いかなる権威にも屈することのない人民の言論機関

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<論壇> 日朝人民の団結を阻害する排他的な民族利己主義  

 日朝首脳会談によって、共同宣言がかわされ国交正常化することが約束された。戦前において日本に併合し、乱暴な植民地支配をつづけたことを謝罪もせず、戦後も半世紀にわたって交戦状態をつづけるという不正常な関係をつづけてきたことをあらため、平等互恵、平和共存の関係にすることは、日本民族の誇りにかかわる問題である。それは同時に日本とアジアの平和にとってきわめて重要な問題である。


 とりわけ現在、アメリカが「テロ報復」「悪の枢軸」と叫んで、アフガンへの戦争をやり、イラクへの戦争を準備し、北朝鮮への戦争恫喝(どうかつ)を加えているなかで、きわめて切実な問題である。このなかで商業マスメディアが、拉致事件が日朝関係のすべての問題であるかのようにあつかって、国交正常化は二の次のようにしていることは、日本民族として恥ずべきことであり、アメリカの尻馬に乗った戦争動員の意図に結びついているといわなければならない。


 拉致された子どもを思う家族の気持ちは、戦前の植民地支配によって連れ去られ、どことも知れず殺された朝鮮人の家族の気持ちと同じであることはいうまでもない。在日朝鮮人のなかでは、拉致事件は深く心を痛める問題となっている。かれらは、かつて朝鮮人の多数が拉致されたのだから、いまの拉致事件などものの数ではないなどとは考えていない。よいことはよい、悪いことは悪いで是非をはっきりさせ、日本人民と対立するのでなく仲よく暮らすことを願っている。かれらは戦前から何代にもわたって日本で生活し、いまからも日本で生活していく朝鮮人である。


 北朝鮮の秘密機関による拉致事件という犯罪は、商業マスメディアが「テロ国家」といって朝鮮への排外主義をあおり、戦争世論をあおる道具となっている。それともかかわって、拉致事件をひき起こすような指導路線の問題を見ないわけにはいかない。それは日朝人民の団結、アジアの人民の友好連帯の関係を破壊するものであり、米日「韓」軍事同盟によって朝鮮半島と日本を火の海にし、日朝人民を不幸にするたくらみにうち勝つ力を阻害するからである。


 いまから150年ほどまえ、マルクスとエンゲルスが書いた『共産党宣言』は、「万国の労働者団結せよ」と呼びかけた。「他国の労働者を拉致せよ」は、『共産党宣言』のいうところと対立しており、本来の社会主義国の立場でないことは明らかである。それは国際連帯の精神ではなく、排他的な民族利己主義のあらわれである。


 民族利己主義は、朝鮮民主主義人民共和国成立の歴史にも反している。同国の成立は第二次大戦における日本帝国主義の敗北によってもたらされた。それは長期にわたる中国人民の抗日戦争を中心に、朝鮮民族をふくむアジア人民の抗日斗争、社会主義ソ連の参戦、日本人民の抵抗、そして帝国主義国間の矛盾のなかから米英仏蘭との戦争によってであった。国際的なプロレタリアートと被抑圧民族が団結した大斗争の産物であった。そのような国際連帯の力を強めるために尽くす立場を放棄したならば、建国の力を放棄するに等しく、アメリカの横暴にうち勝つことはできない。それは民族利己主義におちいったソ連、東欧の社会主義国の崩壊が物語っている。


 われわれは、日朝人民、アジアの人民が団結し、国交を早期に回復し、米日韓軍事同盟による朝鮮・アジアでの戦争政策を押しとどめ、平和なアジアをつくることを主張する。

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