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「土砂投入をやめろ!」 辺野古新基地建設の断念を求める3・16沖縄県民大会

1万人超が結集し、辺野古新基地の断念と普天間基地の即時返還を求めた

一斉にプラカードを掲げる集会参加者

 辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議の主催する「土砂投入を許さない! ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地断念を求める3・16県民大会」が16日、沖縄県那覇市の新都心公園で開催された。埋め立て反対が圧倒した県民投票の結果を受けても、政府が新たな区画への土砂投入を公言したことから、急きょ開催が決定したものだが、県内各地から1万人超(主催者発表)が参加し、新基地建設阻止の揺るぎない意志を発信した。


 はじめに、辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議共同代表の稲嶺進氏が挨拶に立った。「私たちはこのような県民大会を何度開催し、県民の意志を示していかなければならないのか。悲しいことであり、わじわじー(イライラ)もする。そのなかで、多くの県民が心を一つにして、昨年の県知事選、去る2月の県民投票で県民の民意を示した。しかし、岩屋防衛大臣は県民投票をする前から工事は続行するつもりでいたという。こんなバカな話はない。政府みずから日本の民主主義を否定するものであり、沖縄県民を愚弄するものだ」と厳しく批判した。

 

 また「政府は口を開けば“一日も早い普天間の危険性除去”とくり返しているが、仲井眞元知事に約束した普天間の5年以内の閉鎖は2月に期限を迎えた。しかも、こともあろうに3月25日には辺野古の新たなエリアに土砂投入を始めるとまでいっている。辺野古の新基地は一体いくらの予算があれば工事が完成するのか。その工事はいつまで続くのか。政府はこんな基本的なことさえも答えきれない。予算も工期も示されない公共工事などありえない。すべて日本国民が納めた税金だ。安倍政権のワタクサー(私有財産)ではない。沖縄県の試算では、総工費2兆5500億円、13年以上かかる。その間、普天間は放置される。政府は緊急性をいうが、13年以上もかかって普天間が動かないということは、この新基地建設そのものが間違った計画であったといわなくてはならない。白紙撤回するまで、グスーヨー(みなさん)、チバラナヤーサイ(頑張りましょう)! マケーティーナイビランドー(負けてはなりません)!」と怒りを込めて呼びかけた。

 

 同じく共同代表の高里鈴代氏は、「2月24日の県民投票で、沖縄県民の決意、新たな基地を造らせないという思いがしっかりと示された。辺野古新基地建設とのたたかいはすでに23年になる。その間に亡くなった人もたくさんいる。県民投票の翌日からキャンプシュワブのゲート前、琉球セメントの桟橋から、埋め立てに向かう土砂が運び続けられている。座り込みには90代、80代の人たちもおり、耐え難いものがある。現在浮上している軟弱地盤や活断層の問題は、沖縄戦の犠牲者が眠る沖縄の自然がついに頭を出して、ここは軍事基地にはできないと声を出しているようにも感じる。その声を聞きながら、最後まで諦めずに頑張ろう」と決意をのべた。


 スピーチに立った那覇市の城間幹子市長は、「翁長雄志前知事は生前よく“ヌチカジリ、チバラナヤーサイ(命懸けで頑張ろう)”と語っていた。そこには命ある限りぶれることのない信念を貫いていく強い覚悟があった。今私たちがその覚悟を示す正念場に立っている。昨年8月、翁長知事の遺志を継ぐ玉城デニー知事が誕生し、改めて県民の辺野古新基地建設反対の民意が示され、さらに県民投票でもしっかりと同じ民意が示された。この会場からも、県民の信念は絶対にぶれないという気迫が伝わってくる」と県民の力を鼓舞した。


 また、政府の埋め立て強行に触れ、「銃剣とブルドーザーで強制的に土地をとり上げられた時代、私たちのウヤファーフジ(先祖たち)が心を一つにして手をくみ、子や孫のためにとしっかり踏ん張ってたたかった姿が焼き付いている。その姿をまぶたに焼き付けている私たちのように、今の子どもたちも私たちの行動をしっかりと見て、きっと誇らしく思ってくれていると固く信じている。日米両政府の大きな壁に立ち向かい、乗り越えていくことは、厳しく険しい困難な道であることも否めない。それでもしっかりと玉城デニー知事を支え、強い勇気と信念を持って県民が心を一つにして進み続けること、私たちが民主主義を守るとする姿を子どもたちに見せ続けることは一番大切なことだと思っている。この会場に集まって頂いたみなさん、また心を寄せてくれている全国、全世界の志を同じくするみなさんと一緒になって未来を担う子どもたちのために心を一つに頑張ろう」と呼びかけた。


 南城市島ぐるみ会議の男性(25歳)は、「この現状を打破するため、先輩たちだけでなく、私たち若者もみなさんの期待に応えられるように具体的な行動を起こしていく。かつて復帰直後のサトウキビ闘争では、船をチャーターして1000人規模でキビを担いで国会に乗り込んでいったという。今こそ、そのような具体的な行動が求められている。かつてサバニ(鱶舟)一つで世界中と貿易をし、開かれた独立国家として世界から認められた琉球の誇りをとり戻したい。沖縄はアジアや世界との平和的交流の場であるべきだと思う。そのためにも絶対に辺野古に新基地をつくらせてはならない」とのべた。


 名護市在住で本土出身の男子学生は、「父母、祖父母の世代には、これまで経験したことを話してほしい。昔、沖縄で何が起きたのか。なぜ沖縄は何年、何十年と声を上げ続けているのか。沖縄と本土に住む同世代の人たちは、なぜおじい、おばあがゲート前で座り込み、声を上げ続けているのか、誰の未来のために行動しているのか、その思いとしっかり向き合ってほしい。沖縄の未来は、おじい、おばあと若者が手をとり合ってつくっていこう」とのべた。

 

 出張中の玉城デニー知事の挨拶を謝花喜一郎副知事が代読した【下別掲】。民意を無視して辺野古の埋め立てを強行し、普天間基地の危険性を固定化する政府の新基地計画は、軟弱地盤、活断層、高さ制限などの問題が山積していることから、県として「埋め立て承認の撤回」を発出し、埋め立てられた区域の原状回復を求めていくことを明らかにし、「国民こそが主権者だ」「県民の民意を何よりも尊重し、日米両政府が辺野古新基地計画を断念するまで揺らぐことなくたたかいつづける」と意志を表明した。


 集会の最後に、「故翁長前知事が命をかけて守り抜いた県民の“誇りと尊厳”を引き継ぎ、誇りある豊かさを実現させるまでたたかう。“新時代沖縄”の実現へ向け、沖縄県民の命とくらし、沖縄の地方自治と日本の民主主義と平和を守るためこの不条理に全力で抗い続ける」ことを宣言し、新基地建設の即時断念を求める決議【下別掲】を採択した。参加者全員で「土砂投入をやめろ!」「民意は示された!」とのプラカードを掲げ、頑張ろうを三唱した。


 集会会場の周辺では、終始、右翼団体の街宣カーが大音量で音楽やサイレンなどを鳴らす妨害も見られたが、集まった県民の迫力はそれを圧倒した。県民との繋がりを広げながら基地建設の阻止を目指して島ぐるみのたたかいを継続し、発展させていくことを誓い合って散会した。


 オール沖縄会議では19日に、共同代表の稲嶺進氏(前名護市長)を筆頭に大会決議をもって上京し、政府への要請行動をおこなうとともに、政府が新たな区画への土砂投入を予定している今月25日には「県民大行動」と銘打ち、辺野古ゲート前や海上で大規模な抗議行動を展開することにしている。

 

 

玉城知事の挨拶を代読する謝花副知事

■玉城デニー県知事の挨拶(要旨)

 

 2月24日に実施した県民投票は、投票率は52・48%、そのうち辺野古埋め立て反対が私が知事選で当選したときの得票数39万票を上回る43万4273票となった。これは投票総数に対して72・2%という高い結果となっている。普天間飛行場の辺野古移設に反対という民意は、過去2回の知事選挙など一連の選挙でも示されてきたが、今回の県民投票によって「辺野古埋め立て」に絞った県民の民意が明確に示されたのは初めてであり、極めて重要な意義があるものと考える。


 沖縄県民は、政府が「辺野古が唯一」ということが普天間飛行場を固定化することにほかならないと考え、より早い普天間問題の解決を求める思いで埋め立てに反対の意志を示したものと思う。民主主義国家であるわが国において直接示された民意は、何よりも重く、また尊重されなくてはならない。県民投票の結果が示された今、まさに日本政府の民主主義が問われている。


 しかしながら岩屋防衛大臣は3月5日の参院予算委員会で「県民投票の結果にかかわらず、あらかじめ事業(埋め立て)について継続することを決めていた」と答弁している。このことは地方自治法で定められた直接民主主義の制度を真っ向から否定するものであり、断じて容認できない。また、「沖縄には沖縄の民主主義が、政府には政府の民主主義がある」ともいっている。これはどういう意味だろうか。沖縄は日本ではないのだろうか。


 県民投票を2回も実施したのは沖縄県だけである。われわれは堂堂と県民投票で示された民意を、政府に、そして全国民に訴えていく。
 沖縄県は、あの翁長知事が命懸けで筋道をつくった「埋立承認の撤回」によって、軟弱地盤や活断層、高さ制限、環境上の問題などが承認後に判明したことから、埋立承認を取り消した。辺野古新基地建設地に存在する軟弱地盤は、広大な面積に70㍍深くにまで存在することが判明している。仮に辺野古基地が完成したとしても、完成後の基地の下では地盤沈下が続き、滑走路などの基地施設に大きな危害が生じることも考えられる。安倍総理は、これまでの国会等において「辺野古がつくれないということになれば、普天間はそのままになっていく」と答弁しているが、辺野古での工事は総理みずから認めた軟弱地盤によって大規模な地盤改良工事が必要とされることから、工事の長期化は避けられず、普天間の危険性はむしろ固定化される。


 なによりこの海域は貴重な自然が数多く残されている自然度の高い地域であり、沖縄県は自然環境の保全に関する指針において、この海域を「自然環境の厳正なる保護を図る区域(ランクⅠ)と評価している。また環境省は、同地域を「ラムサール条約の登録湿地の国際基準を満たす潜在候補地」および「生物多様性の観点から重要度の高い海域」の一つとして選定・抽出しており、地盤改良工事によってジュゴンの生態系やその他の重要な環境の保全が図られるのか大きな疑問がある。


 さらに同海域には活断層の疑いのある断層があり、その上に新基地を建設した場合、地震などが発生し、損害を受ける可能性があると専門家が指摘している。加えて、辺野古新基地が造られた場合、周辺の建造物が米国総務省の統一設置基準の高さ制限を超過することもわかっている。国は何が何でも工事を進めて既成事実を積み重ね、県民を諦めさせようと躍起になっているが、現時点では埋め立て工事全体の一部がなされているに過ぎない。「埋立承認の撤回」により、工事権限のない者によって違法に投入された土砂は、当然に原状回復されなければならない。


 そもそもこの問題が解決しないのは、日米両政府のみで「辺野古移設」を条件とし、県民の理解が得られないまま頭越しに進めてきたことが原因であると考える。問題を解決するためには、国が地元の意見を正面から受け止め、解決に向けて協議していくというプロセスが不可欠である。そのため、私は県民投票の結果を受け、去る3月1日に上京し、安倍総理やヤング駐日大使と会談し、今回の県民投票の結果を伝えるとともに、辺野古新基地建設計画の断念と、工事を止めたうえでの対話を求めた。


 普天間飛行場を含むSACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意から23年が経過している。その間に、北朝鮮をはじめ東アジアの情勢に変化の兆しが見え始めている。そこで私は、県民投票などの結果を踏まえたこの機を捉え、SACO合意とくに普天間飛行場の返還に関する検証をおこなうため、日米両政府に、沖縄県を加えたSACO With Okinawa、即ち「SACWO」の設置とその実現に向けた対話を求め提案した。それに対し、安倍総理は3月5日の参院予算委員会において「外交交渉なので政府が責任を持ち、交渉を続ける」と答弁しているが、地元沖縄の声を反映することなしに、沖縄の基地負担の軽減を進めることは困難であり、私は今後も引き続き「SACWO」の設置と対話を求めて行く。


 政府においては、辺野古新基地建設問題の解決、普天間飛行場の危険性除去に向け、地元との対話による解決をおこなってもらいたいと考える。普天間飛行場の危険性に晒され続けている宜野湾市民にとって危険性の除去はとくに待ったなしの課題だ。政府が「辺野古移設」に固執することによって危険性が放置されることは決して許されるものではない。県は平成29年12月の普天間第二小学校への部品落下事故などにさいし、日米両政府に強く抗議するとともに、同飛行場の早期の危険性除去の具体策として同飛行場主要機の長期ローテーション配備などの提案したが、政府からは何の反応もない。同飛行場の一日も早い危険性の除去および早期返還について引き続き宜野湾市と連携し、政府に対し強く求めて行く。県民投票によって示された県民の民意を何よりも尊重し、日米両政府が辺野古新基地建設を断念するまで揺らぐことなくたたかい続ける。


 私は日本が民主主義を尊重する国だと信じている。民主主義は国民こそが主権者だ。お集まりのみなさま、私たちとともにたたかって下さい。国内外のみなさま、ともに手を携えて民主主義の力を信じ、たたかっていきましょう!

 

■辺野古新基地建設の断念を求める3・16県民大会決議(全文)


 政府は2月24日の県民投票で示された圧倒的な沖縄県民の民意を尊重し、埋め立て工事を中止し、辺野古への新基地建設を即時、断念せよ。


 沖縄県知事が県民投票の結果を政府に通知した直後、政府は新たな護岸工事に着工し、さらに3月25日には新たな区域で埋め立てを行うとしている。県民の民意を無視して辺野古新基地建設を強行することは、民主国家として恥ずべき行為であり、断じて許すことはできない。日本が民主国家ならば国策の遂行が民意と無関係であってはならない。


 国土の約0・6%の沖縄県に米軍専用施設の約70%が集中していることは異常事態である。沖縄県民の負担軽減を行うならば、県民投票の結果を受けて、政府は米国政府と直接交渉し、辺野古新基地建設を断念し、オスプレイ配備撤回、世界一危険な普天間基地は即時運用停止を行い閉鎖返還すべきだ。


 私たちは、故翁長前知事が命をかけて守り抜いた県民の「誇りと尊厳」を引き継ぎ、誇りある豊かさを実現させるまでたたかう。「新時代沖縄」の実現へ向け、沖縄県民の命とくらし、沖縄の地方自治と日本の民主主義と平和を守るためこの不条理に全力で抗い続ける。

 今県民大会において、以下、決議し、日米両政府に対し、強く抗議し要求する。

 

 一、県民投票で示された圧倒的な民意を尊重し、埋め立てを中止し辺野古への新基地建設を即時、断念すること。

 二、大浦湾側には活断層があり、その付近の海底には、超軟弱地盤が存在する。米国の安全基準である高さ制限にも抵触している。環境を著しく破壊している赤土混じりの埋め立て土砂を全て撤去すること。

 三、欠陥機オスプレイ配備を撤回し、米軍普天間基地を即時運用停止し、閉鎖・撤去すること。
    以上、

 

宛先 内閣総理大臣 外務大臣防衛大臣 沖縄担当大臣 米国大統領 駐日米国大使

 

2019年3月16日
辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議

 

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