 政府もマスコミも、はじめは「自動停止したので安全」といっていたが、非常装置が動かず緊急事態になってから騒ぎ出した。現場は一刻の猶予も許されないのに、「現場視察」といって菅首相がヘリで飛んで行った。総理大臣の世話で現場対応を遅らせたという指摘もある。そして菅首相が帰ってから「原発は安全」といっていたら、すぐに1号機が爆発した。だが、その後も「安全だ」「想定の範囲内だ」といって、危険予測を出さなかった。
 A 東電は、1号機から大量の放射能が出ていた14日の時点で「全員退避」を政府に打診していた。現場としてはあの時点でお手上げだった。ついに3号機も爆発し、現地の所長判断で50人程度を残して避難させた。何度もチェルノブイリに視察に行っていた研究者が双葉町に行くと放射線測定器が振り切れ、「これはチェルノブイリ以上だ」といっていた。
 B 海水を入れたから安全とはいえない。原子炉は一種の塩釜になっている。1㌧の海水には、30㌔以上の塩が含まれ、原子炉の熱で水分が蒸発し、底にはどんどん塩が溜まっていく。燃料棒まで塩に包まれると対流が起こらなくなって冷却効率が下がるし、圧力容器の底や配管、バルブは塩でふさがれてしまう。発生する大量の塩素で鋼鉄製の容器も腐食していく。1、3号機は爆発しており、そこに電気を流せば、漏電による火災、爆発も含めて予測できない危険性を秘めている。
 D 大量に放水しているが、その水はすべて海に流れている。22日の発表では、放水口付近の海水から安全基準の127倍のヨウ素、25倍のセシウムが検出された。あのあたりの海流は黒潮に乗って三陸沖まで行き、親潮とぶつかる。三陸沖は日本有数の好漁場だ。カツオ、マグロ、スケソウダラ、イワシ、アジ、サバなど魚種も豊富で、西日本からもまき網などが漁に行く。深刻な漁業被害だ。海に放出された放射能が海草に付き、それをプランクトンが食べ、それを魚が食べる。食物連鎖によって濃縮された放射性物質を含んだ魚を食べれば、内部被曝につながる。
 E 農業も壊滅的な打撃だ。ホウレンソウなどの葉物野菜はもちろんだが、放射能が水に混じって土壌にしみこめば根からも吸収される。それを人間が食べれば、体内に蓄積された放射能で細胞がやられ、ガンを引き起こす。すでに福島、茨城、群馬などで野菜や牛乳で放射線量が基準値を超え、出荷停止になっているが、東京の食糧基地である関東一円の農業地帯が壊滅している。冬型気圧配置が終わると今度は海から内陸に向かって風も吹き始める。水道水が汚染されれば、農業どころかさらなる避難地域が出てくる危険性がある。
 D 20㌔圏内で避難、30㌔圏内で屋内退避となっているが、それ以上に広域の放射能汚染だ。放射線レベルも、1時間あたりの値しかいわないが、1カ月浴び続けていたらどうなるかが問題だ。放射能の放出は止まるめどはなく、まだまだ放出が続くだろう。
 A 政府が予測を出さないから人人は危険に対する備えができない。作業員は常に被曝線量をチェックするなど管理された中にいるが、何も知らされず放置されている住民は無防備だ。一旦被曝してしまえば、細胞を破壊される。放射線は、活発な細胞ほど影響を受けやすく、とくに子どもや妊婦は、甲状腺ガンや生まれてくる子どもへの障害につながるため優先的に退避させなければいけない。
 B 放射線を扱う場合は、必ず「管理区域」というのが定められる。放射線の量がある程度高くなると健康上の問題が生じるので、被曝量を測定したり、健康診断をしたりする必要のある区域だ。その基準値は3カ月で1・3㍉シーベルト(1300マイクロシーベルト)で、1時間あたりにすると0・3マイクロシーベルトになる。福島県内は、この一週間、ほぼ全域で1時間あたり1マイクロシーベルトを超えている。全員が放射能測定器を付けないといけないレベルだ。必要な情報も流さず、対策もとらないとなると、まさに見殺しだ。

 迅速に動かぬ政府 統治能力のなさ露呈

 C 政府やマスコミの対応に大きな問題がある。テレビは原発が爆発する前から被災地の実況中継を延延とやるだけ。政府はこの緊急事態に対してなにをするか、国民になにをアピールするかがない。住民が避難生活で困っているのだから、ヘリでも動員して必要な物資をすぐに届けなければいけないし、あれだけ土砂で埋まっているのなら、日本中の土建業者に号令をかけてどんどん片付ければいい。内航船もたくさん余っているし、接岸できなければ沖合にとめ、小回りのきく船で物資を運べばすむ。危機に対する統治能力のなさがあらわになった。
 D 実情を眺めているだけで、それに対応する行政機能、官僚機構が働かない。「全体の被害が把握できないから動けない」というが、把握できなくてもやるべき事はある。これまでの災害の蓄積もあり、対応するマニュアルがあるはずだ。
 F 自衛隊、消防、行政、それぞれに役割分担がある。消防の人の話では、支援物資が必要なら、まず陸自が道路の復旧を急ぐ、その間に空輸で物資を運んだり、接岸できる港を確保して船で運ぶ、そして消防は救助にあたるなど、全組織を統括して役割分担をして現場にあたらせる必要性があるのだという。「人命を救助する」急を要するときに迅速な動きがないことにいらだっていた。
 B 被災地が広域なら全国の組織を動員すればいいことだ。2月のニュージーランド地震では「救出は72時間が生死の分かれ目」といっていたが、48時間たっても、72時間たっても動かない。政府に焦っている様子がない。外国救援隊が急いで来たが動きようがなかった。「日本政府は国民を救う意志があるのか」と疑われていた。
 D 東北自動車道も、通れるのに全面封鎖した。緊急車両を通すためだというが、避難民が脱出したり、救援車を行き来させたりするのに道路は必要だ。渋滞しそうな時点で閉鎖するなどの対応はできるはずだが、それが全面ストップだった。被災地に人人を閉じ込める統制が働いていた。

 国民見殺しの対応 米軍の軍事機密守るため

 C 原発災害への対応は、戦後政治を象徴している。もともと原発は、アメリカが原爆開発のマンハッタン計画の途上、原子炉でウランを燃やしてプルトニウムをつくる際、生まれる膨大な熱を発電に利用したのがはじまりだ。日本には、1950年代末からCIAのエージェントだった正力松太郎(読売新聞社主)と中曽根康弘がアメリカの要請で誘致し、はじめからアメリカ従属の構図でスタートしている。日本は世界でも有数の地震大国だ。そんなところに五四基も原発を建てたらどうなるのか、それを承知のうえで進めている。それよりもアメリカのエネルギー戦略、核戦略が優先だ。
 万事アメリカのいいなりで、その下で利権をあさり、「あとは野となれ」の見殺し政治だ。国民の生命と安全を守るという意志も能力もないということが暴露された。原子力政策にそれが象徴的にあらわれている。
 A 原子力についてはアメリカが特許を占有し、日本のメーカーは莫大な特許料をアメリカに払う関係だ。福島第一原発の沸騰水型原発はアメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)社の設計で、東芝や日立などが下請でつくっている。日立の原発技術者が「自分たちにはわからない部分がある」といっていたが、特許があるためアメリカからの技術提供がなければ修復一つできない。今回の事故でも、1号機は丸ごとGE製なので、急きょ運んできた東芝の発電機では電圧などが違うため対応できなかったという。
 F 現場で修復させる責任があるのは、なによりもまず原子力メーカーだが、GEの技術者は現場に行かない。東電の下請社員や消防、自衛隊など専門知識のない人ばかりが放射能にまみれて応急処置をしているという異常さがある。
 A 日本の原発の状況について、日本よりもアメリカの方が知っている。もともとアメリカの技術独占だし、日本側から送られる情報、さらに無人偵察機や、地上にいる人間の顔まで識別できる偵察衛星もあるから、事故の経緯もリアルタイムですべてわかっている。予測もできる。だが、何一つ教えずに冷ややかに眺めている。
 D 原発には、アメリカの核戦略の上で重要な軍事機密が詰まっている。日本政府がウソばかりいう裏には、アメリカにとって第一級の軍事機密を守るという意識がある。実際に9・11テロの後、アメリカでは原発についての機密防衛をかなり強めており、日本もそれに見習っている。原子炉建屋の見学もさせなくなり、学者にも圧力をかけているから事故が起きても箝口令が敷かれている。原子炉内の構造も、使用済み核燃料プールの存在も爆発が起こってからはじめて教える。みすみす国民を見殺しにしてでも、アメリカの顔色をうかがって機密を隠し通す。そこが核心だ。そのためには「放射能をいくら浴びても大丈夫だ」などと平気でいえる。
 B 与謝野経財相は、この段階にきても「原発は重要なエネルギーであり、見直しはあり得ない」といっている。中曽根に見込まれて日本原子力発電社員から政治家になった人物だが、ここまできて原発推進をいうのだから度はずれた売国性だ。
 A この地震列島に原発を作って40年もたてば、地震災害に巻き込まれることはほぼ100%予測できることだ。フランスやイギリスでは地震による原発災害をもっとも恐れ、活断層を避けて用心深くやっているが、日本は活断層などおかまいなしに54基も建てた。日本の原発政策は、世界の常識から見てありえないものだ。
 B 地震学会では、日本が大地震の活動期に入っていることをかなり前から警告している。駿河湾から四国沖にかけての東南海巨大地震の可能性はほぼ確実といわれる。そうなれば浜岡、伊方原発を直撃する。これをやったら山口県も吹き飛ぶ。過去の例でも、東南海で巨大地震が起これば、翌年に東京で直下型の地震が起きているし、新潟中越地震も阪神大震災に連動したものだといわれている。今回の地震に刺激されて、他の断層も動きはじめる可能性が非常に高い。日本中の原発はすべて停めなければ、日本中が壊滅することになる。
 A 枝野や原子力安全・保安院にしても、テレビのアナウンサーにしても、解説する専門家にしても、この大惨事に感情が動いていない。まるで危機感がなく、自分たちが原発を推進してきた結果であるにもかかわらず痛みがない。これまでの隠蔽体質を改めるのではなく、放射能が漏れ出したら、今度は国民を守る安全基準をごまかし、ウソにウソを重ねて国民を見殺しにする方向で進んでいる。
 C 原爆投下によって苦しんできた広島・長崎の被爆者たちが、深刻な経験を重ねて怒っている。「放射能の苦しみを知っているから他人事とは思えない」「核の被害、放射能の恐怖は広島・長崎で実証済みのはずだ。それを無視して日本政府は日本中に原発をつくってきた。またウソをいって国民を見殺しにしている」「ABCC(原爆傷害調査委員会)でもアメリカは調査はするが治療は一切せず、被爆者をモルモットにしてきた。それが65年たったいまも続いているのだ」と語られる。
 アメリカは第二次大戦で「日本人は人間ではない。サルか、虫けらだ。殺せば殺すほど貢献する」といって兵士を煽り、広島・長崎への原爆投下、都市空襲、沖縄戦をやり、女、子ども、年寄りなど非戦斗員を無差別に殺す日本民族絶滅作戦をやった。原爆投下後も日本に対して原爆被害の調査を禁止し、写真などの資料は没収する一方で、被爆者の膨大なデータを集めてその後の核開発の材料にしてきた。今回の原発災害へアメリカの対応や、アメリカに媚びて「大本営発表」をする日本政府をみても、第二次大戦から続く日本民族根絶やし作戦がいまも続いている。
 B 原発を推進してきた「あとは野となれ」の売国政治は戦後の日本社会に共通している。戦後の工業体系そのものがアメリカ依存で作られてきた。エネルギーも石炭から石油へ、原子力へのエネルギー転換で、自給力を絶つことで国としての自立性を奪ってきた。食料もそうだ。それが文化も教育にも導入され、学者も政治家も官僚もみんなアメリカ依存にされた。金融面でも、米国債の買い取りなど相当な額をアメリカに貢いでいる。この原発大災害は、その対米従属政治の結末だ。起こるべくして起こった人災といえる。ここまできて、本当に日本をつぶしてしまうのかどうかが切迫した問題になっている。

 生産基礎に全国団結の機運 歴史的な分岐点

 D これだけの大災害に対して、「負けておれるか!」という全国的な結束力が強まっている。気仙沼の漁師たちが「頑張って立て直そう!」とやっていることに、下関でも連帯感が強い。日本には、地震や津波などの過酷な自然条件に立ち向かってきた日本民族の歴史があり文化がある。1896年には津波で2万2000人が亡くなった明治三陸地震(M8・5)があり、1933年には昭和三陸地震(M8・1)、1952年の十勝沖地震(M8・2)など、あの地域はとくに地震と津波とたたかってきた歴史だ。今回も相当な被害だがへこたれていない。
 A 「東日本がひどい目にあっているから、食料生産は西日本が支えよう」とか、「現地に復旧応援に行こう」という機運が高まっている。みんなが助け合って国難を乗り越えようという全国連帯の意識だ。それは国の上層部とは全然違う民族的な連帯意識だ。
 E 東北地方の漁業、農業が壊滅的になるなかで、アメリカや政府は、「日本の農業は打撃を受けているから、輸入に頼るほかない」という調子で、規制撤廃、TPP導入に利用してくることは明らかだ。全国の農漁業を立て直せという世論との大矛盾だ。
 C 日本の自然条件に合致した生産のやり方でなければ、うまくいくはずがない。これを無視してアメリカ型を押しつけるから破産する。下関の農民も「何十㌔、何百㌔先から農作物を運んでくるスーパーの流通方式の弱点がはっきりした。やはり地産地消が一番よい。昔から自分の住む四里四方でとれた旬のものを食べるのが身体によいといわれてきた」といっている。
 D 漁師は遭難した船が出れば、沿岸の漁師が総出で探しにいく。そういう自然に対する伝統的な掟があるし、それに立ち向かう結束力がある。「日本の漁業法は時代遅れ」というようなものではない。日本は食料生産を基礎にして地域をつくっている。流通システム、金融、通信、交通も含めて、地方立脚抜きの一局集中の全国ネットは脆弱だ。地域での地産地消型を基本にした全国ネットでなければ弱い。
 F 製造業でも国際的なレベルで水平分業になっているから、東北の工場がつぶれて部品一つこなければ自動車の製造ラインが動かせない。海外でも日本からの部品がこないのでマヒしている。ものすごい脆弱性を暴露している。海外に工場を移しても、国内工場から重要な部品を送るから輸出が増えて企業がもうける仕組みになっているのだ。「日本はダメだから海外へ」などといってきたが、国内工場、つまり日本の労働者がいなければ企業は海外進出もできない。
 C 東京の脆弱さもあきらかになった。地方がダメージを受ければ、東京には食べ物もこないし、水も電気もこない。地方の工場が動かなければ、東京には金も集まらない。築地市場でも災害後、荷が3分の1になったという。東京は金融を中心とした浮遊都市であり、生産の大部分を地方が担っている。「あとは野となれ」の戦後政治では、農漁業をはじめとする産業を潰し、それを担う地方を切り捨てる方向でやってきたが、東京だけではなにもできないことが暴露されている。
 A 今回の震災対応でも、市場原理主義の金もうけ一本槍できた結果、政治家や官僚が国民の心配をしなくなって無力になっている。災害後の復興でも、「自己責任」で切り捨てるというのが阪神大震災だった。金がないというなら、アメリカに貸している500兆円もの米国債、有価証券等を売り払えばいくらでもある。日本がつぶれそうなときに、なぜアメリカを支えなければならないのかだ。自民党の谷垣が「増税」を叫んでいるが、これにみんな怒っている。
 D この緊急時に、農業者の預金で成り立っている農林中金は54兆円の自己資本のうちサブプライムの金融商品などを買い込まされて、20兆円も焦げ付かせている。これがまた農業破壊に拍車をかけることになる。アメリカから巻き上げられて、実体経済がダメージを受けているのだ。これを取り戻さなければいけない。
 E 東京と地方、支配する側と生産する側の力関係が変わっている。前原などは「GDPの1・5%の第一次産業のために、98%が犠牲になっている」といってTPP推進をいっていたが、地方の生産者がいなければ国は成り立たない。
 C 生産あっての日本、地方あっての日本という実際が浮き彫りになり、生産者が元気になっている。日本人はこれまで、地震や津波、台風、水害など自然条件が厳しいなかで、それに打ち勝って鍛えられてきた民族であり、この困難を乗り越える力をもっている。
 ここで問われているのは民族の存亡をかけた独立の課題だ。東日本の困難を西日本が支える。避難している人人の受け入れもあるし、食料生産を見ても「コメの生産調整」などとっぱらって増産に力を注がなければいけない。食料やエネルギーは自給の方向を目指さなければいけない。アメリカ管理下の原子力では国は滅亡する。英知を結集して、地熱、潮力、波力、さらには国土の7割を占める森林など、自然界にあるエネルギーを活用すればいくらでも自給できる。全国ネットの大規模主義でやるからコストもかかるし、無理が出てくる。地域分散型にして小規模発電をやれば災害が起きても強い。
 A 政府はアメリカの米軍再編に従って日本を原水爆戦争の戦場にしようと動いてきた。だが、こんな状態で戦争でもやれば、まず食料から干上がり、精油所や原発がやられたらお手上げ状態だ。建屋が壊れただけで炉心溶融に陥る原発の脆弱さは、全世界に暴露された。
 C 新自由主義にもとづく生産を破壊する金融収奪が、復興の阻害要因になっている。国民の生命と安全は「自己責任」で、国が社会的な責任を放棄するという民族絶滅を危惧しないといけないような政治構造の上にいる。これに対して独立を要として、農漁業をはじめ生産振興の力が強まっている。今回の事態まできて、日本をつぶして売り飛ばすのか、根本的に立て直すのかの歴史的な分岐点にきており、国政から地方政治までを含めて戦後政治を転換させる大運動が起こるすう勢にある。

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