(2025年5月21日付掲載)

国籍や年齢を問わず、多くの人々が「原爆と戦争展」に足を止めた(17日、広島市平和公園)
原爆展全国キャラバン隊は5月17、18日、広島市中区の平和公園内で街頭「原爆と戦争展」をおこなった。被爆と終戦から80年の節目を迎える今年、広島市には国内外から多くの人々が訪れており、被爆地広島で第二次大戦や原爆の体験や人々への影響などを学び、歴史の真実を求める問題意識が高まっている。街頭に設置されたパネル「原爆と大戦の真実」には、国籍や世代を問わず多くの人々が足を止め、長時間かけて真剣な眼差しで記事を読み込んだ。とくに外国人参観者は日本側の視点からまとめられた体験談や資料を初めて目にして、衝撃を受けるとともに共感を示し、参観後のアンケートには、かつての戦争と現在も世界中で起きている戦争を繋げて鋭い問題意識を記している。街頭展示は、今後も8月まで週末ごとに継続しておこなわれる予定だ。
現代の戦争いかに止めるか論議に
第二次世界大戦の日本人の体験をもとに作製したパネルは、第一次世界大戦後のバブル景気がはじけて昭和恐慌になり、軍国主義の下で満州事変から日中戦争、その後、中国と日本の占領を目的に参戦したアメリカとの日米戦争へと突き進んでいった当時の体験証言や資料の展示から始まる。そして負けるとわかって戦地へかり出された兵士の体験談を中心に、南方の戦地では戦闘での死者よりも餓死者や病死者が圧倒的に多かったことなども明らかにしている。
また、日本全国での米軍による都市空襲や、沖縄戦で無辜の市民が大量に虐殺された歴史を体験者の証言や写真をもとに展示している。さらに広島・長崎への原爆投下をめぐる被爆者の体験や凄惨な被害を伝える写真、原爆詩人・峠三吉の詩や子どもたちの詩をベースに、体験者の苦しみや悲しみ、怒りを伝える内容となっている。
そして戦後、アメリカの占領統治下での言論統制や、荒廃のなかから立ち上がり、原爆の惨状を伝え、「原爆使用が正しかった」という抑圧をはねのけて全国・世界に平和運動が発展し、原水爆禁止の世論が広がってきた歴史も描いている。
これまで定説とされてきた歴史認識とは異なり、市民の経験の側から描かれた展示の内容に、訪れた外国人参観者たちは衝撃を受けていた。「実際に広島を訪れて本当のことが知りたかった」という人が多く、証言や写真を通じて展示内容をストレートに受け止め、「原爆投下は戦争終結に必要なかった」という思いとともに、核の使用と悲惨な戦争を二度とくり返さないための問題意識を語った。
仕事で日本を訪れた60代のアメリカ人男性は、展示のなかでもっとも印象に残ったのは「被爆者はモルモットか」と題するパネルの内容だったと答えた。このパネルでは、アメリカが戦後に設置したABCCに被爆者を呼び出して、出生した赤ん坊まで体の隅々を調べ上げ、原爆が人体に与えた威力を追跡調査し、データを集めていたことや、診察はするが治療はしなかったことなどが記されている。男性は「私は以前からアメリカは戦争を口実に、日本に対して原爆を投下し人体実験をおこなったのだと思っていた。そして今日この展示を見て、そのことをより現実的に理解できた」と語った。
また、すでに日本が敗色濃厚だったにもかかわらず米国が原爆を投下したことについて、「私の2人目の父は、当時米軍の有線通信手で、B29爆撃機エノラ・ゲイが原爆投下に成功したという内容を伝達した人だった。当時のアメリカでは“真珠湾攻撃をした日本が悪い”“リメンバー・パールハーバー”という世論が圧倒的で、私の父自身も、周囲の軍人、米国民も疑問視していなかったそうだ。しかし、今のアメリカでは当時の公文書などもすでに公開されており“原爆投下は戦争終結に必要なかった”という認識は一般市民のなかでは違和感のないものとなっている。私自身もそう思うし、子どもや孫にも“原爆投下は間違っていた”と伝えたこともある」と語った。そして「アメリカでも日本でも、私たち世代は戦争体験者である肉親から生の声を聞いてきた最後の世代だ。私たちは戦争こそ直接経験していないが、体験者の思いを直接受けとってきた。しかし今の若い世代はそれを知らない。アメリカという国は、常に世界の戦争に直接的に関わっている。そうしたなかで、次にまた過去と同じような危険な状況になったときに、国民が“やめろ”と声を上げて戦争を止められるだろうかという心配がある。今日知ったことをまた自分の子どもや孫に伝えたい」と話していた。
目に涙を浮かべながら展示を見ていた30代のインド人男性は、「涙なしに見ることはできない。心に迫る展示だった。これまでの歴史を見ても、大きな戦争が起きる前には必ず世界的な経済恐慌が起きている。第二次大戦前には1929年からの世界恐慌があり、アフガニスタン戦争の前には1998年から99年にかけての経済不況、イラク戦争の前にも経済不況があった。そして今も世界的な戦争情勢にあるが、コロナ・ショック以後の世界的な景気後退が大きく影響していると思う。資本家たちにとって、落ち込んだ経済を回復させるためには武器製造と販売がもっとも簡単に富を得ることができる手段だ。戦争とは、一部の金持ちたちが民間人を操り人形にし、武器製造や販売によってさらに裕福になるためのものだ」と語った。
また、現在、自身が暮らすインドと隣国パキスタンの戦争情勢についても触れ「問題になっているカシミール地方は、北に中国、南にインド、西側にパキスタンを含むイスラム諸国がある。地理的に見ても重要な地域なので、二国間の宗教的衝突という部分だけではなく、さまざまな国の政治的思惑が入り交じる難しい地域だ」と話していた。
「今こそ被爆国の使命果たすとき」

真剣な表情でパネルに見入る若い外国人参観者(17日、広島市)
広島県内に限らず全国各地から広島に訪れた人々も多数参観した。
広島市内に住む60代の男性は「広島の被爆者は年々少なくなっている。80歳の被爆者でも当時ゼロ歳だ。広島では今でもまだ原爆のことを口にしにくい空気感があるなかで、これから戦争の本当の歴史を伝えていくうえでこのような展示はとても重要だ。アメリカはいまだに原爆投下の過ちを認めていないし、戦後被爆者を調べ上げたABCCでの調査記録などもすべては公開されていない。本当は日本の政府がアメリカに対して“原爆投下は戦争終結に必要なかった”ということを認めさせなければならないはずだが、それどころか世界中の国々が参加している核兵器禁止条約にすら参加していない。いまだに“敗戦国”としてアメリカに付き従っていて本当に情けない。インドとパキスタンという核保有国同士の衝突が起き、アメリカが仲介したが、アメリカが世界中の戦争に関与する以上、日本もその戦争に引きずり込まれる可能性が常につきまとうことになる。もっと日本という国として、世界にきっぱりと戦争反対、核廃絶を訴えるべきだと思う」と語った。
広島県内に住む高齢女性は、多くの外国人観光客が展示に足を止めて長時間パネルを読み込む姿を見て、「海外から広島を訪れる人たちは、真実を知りたいと思って来ている。こうして誰でも見ることができる公共の場で展示をしてくれることがありがたい」と語った。
一方で、連日多くの外国人観光客が訪れている平和資料館の内容について「館内はリニューアルされて、お化け屋敷のように暗くて恐ろしい雰囲気を演出しているが、暗すぎて説明文も至近距離まで近づかないと読めない。また、実際の被害を知らせる写真が減らされて、かわりに絵が増えていたり、被爆直後の人々の様子を再現した蝋人形が撤去されて焼け残った三輪車が展示の目玉のように扱われていたりと、海外の人たちが本当に知りたいという思いに応え得る内容になっていないと思う」と問題意識を語っていた。
県外から訪れた20代の女性は、「広島だけでなく、全国で多くの一般市民が大量に犠牲になったのだという事実を改めて理解した。当時戦争を経験した人々の体験をそのまま記事にしてあったのでとても説得力があった。そして生き残った人々にも、放射能の影響だけでなく、家族を失った苦しみなど影響は一生残り、“終戦”はないのだと考えさせられた」と語った。また、アンケートには、「学校の授業で聞いたことがある程度の知識しかなかったが、戦争で何が起きたのか、どれほどの人々が苦しんだのか、改めて恐ろしさを知ることができ、二度と繰り返してはならないと思った。どうすれば平和が続くのか、改めて考えるきっかけになった。今この時も世界では戦争が起きており、多くの人々が犠牲になっていることが悲しいし、日本も安全とはいえなくなってきているのではないかと思う」と記した。
日本人参観者のアンケートには他にも次のようなものがあった。
▼戦争の悲惨さだけでなく日本がいかに戦争に巻き込まれていったのか、その歴史を人々の経験を通して見ることができて良かった。海外から来る観光客にとっても、日本の第二次大戦全体のことを学べる貴重な機会になっていると感じた。(30歳女性)
▼思っていたよりも忖度なしにストレートに記事が書かれていた。被ばくした日本として、しっかり主張すべきことが展示されていた。日本で自分の力で自国を守れるように、本来の国として復活していきたい。(38歳女性)
「殺された市民の痛みは私自身の痛み」――外国人参観者のアンケートより

アンケートに意見や感想を記す外国人参観者(17日)
外国人参観者もアンケートに協力的で、自分から記入を申し出て空欄がないほど感想や意見を記す人も少なくなかった。アンケートの設問には、展示の感想や意見、さらに現在も世界で戦争や紛争、軍事緊張が続き、民間人が犠牲になっていることへの問題意識を尋ねている。とくに若い世代が過去の戦争を現在に続く問題として捉え、戦争を企む一部の資本家や為政者への強い憤りを記した。以下、外国人参観者のアンケートの一部を紹介する。
▼考えさせられる内容だった。とくに、10代から高齢の男性までもが徴兵されて命を落としたことは本当に悲惨だ。日本が中国に侵略して攻撃したことは、大多数の日本人にとって必要なかったと思う。なぜならすでに当時の日本には戦争をできるだけの資源すらなかったからだ。またそれらはアメリカが日本に対して禁輸措置をとって日本全体を弱体化させる意図のもとにおこなわれた計画の結果でもあり、両国ともに残虐な戦争犯罪を犯した。アメリカ軍は今も沖縄に留まり続けているが、撤退すべきだ。世界大戦の歴史や、とくに第二次世界大戦でのソ連、日中戦争によって引き起こされた荒廃と破壊を考えると、イスラエルがなぜ今ジェノサイドを犯しても罰せられないのか理解できない。ナチスのホロコーストによって自国民が壊滅させられた後に建国された国であるにもかかわらず、今やパレスチナ人に同じことをくり返している。子どもたちをはじめ罪のない民間人の犠牲は恐ろしいほど増え続けているにもかかわらず、今もなお強大な国々がイスラエルへの武器供与を容認していることは理解しがたい。私たちはパレスチナとともにある。(アイルランド・27歳女性・エンジニア)
▼展示は良い場所に設置してあり、広島で起きた出来事の重大さをとてもよく伝えていたと思う。第二次世界大戦に至るまでの出来事や、戦時中の出来事について、日本人の視点をまったく知らなかった私にとって、この展示の内容はとても興味深かった。パネルが戦前から戦後まで年代順に並べられていることにより、当時の出来事を時系列で追うことができ理解しやすく、深い洞察を得ることができた。過去の戦争の記憶や教訓が少しずつ忘れ去られ、一般の人々のなかには戦争がどれほど卑劣なものであるかを知らない人が増えていると思う。これは、イギリスをはじめとしたヨーロッパ諸国やアメリカ、ロシア、中国などの大国の指導者が戦争を経験したことがなく、その影響を知らないという問題を反映していると思う。そうした指導者たちがこの先下す決断は、彼ら個人ではなく一般市民を苦しめることになる危険性があると思う。(イギリス・32歳男性・消防士)
▼私は当時の指導者たちの残酷さと彼らの利己的な征服に怒りを覚えた。彼らは国のための利益を最善に思う国民を利用したのだ。また、原爆の背後に隠された米国の狙いや戦後の動きについても驚かされた。学校では、原爆に反対する意見については一切教わることはなく、ただ原爆が戦争を終わらせたということだけを教えている。原爆によって永遠に閉ざされてしまった命や死者のことを考えると恐ろしい。この展示にも示されているように、民間人への攻撃は決して許されるものではない。しかし戦争というものはその目的が最終的には民間人を負傷させることに結びついていると思う。拡張主義というものは、他の誰かを傷つけなければなし得ないからだ。(アメリカ・30歳男性・データ分析)
▼戦争は決して平和をもたらさない。広島は、人間の血と命の象徴だ。一般の国民に戦争の責任があるわけではないのに、戦争によって誰もが何世紀にもわたってその影響に耐え忍ばなければならない。今も世界中で飢餓と虐待によって人々が命を奪われている。世界の指導者たちは不当な殺人に対して率先して厳しい措置を講じるべきだ。また、アメリカは民間人を殺害する者に武器を提供するべきではない。私は戦争犯罪を非難する。すべての人々に平和を。(バングラデシュ・27歳男性・大学生)
▼聞こえてくる鐘の音(平和公園内にある平和の鐘)を聞きながらこの展示を見ていると、戦争で日本国民が経験した出来事を想像し、悲しみがこみ上げてくる。とてもよく整理された展示であり、すべての人が敬意を払うべきだ。戦争は、人類に対する破壊行為だ。いかなる個人も民間人も、国家や政治家間の緊張関係のために苦しむべきではない。今すぐに戦争を止めることは、私たち全人類の願いだ。私たち一人一人の人間が戦争を止めるために、問題解決のために働きかける必要がある。現在、67カ国が難民支援を主張し、数十万人を受け入れている。しかし、最善の解決策および状況は、すべての人々が自国で平和に暮らせるようになることであり、各国にはそのための働きかけが求められる。(ドイツ・30歳女性)
▼当時何が起きたか真実を知ることは大きな学びだ。なぜなら世界中の多くの人々がいまだに本当のことを知らされていないからだ。この展示を見ることで、より多くの人が戦争で何が起きたかを知り、より良い人間になるための学びを得ることができると思う。世界で続く戦争は今すぐに終わらせるべきだ。すでに世界は戦争がなくても十分に破滅している。戦争は決して良い結果をもたらさず、ただ民間人の犠牲を増やすだけだ。人々は生きるに値する。国を問わず、戦争行為を今すぐにやめろ!(インドネシア・31歳女性・自営業)
▼この展示はすばらしい。原子爆弾による恐ろしい実験がなぜ起きたのか、人々がどのような経験をしたのかをより深く理解するのに非常に役立つ。この展示を資料館に永久展示すべきだ。非常に有益で心に迫る内容で、さまざまな視点からの洞察や証言を見ることができた。とくに兵士と犠牲者のインタビューには胸が張り裂ける思いだった。私は世界中のすべてのテロと暴力の責任者を憎む。いかなる戦争行為も最終的には民間人を犠牲にすることになる。民間人は本来他国と戦争するつもりなどないのに、最終的に戦争行為によって犠牲になるのはいつも民間人だ。これが戦争のもっとも恐ろしい部分だ。現在、再び地政学が試されている状況にあると思う。(ドイツ・27歳女性)
▼これまで歴史の授業でも第二次世界大戦や原爆のことについて学んだことはあった。しかし、実際に原爆が投下されたこの場所で、展示を見て体験談や写真を目にしてかつてない衝撃を覚えた。私たちが今まさに立っているこの場所で、どれほどの壊滅的な被害があったのか、そしてその悲劇について皆が知っているにもかかわらず、私たち人類はいまだに戦争を続けていることを考えると、現実のこととは思えない。民間人の死を招くことなく、世界の戦争や軍事衝突・軍事緊張を解消する方法が見つかることを願っている。このような恐怖と悲劇のなかで生きなければならないのは間違っている。だからこそ国際社会としてもっと良い対応ができるはずだ。(アメリカ・21歳女性・大学生)
▼核戦争の恐ろしさをありのままに伝える展示だった。それらは将来の核戦争を避けるために、われわれ人類が認識しておかなければならないことだ。また、展示のなかにあった中国人に対しておこなわれた残虐行為の正確な描写も、優越主義的理想を掲げた帝国主義戦争の恐ろしさを思い起こさせるものとして、非常に重要だと思う。一般市民が戦争に巻き込まれ、犠牲になるのは絶対に間違っている。かつて戦争を体験した人々は、すでにこの世を去ったか、あるいは年老いているが、私たちはその記憶を忘れないために彼らの声にこそ耳を傾けるべきだ。(アメリカ・23歳男性・技術者)
▼心を打たれ言葉が出ない。原爆や戦争を目の当たりにするという恐怖、そしてたとえ生き延びたとしてもその後に襲ってくる不安、他人の命を奪う人々の姿。この展示のおかげで、静かに思いをめぐらせることができた。時系列に沿って事実が示されており、とてもわかりやすく説明されていた。とりくみに感謝する。今もまだ世界中で戦争が続き、罪のない市民が傷ついていることは許しがたい。(イタリア・33歳女性・会社員)

原爆と戦争展パネルには英訳も添付されている(広島市)
▼イギリスに住む私にとっては、西洋で一般的に語られてきた史実とは異なる内容を示しているという点でとても刺激的だった。この展示は、戦争の冷笑的な皮肉と狡猾さ、残虐さを指摘するとともに、いくつかの重要な出来事の背後にある暗い、隠された意図を暴き出していることがとても良いと思った。世界で続いている戦争の原因は、歴史的または政治的に根付いている複雑な問題が絡んでいるとはいえ、それによって生み出される結果は完全に非人道的で、忌まわしいものだ。今すぐに停止すべきだ。(イギリス・24歳・株式市場アナリスト)
▼非常にわかりやすい展示でとても有益だ。米軍の爆撃で被害を受けた日本人が直面した現実を目にして悲しい気持ちになった。この歴史を保存し続けることはとても重要であり、読んでいてとても謙虚な気持ちにさせられた。人間同士が戦争をするのは悲しいことであり、不必要だ。人々にとって平和に暮らす方がはるかに良いことはわかりきっており、戦争や暴力がなければ世界はもっと良い場所になるだろう。(オーストラリア・35歳男性・造船業)
▼人類がみずからに対しておこなった残虐な行為を見ると悲しくなる。人々が経験しなければならなかった苦痛は耐え難いものであり、それは同時に私自身の痛みでもある。戦争というものは常に狂った指導者たちのために、罪のない人々が戦い、死んでいくものであり、それを見るのは本当に悲しいことだ。残念ながらこの先も戦争を止めることは難しいだろうが、私はそれが止まることを願っている。(ドイツ・25歳男性・システム管理者)
▼1945年の原子爆弾についてだけでなく、人類の歴史上のすべての戦争について考えさせられたし、本当に悲しい。メディアが美化する戦争の「ロマンチックなイメージ」や、映画における戦争の「英雄的なイメージ」に抗うためには、この展示にあるような人々の記憶こそが重要な役割を果たすと思う。この展示のおかげで、戦争と、戦争が招く結末の真実の姿を多くの人々が学ぶことができる。戦争は恐ろしい。いかなる場合でも民間人を攻撃してはならない。(スペイン・39歳男性)
▼この展示を通じて、あの戦争で日本国民が経験した悲しみを痛感した。また、爆撃と戦争に耐えた人々に対する深い共感を抱くとともに、とても衝撃を受けた。誰もこのような惨事と心痛に直面するようなことを強いられるべきではない。今も世界では戦争が続いているが、世界のリーダーたちが、自分たちがナンバーワンであり、繁栄するために力を誇示しようと企み続けるなら、世界の真の平和は手の届かないものになるだろう。残念ながら、私たちは一つの統一された世界ではなく、お互いの分離と孤立を招く負のスパイラルに陥っているのではないかと思う。(オーストラリア・58歳男性・経営者)
▼非常に充実した展示だった。戦争と原爆が日本国民と国家に与えた影響についてよくまとめられていた。それは、ただ自分自身の人生を生きようとしているだけの罪のない人々に対して、人間の残酷さが何をもたらすかを思い出させる重要なものだ。人々の心を打つ展示だと思う。いまだに私たちの世界が平和になっていないのは残念だ。世界は良い人々とすばらしい経験で溢れているにもかかわらず、戦争は定期的に私たちの生活に影響を及ぼしている。これは人類にとって恥ずべきことであり、戦争は私たちの世界に存在すべきではない。(オーストラリア・36歳・マーケティング業)
▼詳細かつ豊富な情報で、当時の出来事についてバランス良く記録している。胸が張り裂けるような恐ろしい体験談、感動的な物語、そして生存者たちの詩を通じて、戦争がいかに破壊的なものであるかを伝えている。そして何より、人類が歴史の教訓をまったく学んでいないということを浮き彫りにしている。世界平和は絶対に必要だ。戦争によって被害を受けるのは常に罪のない民間人、とくに女性や子ども、一般市民だ。非武装の民間人は常に保護されるべきだ。(オーストラリア・63歳男性・経営者)
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