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狙撃兵 除染作業をなぜ急がないか

 福島原発事故をめぐってはっきりしてきたことは、放射能がもっとも放出されたのは4つの原発が爆発したときであった。現在も放出しているが、その量は爆発時の数万分の1と見られる。事実、2カ月をすぎて各地の放射線量は低下の傾向を示している。さらに1号機と3号機の爆発時には風向きが海側を向いていたが、15日の2号機の爆発時には風向きが北北西の方向に向いていて、飯舘村から福島市の方向に汚染をもたらしていた。
 炉心への給水が途絶えたら数時間のうちに、冷却水が蒸発し、燃料棒がとけ、炉心溶融、爆発の危険があることは、専門家は予測してきたことであった。しかし政府も東電もメディアも専門家も、もっとも危険なときには「心配ない」といい、また風下から逃げたら被曝を避けられたのに、それを知らせなかった。そして放射能を浴び放題にさせ、あるいは風上からわざわざ風下に避難させて放射能を浴びさせた。それは意図的な傷害であり殺人であり刑事罰に値する。政府も東電も、国民の生命、財産が脅かされているときに、それを守る意志などないことについて記憶にとどめないわけにはいかない。
 そしていま「安全のため」という言い方で、住民避難がやられている。チェルノブイリ級の「レベル7」と発表したあたりから、「実はメルトダウンをしていた」などといって、放射線レベルは下がっているのに、「大変な危険」という宣伝に変わった。ここには住民を土地から追い出す特別の意図が働いている。
 広島、長崎の被爆市民の体験からすれば、福島における住民追い出しは異様きわまりない。放射能汚染はひじょうに危険だが、しかし広島、長崎と比べると福島の場合はるかに軽く、何よりもその地を元に戻し早く復興させなければならない。広島、長崎は特別な除染作業はなかったが復興した。汚染した土壌の表層数センチを取り除いたり、牧草や菜種、コメなどを植えて放射能を吸収させたり、原発周辺海域で除染材を大量投入したり、コウナゴ、海草、貝類などは積極的にとることが大型魚まで拡散するのを止めることになる。そのために国が動かなければならない。住民排除、復興のサボと妨害が菅政府の特徴である。災害ビジネス・火事場泥棒というアメリカと財界の意図が働いている。
                                         那須三八郎

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