いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

文字サイズ
文字を通常サイズにする文字を大きいサイズにする

祝島漁協組合員集会 赤字経営への対応が焦点

 祝島漁協で21日に組合員集会がもたれ、今年4月から6月末までの3カ月間で約257万円の赤字になっていることが報告され、今後の事業運営をめぐって話し合いがおこなわれた。「漁協経営が大ピンチ」というわけである。合併で山口県漁協に吸収されたなかで、組合員は増資や協力金拠出のために毎年9万5000円を5年間払わなければならず、その他にも、合併前の赤字を補填(てん)するために8万5000円も徴収されたという。まるで吸血鬼にとりつかれたかのような状態だ。山戸組合長時代から不可解な赤字経営が問題になっていたわけだが、ずさんな経営ののち、困窮する漁家経営・漁協経営に食い込むように、中電や大西氏(県漁協上関支店・運営委員長、原発推進派)サイドから上関原発計画の補償金をぶら下げた切り崩しが仕掛けられているとして、原発に反対する多くの島民は警戒感を強めている。

 3カ月間で257万円の赤字
 同日の集会では、販売を担当する職員を辞めさせたいとする案が運営委員から提案された。しかし、その後島からどのように販売するのか腹案がない状況も明らかになり、組合員の多数が反対した。販売・出荷の機能が崩壊すると、島での漁業をやっていけなくなることを意味するからだ。
 合併後、4人の運営委員のなかで、原発推進、反対は2対2になっているといわれ、実質的には大西氏と連絡を取り合うメンバーが運営委員長のように振る舞うようになったと漁師たちは話している。しかし全体が賛同しているわけではなく、複雑な関係のなかで、多くは原発反対の信念を貫きながら、慎重に推移を見極めている状況だ。山戸前組合長は、それまでの赤字経営の責任をとることもなく一組合員に成り下がった。
 漁協運営をめぐって懸案になっているのは9万5000円を払えない人が20数人おり、8月31日までの期限に支払えなかった場合、どうするかという問題だ。また、今年度はわずか3カ月で250万円超もの赤字が出ており、このペースでいくと年間1000万円を超えること、すると再び赤字補填で一組合員につき10万円以上がたかられるという構図で、赤字ラッシュによる圧力が襲いかかっている。山口県中の漁協が過酷なピンハネ構図のなかでもかつがつ黒字を叩き出しているなかで、祝島のダントツな赤字は意味深な存在だ。ピンハネ・たかり商法なら祝島ほどひどい漁協経営はないのに、なおかつ赤字になるのである。

 カンパを集めたが合併 欠損金補てん問題 
 祝島漁協は合併のさい、総額2000万円を超える欠損金補填のために、島民や島外の反対派町民、全県の原発反対派に資金カンパを募って、人人を驚かせた。山戸貞夫組合長(当時)の子分にあたる清水敏保町議が取扱窓口になって、「祝島の漁民・島民がこれからも上関原発反対運動をつづけられるよう、ご支援・ご協力をお願いします」と訴えていた。しかし結局、カンパだけとって、法人格放棄をともなう合併に流れた。権限として見るなら、祝島としての独立性を投げ出して、お金のためなら喜んで原発を推進する信漁連・県漁連の傘下に入ったのである。
 この際、穴埋めのためとして、中電の環境影響調査のさいに支払われて受けとりを拒否していた迷惑料2200万円に手をつけることを決定したものの、島民の猛烈な批判世論にさらされるなかで撤回になった経緯もあった。
 島では、油などの資材は山口県下でもっとも高額で、魚価は漁協の買いとりによって周辺漁協の半値以下。市場の仕切り(伝票)は漁師の手元に届かず、1本釣りのサバが㌔50円、アジが㌔100円などと買いたたかれて、山戸組合長手書きの「仕切り票」が届いていた。安すぎる魚のくせに、わざわざ福山の水産市場まで出荷していることも疑問視されていた。異常すぎる安値は県内の漁協関係者のなかでもみなが不思議がるほどだった。どこかでぬかれている原因をとりのぞくなら、欠損金など漁協内部で簡単に解決する問題であったことは、島民のなかでも語り合われている。また、赤字経営といいながら、山戸組合長は組合長報酬を年間約380万円(県下でもトップクラス)ももらい、町議をやっていた時期はそっちの報酬も年間300万円上乗せされていた関係だ。

 原発容認に導く仕掛け 経営困難に追込み 
 合併を前後するあたりから赤字、赤字といい、その後もみんなが困る状況がつくられている。漁協が欠損金を出した場合、その責任を1番問われるのは経営責任がある役員・組合長である。この欠損金の責任と原因が曖昧なまま、合併になだれ込み、漁師に難儀な思いをさせながら、一方では原発推進側からの補償金獲得すなわち原発容認に導くシカケが動いていることは疑いない。トップ交代時期に何の責任も問われなかった不自然さはいったい何なのか。経営の問題点は、会計検査をする県水産部、県漁連の幹部は知っていることであるし、ワザとやらせてきた可能性すら濃厚だ。幹部の弱みを握り、漁家経営を成り立たなくさせ、漁協を経営破たんさせるやり方は、原発容認に導くために全国どこでもやってきた政府、電力側の手口である。
 現在の局面は、反対派の最大実権派とされてきた山戸組合長が、反対派とはみなされなくなり破産した。県や中電との関係で見たら使い捨てとなった。一方で公然とした推進勢力が支配に乗り出すか、まっとうな反対勢力が主導権を持って登場するかのせめぎ合いとなっている。中電としては、「ポスト山戸」の局面のなかで、反対勢力の買収、切り崩しが最大眼目となっている。この兵糧攻めの正体を暴いて、純粋な反対運動が主導権を持つなら、中電の原発計画は最後的な断念に追いこむこととなる。
 漁協をめぐる動向が島内外で注目されている。

関連する記事

Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterEmail this to someone

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。なお、コメントは承認制です。