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<論壇> 沖縄戦の住民殺りくから続くイラク戦と日本蹂躙

 沖縄では米軍ヘリの墜落炎上事件と、事故の対応における植民地占領状態の横行にたいして、全島の怒りがまき起こっている。
 沖縄県民のもっとも忘れがたい出来事は、59年まえの沖縄戦である。1945年、イタリアの降伏につづいてナチスドイツが降伏し、戦後処理をめぐるヤルタ会談が開かれて、日本の敗戦が明らかとなった時期、米軍は1500隻の軍船で沖縄を包囲し、「鉄の暴風」と呼ばれる無差別の艦砲射撃を加え、住民が逃げこんだガマには火炎放射器を放つなどして、15万人の無辜(こ)の非戦斗員を無惨に殺した。
 米軍は沖縄戦が終結するやただちに、沖縄の広大な土地を強制的に接収して、極東最大の軍事基地をつくった。沖縄はサンフランシスコ講和条約で日本に見せかけの独立を与えたのちも占領状態は変わらなかったが、沖縄返還ののちも変わらなかったことは、今回の事件がはっきりと示したことである。沖縄戦は、日本軍部をして戦争を終結させ、平和をつくるためなどではなく、戦後のアメリカのアジア支配戦略のための巨大軍事基地として占領するためであった。それは、占領後朝鮮戦争からベトナム戦争、湾岸・イラク戦争と戦争につぐ戦争をくり返してきたことが証明しているし、現在朝鮮、中国、ロシアにたいする原水爆戦争の前線基地として増強していることにつづいている。
 アメリカは、沖縄戦における住民殺りくは日本軍部のせいであり、米軍は日本軍部の横暴から沖縄の住民を助けるためであったかのような宣伝をしてきた。それは現在ブッシュ政府が、「フセインの暴圧からイラクを解放するため」といって、イラクに戦争を仕かけて占領し石油略奪をしているのと同じやり口である。沖縄戦で住民を無惨に殺した米軍が、それを正当化してきた延長線でいまイラクで住民を殺りくしている。それがヘリ墜落事件では開きなおって日本の主権者づらをしてのさばっているのである。このような米軍占領という沖縄の現実は、日本社会全体の象徴的な縮図にほかならない。
 1995年には、沖縄の少女暴行事件をきっかけに大きな政治斗争がまき起こった。そのなかで、ときの革新県政・大田知事らは、沖縄と本土の違いをことさら強調し、基地リスクの全国への分散を要求して対米従属構造を容認するという方向をとった。それはアメリカの要求であり、高まった運動を破壊し、全土の植民地的従属化を促進するものとなった。
 10年たった今日、沖縄の基地ばかりか全国の基地はさらに増強され、それどころか全国の港湾、空港なども米軍の軍事利用優先で、全土がアメリカの戦争に総動員される有時態勢となり、いわば全土の米軍基地化となってあらわれた。政治も経済も文化や教育も、全社会的な植民地的従属状態が強まる結果となった。運動内部の、アメリカのインチキ民主主義崇拝潮流の影響を一掃することが、平和の力を結集するうえでは不可欠であることを教えている。
 沖縄の問題は全国の問題として強い関心を呼んでいる。平和の問題が独立の問題と深く関連して、沖縄だけでなく日本人民全体の死活の問題であるからである。米軍ヘリ墜落事件にたいするブッシュ政府の謝罪、普天間基地の撤去にとどまらず、全国の基地撤去、日本の国土を米軍の戦場とする有事法の撤回、そして根幹をなす「日米安保条約」の廃棄にむけた全人民的な政治斗争が求められている。

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